直近2シーズンを負傷により欠場したシェーン・マクラナハンの来季について、ある程度の不確実性が存在するのは当然だろう。
スプリングトレーニングでどんな姿を見せてくれるのか。どれくらいのイニングを投げられるのか。長いシーズンを持ちこたえることはできるのか。オールスター級の実力を取り戻すことはできるのか。こうした疑問が次々に湧いてくる。
しかし、少なくともマクラナハンの年俸は、大きな問題にならないだろう。17日(日本時間18日)、レイズはマクラナハンとの年俸調停を回避し、来季の契約に合意。関係者によると、年俸は360万ドル(約5億4000万円)で、ほかの条項は盛り込まれていない。
マクラナハンにとって、来季は年俸調停期間の3年目のシーズンとなる。2023年オフに初めて年俸調停権を取得し、2年720万ドル(約10億8000万円)の契約を結び、直近2年間の年俸はそれぞれ360万ドル(約5億4000万円)だった。負傷により1年を全休した選手は通常、前年と同じ年俸となる。レイズの保有期間はあと2年残っており、マクラナハンがフリーエージェント(FA)になるのは2027年シーズン終了後だ。
レイズはマクラナハンのほかに、グリフィン・ジャックス、ギャレット・クレビンジャー、スティーブン・ウィルソン、シェーン・バズ、ニック・フォーテス、ジョシュ・ロウ、ブライアン・ベイカー、ライアン・ペピオ、ケビン・ケリー、リッチー・パラシオス、エドウィン・ウセタの11選手が年俸調停の権利を持っている。
マクラナハンがメジャーのマウンドに立ったのは2023年8月2日が最後。同月にキャリア2度目のトミー・ジョン手術を受け、2024年シーズンはリハビリに費やした。今年のスプリングトレーニングでは完全に回復し、試合出場の準備が整っているように見えたが、シーズン開幕に向けた最後の登板で負傷。左上腕三頭筋の神経に関する問題で負傷者リスト入りすることになってしまった。
28歳の左腕がマウンドに復帰するまで数カ月を要し、7月にはマイナーで3試合に登板したものの、再び投球を中断。今オフに入って平地での投球練習を再開しており、レイズはマクラナハンが基本的には通常通りのスプリングトレーニングを過ごせることを期待している。
先週のウィンターミーティングにおいて、ケビン・キャッシュ監督は「いいオフシーズンを過ごせているようだ。状態も本当にいいと聞いている」とマクラナハンについて言及した。
エリック・ニアンダー編成本部長は「彼は本当に一生懸命努力した。すべてが期待通りに進めば、ローテーションの一角を担うことになるだろう。大切に扱っていくし、復活をバックアップしたい。これまで懸命に努力してきたし、以前のような投手に戻れると思う」とエース左腕の復活を全面的にサポートしていく意向を示した。
長期離脱前のマクラナハンは球界屈指の投手だった。2021~23年には74試合に先発して404回2/3を投げ、防御率3.02、456三振。ベースボール・リファレンス版のWARは8.8を記録した。2022年はオールスターの先発投手を務め、サイ・ヤング賞投票で6位にランクイン。翌2023年もオールスターに選出された。
計画通りに進めば、マクラナハンは来季、ドリュー・ラスムッセン(2025年オールスター選出)、ペピオ、バズ、スティーブン・マッツ(FAで新加入)らとともにローテーションを形成することになる。この5人以外にもイアン・シーモア、ジョー・ボイル、ヨエンドリス・ゴメス、ジェシー・ショルテンズらが先発候補として控えており、今オフ中のさらなる補強も検討されている。
