トレード期限が迫る中、アルカンタラが7回1失点の好投

July 23rd, 2025

マーリンズ3-2パドレス】マイアミ/ローンデポ・パーク、7月23日(水)日本時間24日

マーリンズのエース、サンディ・アルカンタラが、パドレス戦で今季最長となる7回98球を投げ、4安打、無四球、4三振、失点は捕手の悪送球による1点のみで『ビンテージ・アルカンタラ』の復活を思わせる投球を披露した。

アルカンタラは四回1死まで10者連続アウトと圧巻の立ち上がりを見せたが、ルイス・アラエスに左寄りのシフトを抜ける内野安打を許し、捕手フォルテスの牽制悪送球で二塁へ進まれると、マニー・マチャドにカーブを捉えられ同点適時打を浴びた。七回にはマチャドの二塁打で1死二塁とされるも後続を打ち取り、無失点で切り抜けた。

「俺のことを信じない人なんて山ほどいる。でも、自分を信じていれば、周りが何を言おうと関係ない。神様の計画を信じて、マウンドに立ち、チームのために戦い続けるだけだ」とアルカンタラ。

「今季、サンディが苦しんでいたことは皆、よく分かっているし、ずっと話題にもなってきた。諦めずに投げ続け、きょうも大事な試合で素晴らしい先発だった。相手打線を抑えてくれたおかげで、ホームでこのカードを勝ち越すことができた」とクレイトン・マカラー監督は語った。

9月7日に30歳になるアルカンタラはトレード期限が迫る中、移籍候補として注目される一人。2026年に約1730万ドル(約27億円)、2027年は球団オプション2100万ドル(約33億円・バイアウト200万ドル)とエースクラスとしては比較的手頃な契約条件のため、複数球団が獲得へ動く可能性がある。

トレードの噂について聞かれると、「そんなことは分からない。今はこの球団にいられることがすごくうれしい。今、分かっているのは、チームと一緒にロードに出るってことだけ。自分にできるのは、競い続けること、働き続けること、あとはすべてを受け入れることだよ」と受け流した。

トミー・ジョン手術から復帰して以降、アルカンタラの投球内容は決して順調とは言えず、その実力やトレード市場での評価にも疑問符がつけられていた。このシリーズ最終戦を迎えた時点で、今季90イニング以上投げたメジャー85投手の中で防御率7.14は最下位。しかし苦しい登板が続いていた中でも、アルカンタラは長いイニングを投げ抜く本来のスタイルを取り戻していた。この日の登板を含め、直近9試合のうち7試合で少なくとも6イニングを投げている。

「今日はえげつなかったね。5月に本拠地で対戦したときとは全然違ったよ。今季前半戦はあまり良くなかったみたいだけど、今日は明らかに違った。全ての球種に制球力があったし、スライダーも良かった。完全に翻弄されたよ」とパドレスのマチャドは相手エースを称え、シルト監督もこう付け加えた。

「サイ・ヤング賞を獲った頃のサンディに戻っていたね」

アルカンタラは、長いイニングを投げる投手が少なくなる中で、マーリンズの本拠地で「ワークホース(馬車馬)」としての評判を築いてきた。2019年5月19日には、わずか89球でキャリア初の完封勝利を挙げ、その年に初めてオールスターに選出された。そしてその4カ月後には、再び完封を記録している。

マーリンズの球団史におけるホームでの成績で、7度の完投は球団2位、4度の完封は3位タイ、防御率3.20は25先発以上の投手で6位タイにつけている。

次回登板は29日のカージナルス戦が予定されている。カージナルスは、アルカンタラが10代のとき、ドミニカ共和国で契約を結んだ球団でその後、2017年12月にトレードでマーリンズへ放出した。

「チャンスを生かした男として、そして競うことが好きな男として(カージナルスには)覚えていてほしい。学ぶことも好きだし、何でも学びたい。もし彼らが俺を『カバーヨ(馬車馬、ワークホース)』として記憶してくれるなら、喜んで受け入れるよ。ここ(マーリンズ)で与えられたチャンスには本当に感謝している」

もしこれがマーリンズでの最後の先発登板だったとしても、球団史上唯一のサイ・ヤング賞投手として、アルカンタラが築いたレガシーは色あせることはないだろう。