ホットビー投手コーチ、今永の2026年に「気持ちが高ぶった」

November 23rd, 2025
*この記事は、ジョーダン・バスティアンの「Cubs Beat」ニュースレターからの抜粋です(原文は英文)。全文はウェブ版をご覧ください。

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今永昇太(32)が少なくとも、もう1年カブスに残留する決断を下したという知らせがチーム内に広がると間もなく、投手コーチのトミー・ホットビーは左腕にメールを送った。

「気持ちが高ぶった」とホットビーは今週、電話取材で語った。

「マウンドを降りるときにガッツポーズする彼のGIFを送った。するとすぐに返事が来た。『ここが自分の場所だ。戻れてうれしい。すぐにでも取り組む準備はできている』と返信があった」

今永は18日(日本時間19日)、カブスから提示された1年のクオリファイングオファー(2202万5000ドル=約34億円)を受諾し、2026年もチームに残ることを決断。複雑だった契約問題に区切りを付けた。この2年間の充実に対し、終盤の不本意な終わり方を上書きする機会にもなる。

カブスはナ・リーグ地区シリーズでライバルのブルワーズに敗退。今永は被本塁打の課題を10月まで引きずった。投手のやりくりに余裕がないにもかかわらず、クレイグ・カウンセル監督はポストシーズンでの今永の起用に慎重だった。勝負の第5戦(ミルウォーキー)では登板機会がなかった。

今オフは今永にもカブスにも仕切り直しの期間になる。

「彼が流れを変えた(復調した)と実感するまで、時間の問題だった」とホットビー投手コーチ。

「そこまで本当にあと一歩だった。シーズンが先に終わってしまっただけだ。まだ改善できる点が残っていることを彼自身が理解している。それが楽しみだ」

今永はカブス1年目の2024年にオールスターに選ばれたほか、新人王とサイ・ヤング賞でも下位票を得た。2025年は東京での開幕カード、ドジャース戦の初戦で先発し、4回を無安打でスタートした。

順調だったが、5月4日のブルワーズ戦で左ハムストリング(太もも裏)を痛め、負傷者リスト入り(約7週間離脱)。復帰後にどの程度影響が残ったかを断定はできないものの、内容の波から見ると影響はあったと言える。カーター・ホーキンスGMは「因果関係の議論はあるが、数カ月間のパフォーマンス低下はハムストリングの負傷後に起きている。影響があったと言って差し支えない」と話した。

シーズン通算では25先発で防御率3.73。ただし、投球内容が物語る。投球回144回2/3で被本塁打31本(24年は173回1/3で27本)。終盤12先発では被本塁打20本、防御率5.17だった。負傷者リスト明け直後の5先発は防御率1.78と結果は良かったが、奪三振率や球速が低下した。離脱期間も完全休止ではなくキャッチボールなどを続けたため、投球動作に悪い癖が生じた可能性もある。

ホットビー投手コーチによると、下半身でしっかり押し込めなくなったことが球速低下につながり、上半身主導になってアームスロット(リリース時の腕の角度)が下がり、体の回転に頼る度合いが強まって制球や球質の再現性に影響したという。今永自身も改善点を把握しており、今オフはその修正に集中する。

「自分の球の質が思いどおりではなかったのは分かっていた」とホットビー投手コーチは語った。

「そして大きかったのは、身体データ(バイオメトリクス)や基礎指標の面でも、こちらが先回りして対処しようとしていた“兆候”が見えていたことだ」

当時の今永に対してカブスが選べた道は2つあった。球速が落ちたままでも制球と投球の精度を優先するか、あるいはドリルで体の使い方を立て直し、球速を取り戻す道を選ぶかだ。今永はシーズン中に後者を試し、球速は戻りつつあった一方で、結果として投球の精度に乱れが出た。

今永の球速は6~8月は89~90マイル(約143~145キロ)まで落ち込んだが、9月には91マイル超(約146キロ)に戻り、10月には平均で92マイル(約148キロ)に近づいていた。ただし、左太もも裏負傷からの復帰後は、速球の抜け球が目立ち、ストライクゾーンの真ん中付近へ集まり、負傷前のようにゾーンの複数エリアへコントロールよく投げ分けることができていなかった。右打者相手ではその傾向がとくに顕著だった。

Imanaga's fastball location vs. righty hitters before (left) and after (right) his hamstring injury

「球速とボールの質を取り戻す作業を続けたかった。その過程で投球の精度はやや犠牲になったが、狙い自体は正しかった」とホットビー投手コーチは話した。

今永が正式にカブス残留を決めたことで、今オフから春季キャンプにかけて、その課題に継続して取り組める。

同投手コーチによると、カブスのポストシーズン終了時点で今永はフィジカルの強さが戻り始めており、10月下旬にはフロリダのクレッシー・スポーツ・パフォーマンスでワークアウトを実施して良好な結果が出た。現在は日本でのトレーニングの動画や近況をホットビー投手コーチや投手部門に送っている。

「すでにこちらに連絡をくれている。アームスロット(腕の角度)と姿勢がハムストリング負傷前の状態に戻ってきたと感じているようだ。下半身を信頼して、そのポジションに入れているということ。今の時点では心強い材料だ」と復調への兆しを感じ取っている。