大谷翔平、サイ・ヤング賞争いも視野にシーズンイン

February 13th, 2026

2度目のワールドシリーズ制覇と、満票での4度目のMVP受賞。輝かしいシーズンを終えた大谷翔平は、このオフ、久々に“リハビリのない冬”を過ごした。

2023年シーズン終了後に右肘の再手術を受け、その回復は24年のオフまで続いた。さらに左肩の関節唇を修復する手術もあり、ここ数年は万全の状態でオフを迎えることができなかった。今回はリハビリこそないものの、ドジャースの連覇によりオフは例年同様に短い。加えて、3月には侍ジャパンの一員として再びワールドベースボールクラシック(WBC)に出場する予定で、準備期間はさらに限られる。

とはいえ、大谷に“普通”という言葉は当てはまらない。二刀流という唯一無二の役割、そしてグラウンド内外で放つ圧倒的な存在感。常識を超えた環境の中でこそ真価を発揮してきた。その3年目となるドジャースで、どんな姿を見せるのか。期待は高まるばかりだ。

ロバーツ監督は、バッテリーのキャンプイン初日にこう語った。

「私の期待がどうであれ、彼自身の基準はそれを上回るだろう。サイ・ヤング賞争いに入るつもりでいるのは間違いない。ただ、まずは健康を保ち、先発として登板を重ねること。それができれば、数字は自然とついてくる」

大谷翔平は、メジャー在籍8年でほぼすべてを成し遂げてきた。MVPやワールドシリーズ制覇に加え、打者としては考え得る主要なタイトルや表彰をほぼ手にしている。一方で、投手としての実績はそこまで多くはない。

唯一、手に入れていない主要タイトルがサイ・ヤング賞だ。

大谷がサイ・ヤング賞の投票で票を得たのは、キャリア最高の二刀流シーズンとなった2022年だけだ。この年は28試合に先発し、15勝9敗、防御率2.33。166イニングで219奪三振、与四球44という圧巻の内容で、ア・リーグのサイ・ヤング賞投票では、受賞したジャスティン・バーランダー、2位ディラン・シース、3位アレック・マノアに続く4位に入った。

メジャー移籍後、右肘の大手術を2度受けており、マウンドに立てる期間に限りがあったため、2022年は大谷が規定投球回に到達した唯一のシーズンだった。

大谷自身が今年、サイ・ヤング賞を狙うと明言したわけではない。それでも、シーズン終盤に賞レースの話題に加わっていられるだけの成績を残したいという思いはある。

「そうですね、取れればもちろん素晴らしいと思います。その(賞レースの)付近にいくということは、それだけイニングを投げているということだと思うので、健康で1年間(ローテーションを)回れれば。まずはそれが一番やるべきことかなと思っています」と17番は語った。

とはいえ、ナ・リーグでの争いは熾烈だ。昨季の受賞者であるパイレーツのポール・スキーンズは、キャリア序盤から歴史的とも言える圧倒的な投球を見せ、最有力候補と目されている。さらにドジャースの同僚・山本由伸も有力な対抗馬の一人。昨季はスキーンズ、フィリーズのクリストファー・サンチェスに次ぐ3位に入っている。

大谷がそのライバルたちを上回るためには、単に好成績を残すだけでは足りない。先発投手としてフルシーズンをローテーションで投げ抜くことが求められる。現時点ではその方針だが、3月のWBC出場が調整面で影響を及ぼす可能性もある。大会では日本代表のDHのみの出場で登板予定はない。

今季すでに3度のブルペン投球を行っている大谷は、調整状況についてこう語った。

「WBCの環境でどこまで練習できるかは正直分からないので、少なくともライブBPを投げられるところまで、できるだけ状態を上げていきたいと思っています。来週には投げられれば、と思っています」

指揮官は、大谷が米国を離れる前にオープン戦で登板できるかどうかは、まだ確信が持てないと語った。侍ジャパンが連覇に成功すれば、大谷は少なくとも3月17日までチームを離れることになる。その後はオープニングデーまでに、アリゾナで3試合、南カリフォルニアで3試合、計6試合のオープン戦が残されているのみだ。

フルスケールの二刀流をこなすための調整ができるのは、大谷本人だけだ。昨年の投球リハビリでも、彼自身のプロセスに頼る必要があったように、今春もドジャースは同じやり方で臨むことになる。

ロバーツ監督はこう語った。

「心配はしていないよ。翔平は、自分が何をすべきかを十分に理解しているからね」