【ドジャース15−2エンゼルス】アナハイム/エンゼルススタジアム 5月16日(日本時間17日)
大谷翔平は、とにかく走り続けた。
右翼線へ放った打球はフェアゾーンに落ち、そのまま場外へ跳ね出るかに見えた。エンゼルスの右翼手ジョー・アデルは、打球がネットに当たった瞬間に両手を上げたが、ボールはそのままグラウンド内へ落下した。
その間に1点、さらにもう一人が生還。それでも大谷は走るのをやめなかった。
アデルが内野へ返球したボールは、本塁方向へ転々。その間に大谷は本塁へ滑り込み、メジャー初となる“リトルリーグホームラン”を完成させた。
エンゼルスはチャレンジを要求したが、判定は覆らず。審判団は協議の末、「ボールは一度もインプレーを外れていない」と確認し、記録は三塁打と右翼手の失策となった。
さらにその後、ムーキー・ベッツが“確認不要”の豪快アーチを放ち、ドジャース打線は終盤に猛攻。チームはエンゼルスに15対2で大勝した。
ドジャースはこれで4連勝。フリーウェイシリーズ最終戦では、アナハイムでの3連戦スイープを狙う。
八回に大谷が放った打球は、30球場共通のユニバーサル・グラウンドルールに基づき“インプレー”と判断された。
規定では、「フェアグラウンド上に設置されたネットや防護スクリーンに打球や送球が当たり、フィールド内に跳ね返った場合はインプレー」と定められている。
「難しいプレーだった」とエンゼルスのカート・スズキ監督は振り返る。
「昔のようにファウルグラウンドにネットがなければ、あれはスタンドに入って二塁打になっていた。ただチャレンジした。観客に当たった可能性もあると思ったが、そうではなかった。残念だが仕方ない」
大谷翔平はSportsNet LAのインタビューでこう語った。
「僕が(エンゼルスに)いた頃はネットがなかったので、全力で走り続けたのが良かったと思います」
このリトルリーグホームランが生まれる前、ドジャース打線の得点はウィル・スミスの初回犠牲フライで先制したのみ。その後、六回には先発ホセ・ソリアーノとリリーフのチェイス・シルセスから、四球4つ、死球2つ、そして安打1本で一挙5点を奪った。
デーブ・ロバーツ監督は「いい攻撃だった。あのビッグイニングでもヒットは1本だけだったが、必要な場面で四球を選び、相手のエースを揺さぶることができた」と評価した。
しかし、ドジャース打線には一気に試合をひっくり返すだけの破壊力がある。この試合でも、それが終盤に一気に爆発した。
大谷翔平とムーキー・ベッツの活躍で八回に4点を奪うと、さらに九回には大谷が走者一掃の二塁打を放ち、3点を追加。これでドジャースは1試合15得点と今季最多を記録した。チーム全体の不振から抜け出すきっかけとなる内容だった。
指揮官にとって最も印象的だったのは、打撃そのものではなく“走塁”だった。
「最初の二塁打でも全力で走っていたし、その後も走り続けていた。そこが一番重要なサインだった。スイングスピードも内容も良かったが、あの走り方にはまだ余力があるということだと思う」
ドジャースは打線だけでなく、守備でも好プレーが続いた。アンディ・パヘスはセンターでホームラン性の打球を好捕し、1点を防ぐビッグプレー。先発のジャスティン・ロブレスキーも前回登板での7失点から立ち直り、6回2失点と試合を作った。
これでチームは4連勝。長く続いた不振から脱しつつある中、この日は「ほぼすべての得点パターンで得点した試合」となった。
ロバーツ監督は最後に笑いながらこう締めた。
「ワイルドピッチかパスボール以外は、ほぼ全部やったよね」
