【ドジャース8-2パドレス】サンディエゴ/ペトコパーク、8月24日(日本時間25日)
大谷翔平が45号ソロを放ち、ダイヤモンドを一周する間、テオスカー・ヘルナンデスはひまわりの種を手に待ち構え、デーブ・ロバーツ監督は満面の笑みをうかべ、ベンチは大谷を迎え入れる準備をしていた。
だが大谷には、チームメートと祝福する前に立ち寄る場所があった。
大谷は一塁側ベンチに入る代わりに左側の観客席により、フェルナンド・タティスJr.のユニホームを着たパドレスファンにハイタッチを求めた。ファンはやや気恥ずかしそうに応じ、大谷はその背中を軽く叩いた。
その後、大谷はチームに戻り、ドジャースは恒例のセレブレーションを実施。ヘルナンデスがひまわりの種を投げつけ、二刀流スターは笑顔のロバーツ監督とハイタッチを交わしてベンチへと降りていった。
大谷がわざわざ交流したそのファンとは誰だったのか。ロバーツ監督によると、その人物は試合を通じてドジャースにヤジを飛ばし続けており、特に大谷には、このシリーズでの成績について口うるさく言及していたそうだ。
「試合中ずっと私の右耳に響いていて、とても鬱陶しかった。ただ、翔平らしくない行動だったと思う。あの男は試合を通して彼をからかい続けていたから、翔平が自らハイタッチを求めにいったのは面白かった。翔平の人柄を見せられて良かったよ」
この一発まで、大谷は10打数無安打、2四球と沈黙。しかし九回表、松井裕樹から本塁打を放ち、今週末を無安打で終わらせないだけでなく、ナ・リーグ本塁打王争いで再びフィリーズのカイル・シュワーバーと並ぶ首位に立った。
シリーズの最初の2戦ではパドレスに封じ込められたドジャース打線だったが、この日はフレディ・フリーマンの2本塁打、ダルトン・ラッシングの3ランを含む8得点と爆発。大谷もこの流れに乗り、”ヤジ将軍”を攻め落とした。
「翔平のおかげで、あの人も少しは違う盛り上がり方ができたんじゃないかな」とフリーマンは語った。
