活発な動きを見せるパドレスが、市場で最も注目されていた海外FA選手の一人を獲得した。22日（日本時間23日）、内野手ソン・ソンムンとの4年契約を締結した。
この契約のニュースは19日（同20日）に報じられた。先発投手のマイケル・キングとの再契約に合意した、わずか数時間後のことだった。
情報筋によると、契約は1500万ドル（約23億4000万円）が保証され、最初の3シーズン終了後のオプトアウト権が付いている。また、2030年シーズンの700万ドル（約10億9000万円）の相互オプション（球団と選手双方に契約延長の権利）も含まれる。
23日、ソンは通訳のサム・ジョンを介して入団会見のビデオ会議で語った。
「まず第一に、パドレス・ファミリーの一員になれてとても興奮している。この機会を与えてくれたパドレスにただただ感謝したい」
ソンは、近年メジャーへ挑戦したドジャースのキム・ヘソン、ジャイアンツのイ・ジョンフ、ブレーブスのキム・ハソンらに続き、韓国からメジャーリーグへ移籍する最新のスター野手だ。
もちろん、キム・ハソンは2021年から24年まで4シーズンをパドレスで過ごした。ソンは決断を下す前、サンディエゴでの日々についてキム・ハソンと詳しく話をしたという。
「チームメートがいかに素晴らしいか、スタッフがいかに親切か、そして街全体がいかに美しいか話してくれた。野球の面でも、ここで挑戦する能力が自分にはあると、たくさんの励ましをくれた。それが本当にモチベーションになった」
29歳の左打者ソンは、韓国プロ野球（KBO）キウム・ヒーローズのオールスター三塁手で、同球団はキムの古巣でもある。2024年と25年に飛躍を遂げ、11月22日にヒーローズからポスティングされ、MLB球団との30日間の契約交渉期間が始まっていた。
「本当に生産性の高い選手で、柔軟性をもたらしてくれると感じている」とA.J.プレラーGMは語った。
「少なくともここ数年、私たちが注目してきた選手だ」
サンディエゴでのソンの明確な役割は不透明だ。プレラーGMがオフシーズンの補強を終えるまで、完全には明らかにならないかもしれない。最も可能性が高いのはベンチスタートのユーティリティー選手で、パドレスは依然として正一塁手を探すことになる。
ソンの一塁でのプレー経験はわずかで、二塁と三塁を守った時間の方がはるかに長い。だが、サンディエゴの内野陣には柔軟性があり、ジェイク・クロネンワースが二塁から一塁へ回ることも可能だ。一方、マニー・マチャドとザンダー・ボガーツという共に33歳の選手が三遊間を守っているため、ソンがいれば、パドレスはどちらかにDHの日や休養日を与えることができる。
理論上、マチャドが休むときはソンが三塁を守れる。あるいは、万能なクロネンワースがボガーツの代わりに遊撃に入り、ソンが二塁を守ることもできる。
プレラーとクレイグ・スタメン監督の両者が、ソンが外野の役割を担う可能性についても言及した。要するに、パドレスはソンを、事実上何でもこなせる重要な戦力と見なしているようだ。厳密にはユーティリティー選手という扱いになるだろうが、かなり定期的に出場機会を得ることになりそうだ。
「柔軟性をもたらすことのできる選手は、メジャーリーグにおいて貴重な存在だ」とスタメン監督は語った。
「ワールドシリーズに進出し、優勝するチームの多くは、複数のポジションを守れる選手を擁している。ドジャースを見ればわかる。キケ・ヘルナンデス、ミゲル・ロハス、トミー・エドマンを複数のポジションで起用していた。私たちはソンもそうなれると考えている。三塁、二塁、もしかしたら一塁や外野も守れるはずだ」
クロネンワース自身もトレードの噂に挙がっている。そのため、ソンがそのまま代役となる可能性もある。柔軟性のある左打ちの内野手であり、主戦二塁手という役割だ。その場合、パドレスは依然として一塁手を探すことになるが、一塁手は一般的に見つけやすい。
2025年、ソンは144試合に出場し、キャリアハイとなる26本塁打、25盗塁を記録した。打率.315、出塁率.387、長打率.530、OPS.917という成績だった。韓国プロ野球選手協会の選手間投票によるKBO年間最優秀選手に選出された。
その前のシーズン、ソンは142試合で19本塁打、21盗塁、打率.340、出塁率.409、長打率.518、そしてキャリアハイとなるOPS.927を記録した。
ソンは2015年に18歳でKBOデビューを果たしたが、打者として本領を発揮するまでには少し時間がかかった。だが一度開花すると、すぐに球界で最も興味深い海外プロスペクトの一人に上り詰めた。
「KBOでの過去2シーズンの成長は、非常にユニークな道のりだった」とプレラーは言った。
「私たちはソンを、攻守の両面で試合に影響を与えることのできる選手として見ている。ここ数週間、個人的にソンの立ち居振る舞いを見る機会があったが、非常に前向きでカリスマ性がある。サンディエゴのファンも、きっと応援したくなるような人物だ」