最後の最後までもつれたドジャースの連覇とは異なり、大谷翔平が満場一致でナ・リーグMVPに輝いた。大谷はOPS1.014、55本塁打、そして2023年以来の投手復帰で14先発(47イニング)で防御率2.87、62三振を記録し、MVPの最有力候補となっていた。
大谷は2025年シーズンのMVPを受賞するまでも多くの歴史を築き、MVPの歴史を塗り替えてきた。2023年には満場一致で複数回のMVPを受賞した初の選手となり、また、日本生まれで初めて2度のMVPを受賞した選手となった。2024年には、殿堂入り選手のフランク・ロビンソンに続き、両リーグでMVPに選ばれた唯一の選手、そして複数のチームでMVPを受賞した史上6人目の選手となった。
しかし2025年、大谷は自身の偉業をはるかに超える活躍を見せた。このMVP受賞が、いかに画期的な功績だったか。5つのポイントを挙げてみよう。
1)通算4度目のMVP
大谷翔平はMVP通算受賞回数でもMLB歴代上位に位置していた。2021年と2023年のア・リーグMVP、さらに2024年のナ・リーグMVPで、史上11人しかいない通算3度のMVP受賞者の仲間入りを果たしていた(今季ジャッジの受賞で12人に増加)。その多くは殿堂入り済みで、現役ではトラウトがいる。
そして大谷が4度目のMVPを受賞したことで、史上2人目の通算4度以上のMVP受賞者となり、これを上回るのは通算7度のバリー・ボンズのみとなった。
2)3年連続MVP
MVPを通算で3度受賞した選手すら数少ない。そのため、2023年から3年連続受賞を成し遂げたのは非常に希少な記録だ。これまで3年連続受賞を達成したのはボンズのみ(ジャイアンツ、2001-04年)。2年連続受賞は今季のジャッジを含め史上13人いるが、3年連続受賞の壁を超えたのは大谷とボンズだけだ。
3)連覇+MVPの同時達成
2年連続MVPは稀有だが、同時にワールドシリーズ制覇となるとさらに前例が少ない。史上13人の2年連続MVP受賞者のうち、同時に連覇を達成したのは1975-76年のジョー・モーガン(レッズ)のみ。ミッキー・マントル(ヤンキース)やジョー・ディマジオも複数回MVPとワールドシリーズ制覇を経験したが、いずれも同一シーズンでの達成は限られる。
さらに大谷は今年のナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)でもMVPを獲得。レギュラーシーズンMVPとLCSまたはWSで同一シーズンにMVPを受賞したのは、2010年のジョシュ・ハミルトン以来7人目の快挙であり、ドジャースでは1963年のサンディ・コーファックス以来となる。
4)ドジャースで2度目のMVP
長い歴史を持つドジャースの選手がMVPを受賞するのは、今年の大谷で通算14度目だ。ライバルのジャイアンツと並んでMLBで3番目に多く、ヤンキース(22度)とカージナルス(18度)に次ぐ数字だ。しかし、興味深いのは、ドジャースの14度のMVP受賞は10人の異なる選手が成し遂げていることだ。ロサンゼルス移転後から7度のMVPは7人の異なる選手が受賞(2024年の大谷も含まれる)している。
そして今年、大谷がドジャースの選手として2度目の受賞を果たし、ブルックリン時代に3度(1951年、1953年、1955年)受賞した伝説の名捕手ロイ・キャンパネラに次いで史上2人目のドジャースで複数回の受賞者となった。
さらに大谷は、移籍後2シーズン連続でMVPを受賞した史上2人目の選手となった。かつての達成者はロジャー・マリスのみで、マリスは1959年12月にカンザスシティ・アスレチックスからヤンキースへ加入後、1960-61年にMVPを獲得した。
5)投手として3度目のMVP
話を進める前にはっきりしておこう。大谷翔平は、メジャー史上、ベーブ・ルースを含む他の選手と比べても群を抜いている。2025年、大谷は二刀流でプレーしながら3度目のMVPを獲得した(昨季は負傷のため打者専念)。投げなくてもMVPに値することは証明済みだが、投球もまた大谷の魅力の一つだ。
近年のMVP受賞者の文脈で見ると、これは特筆すべき記録である。1993年から2020年までの28年間で56選手がMVPを受賞したが、投手としての受賞はわずか2度(2011年バーランダー、2014年カーショウ)にすぎない。大谷は2025年の受賞で、その合計を単独で上回った。
