パイレーツ、オールスター選出の左打者オハーンと2年契約で合意(関係者取材)

December 23rd, 2025

情報筋によると、パイレーツはフリーエージェント(FA)で2025年のオールスター選手、ライアン・オハーンと2年総額2900万ドル(約43億5000万円)の契約で合意した。刷新を強く望んでいた打線に、また1人強打者が加わる。

球団はこの合意を正式に発表していない。

オハーンは2016年12月の右投手、イバン・ノバ(3年2600万ドル=約39億円)以来となる、パイレーツが複数年契約を結んだFA選手となる。また、野手と結んだFA契約としては球団史上最高額だ。

32歳のオハーンは今季、オリオールズとパドレスで計544打席に立ち、打率.281、出塁率.366、長打率.437、17本塁打、63打点をマークした。トレード期限を前にサンディエゴへ移籍するまでは、オリオールズから選出された唯一のオールスター選手だった。

メジャー8年目のベテラン、オハーンは、2023年にボルティモアへ移籍するまで、メジャーで本領を発揮することはなかった。オリオールズで才能が開花し、在籍した3年間で打率.277、OPS.796、OPS+125(100が平均の打撃指標)をマークした。今季、初めて500打席以上に到達した。

左打ちのオハーンは、パワーに関しては主に対右投手で発揮された(17本塁打中14本)が、OPSは対右投手の.795に対し、対左投手では.832と、サウスポー相手の方が優秀な数字を残した。これは打席での非常にバランスの取れたアプローチの産物だ。空振り率、ボール球スイング率、三振率はリーグ平均より優れており、10.7%という高い四球率と理想的な打球角度を記録している。ベースボール・サバントによると、今季の打球の38.2%がスイートスポット(バットの芯)で捉えられており、これは上位15%に位置する。

パイレーツはこの冬、打線により多くの左打者を加えることを望んでいた。野手陣(特に内野)が右打者過多になっていると感じていたためだ。PNCパークの右翼席は左打者にとって非常に魅力的であり、左打席からの長打力を高める可能性がある。

オハーンは一塁と外野の両翼を兼務した。守備評価が最も高かったのは一塁で、OAA(Outs Above Average=平均野手と比べてどれだけアウトを取ったか)は「6」を記録し、同ポジションで4位タイだった。一塁手のスペンサー・ホーウィッツはパイレーツ打線における数少ない希望の光だったが、レギュラーDHが固定されていないため、ポジションには柔軟性がある。

オハーンは、今週パイレーツが獲得した2人目の2025年オールスター選手だ。1人目はレイズ、アストロズとの3球団間トレードの一環で獲得したブランドン・ロウだった。

ベン・チェリントンGMはトレード直後、パイレーツ打線に実績ある強打者をもう1人加えたい意向を示していた。オハーンはまさにその条件に合致する。オハーンが加わったことで、パイレーツの予想布陣は以下。

  • 捕手:ジョーイ・バート、ヘンリー・デービス
  • 一塁/DH:オハーン、ホーウィッツ
  • 二塁:ロウ
  • 遊撃:ニック・ゴンザレス、またはトッププロスペクトのコナー・グリフィン
  • 三塁:ジャレッド・トリオロ
  • 外野:ブライアン・レイノルズ、オニール・クルーズ、ジェイク・マンガム、ジョスティンソン・ガルシア

この予想ラインナップには、昨季終了時点から4、5人の新顔が含まれる可能性がある。得点(583)、本塁打(117)、OPS(.655)でメジャー最下位に終わり、テコ入れが必要だった攻撃陣にとっては、かなり抜本的な刷新となる。

パイレーツのロースター(メジャー出場選手登録)は現在40人の枠が埋まっており、オハーンのために枠を空ける必要がある。