大谷翔平(31)という選手を目撃できて、私たちはとても幸運だ。
これまでも大谷は歴史に残る活躍をしてきたが、その偉大さがナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)の第4戦で改めて浮き彫りになった。この試合は大谷自身の最高傑作、つまり史上最高の総合パフォーマンスといっても過言でない。さらにチームはブルワーズを5-1で破り、ナ・リーグのチャンピオンも獲得した。
この試合はポストシーズンだけではなく、野球史上で最も印象的かつ歴史に残るパフォーマンスだった。
この試合が野球史上最高のパフォーマンスと言える13の理由を挙げる。
1 歴史的快挙の始まりは初回に
大谷は初回、先頭打者でホームランを放ち、メジャーリーグ史上初めて、先頭打者として本塁打を放った投手となった。これはレギュラーシーズンもポストシーズンも含めて初の快挙。
2 中押し弾&ダメ押し弾
大谷は四回と七回にもホームランを放ち、ポストシーズンで1試合に複数本塁打を打った初めての投手となった。
3 圧巻の投球内容
大谷は七回途中までわずか2安打で無失点、10三振を記録した。3本塁打を打ちながら、同じ試合で投手として5三振以上を達成したのはメジャー史上初で、大谷は10三振で新たな記録を打ち立てた。
4 キャリア2度目の偉業
大谷は、投手として10三振以上、かつ複数本塁打を打ったのが2度目で、これは史上唯一「大谷翔平だけ」の記録だ。
5 初回に三振と本塁打の同時達成
大谷はポストシーズン初回に三振を奪い、さらに本塁打を打った初の選手となった。さらに、同じイニングで3人の三振と本塁打を記録したのも大谷のみ。さらに四回には2つの三振を奪い、その直後に2本目のホームランを放ち、複数の三振と本塁打を同一イニングで記録したキャリア複数回目のポストシーズン選手になった。
6 ポストシーズンでの3本塁打は最多記録
投手としてポストシーズンで3本塁打は大谷翔平が初だが、キャリア通算でも最多記録。2本塁打を放った選手はボブ・ギブソンとデーブ・マクナリーだけだ。ちなみにギブソンはポストシーズンで10三振と本塁打を2度マークしている。
7 ポストシーズンでの3本塁打は13例目
この試合はポストシーズンで13度目の3本塁打ゲームとなった。ドジャースは、2021年にクリス・テイラー、2017年にキケ・ヘルナンデスがそれぞれ達成している。ヤンキースもベーブ・ルースが2回、レジー・ジャクソンが1回記録している。
8 シリーズ決定戦での3本塁打は6例目
13例のうち6例はシリーズ決定戦での3本塁打だが、投手として出場しながらシリーズ決定戦で3本塁打を記録したのは、大谷が史上初である。
9 スタットキャストの歴史的記録
大谷はこの試合で放った3本のホームランすべてが、116.5マイル(約187.4キロ)、116.9マイル(約188.0キロ)、113.6マイル(約182.8キロ)という驚異的な打球速度を記録。スタットキャストによる記録が始まった2015年以降、116マイル(約186.7キロ)以上の打球速度でホームランを複数本放ったのは、レギュラーシーズンを含めても大谷が史上初の選手となる。しかも、この試合では投手としてもマウンドに立っていた。
10 投手としての最速打球記録も更新
116マイル(約186.7キロ)を超える2本のホームランは、投手として記録されたスタットキャスト史上最速の本塁打である。しかもこのリストのトップ8すべてを大谷が独占している。これらはいずれも、彼が投手として登板中に放った打球だ。さらに、大谷はドジャースのスタットキャストにおける最速打球トップ18すべてを保持しており、これらの偉業をわずか2年で成し遂げている。
11 最長飛距離469フィート(約143メートル)
最長のホームランはスタットキャストの推定で469フィートで場外弾に。ドジャースタジアムは歴史的に長打が出にくい球場とされてきたが、大谷はポストシーズンも含めてドジャースタジアムで450フィート(約137メートル)以上のホームランを8本放っており、複数本放った選手は他にいない。
12 打席だけでなく投球でも圧倒的
大谷は初回に3者連続三振を奪い、そのうち2人を100マイル(約161キロ)を超える速球で仕留めた。ちなみに試合開始前まで、ドジャースの先発投手がポストシーズンで記録した100マイル超の三振はわずか1つだけだった。
13 最速球・最速打球を独占
大谷は試合中の11球の最速球、さらに最速の3つの打球と最長の3本をマーク。そして三振数も最多と、すべての数字でトップの数字をマークした。
