ドジャース、大谷の侍ジャパン二刀流起用に慎重

December 9th, 2025

大谷翔平は、2023年のワールドベースボールクラシックで侍ジャパンで二刀流、さらに抑え投手として活躍したが、来春の大会でも投打で出場するかは明らかになっていない。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、ウィンターミーティングで、大谷の日本代表での起用方法について自身の希望を明かした。

「投げないでほしいとは思っているが、正直(どうなるか)分からない」と指揮官は話し、「彼は自分の体の状態にとても敏感だ。打者として出場するのが現実的だろうと思う」と続けた。

ドジャースの山本由伸佐々木朗希も候補に挙がる見込みだ。侍ジャパンは2026年大会でプールCに入り、3月6日に東京ドームで開幕戦を迎える。両投手はまだ球団と出場について話し合っておらず、参加に関して球団が慎重になる可能性もある。

ワールドシリーズ3連覇を狙うドジャースにとっては、当然ながらワールドベースボールクラシックは最優先事項ではない。しかし、2月に投手と捕手のバッテリー組みのキャンプイン前までには、方針を決める必要がある。

ブラントン・ゴームスGMは8日(日本時間9日)、「今はやることが多すぎて、少し後回しになっている」と語り、「まずチームとして話し合い、選手の状況がわかってきたら、その情報をもとに個別に調整していくつもりだ」と説明した。

2023年に侍ジャパンを優勝に導いた大谷、山本、佐々木にとっては、再び母国代表として大会に出場することは大きな名誉だが、3選手が2026年大会で投げる可能性については慎重な判断が求められる。

山本は2025年にレギュラーシーズンで173回2/3、ポストシーズンで37回1/3を投げ、メジャー1年目のほぼ倍の投球回数を記録。佐々木はルーキーイヤーに右肩インピンジメントで3カ月以上を負傷者リストで過ごしており、両者とも投球負担を考慮する必要がある。

「制限や出場範囲については話し合いたい。選手たちにチャンスを与えたい一方で、長いシーズンを戦ってきた疲労もあるはずだ。特に山本については2026年を見据える必要がある。ただ現時点では、明確になことは何もない」と指揮官は出場へ慎重な姿勢を示した。

大谷は2023年大会のMVPに輝き、打率.435、OPS 1.345、投手としては2勝0敗、防御率1.86という成績を残した。決勝の米国戦で当時のチームメイト、マイク・トラウトを三振に打ち取り、日本の勝利を決定づけた。

大谷は、2023年9月に右肘の2度目の大手術を受けた後、今季は待望の投手復帰を果たした。6月にメジャーのマウンドに戻り、14試合(47イニング)で1勝1敗、防御率2.87を記録。ドジャースは、2026年も先発投手として起用することを想定している。ただし、一般的な先発投手とは少し異なり、登板間で5〜6日以上の休養が必要な場合もある。それでも二刀流での起用はロースター運用の幅を広げるため、チームは対応可能と見込んでいる。

ワールドベースボールクラシックでは、大谷は打者としての出場が濃厚だが、投手として出場してもシーズン後半に影響ないと本人が強く希望する場合、ドジャースはその意向を尊重する方針だ。

「投手としての起用はもちろん難しく、慎重にならざるを得ない場面もある。しかし、話し合いを重ねながら最適な方法を見つけていくつもりだ」とゴームスGMは語った。