シーズン開幕前にMLB.comの記者59人に、今季の各リーグで攻撃および投手の主な成績をリードする選手を予想してもらったところ、アーロン・ジャッジ、大谷翔平、ボビー・ウィットJr.、タリク・スクーバル、ポール・スキーンズといったビッグネームが多数挙がった。
しかし、2025年シーズンが折り返しに近づいた今、3月の予想投票では1票も得ていなかった選手たちが、主要タイトルを争うほどの存在感を示している。ここでは、その“驚きの名前”たちと、当初の予想を比較して見ていく。
※成績は土曜日時点のもの
打率
ア・リーグ:ジョナサン・アランダ(レイズ)|予想:ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
前年、打率.332でMLBの首位打者に輝いたウィットは、今季も.283と決して悪くない数字だが16位と期待通りの成績を残せていない。そんな中で、ア・リーグ打率争いで意外な存在感を放っているのがアランダだ。土曜日時点で.326を記録し、アーロン・ジャッジとアスレチックスのジェイコブ・ウィルソンに次ぐ3位につけている。27歳の内野手はすでに自己最多となる8本塁打、41打点をマークし、ブレークイヤーを迎えている。
大谷やフレディ・フリーマンといったチームメートを差し置いて、ナ・リーグで打率トップに立つのが捕手のウィル・スミスだ。そう、彼は捕手である。これまでも、打撃に定評はあったが今季はさらに進化。打率.328はキャリア平均を60ポイント以上、上回っており、3年連続のオールスター選出が確実視されている。
本塁打
そのがっしりとした下半身から「ビッグ・ダンパー(お尻)」の愛称で知られるローリーは、捕手として歴史に名を刻むシーズンを歩んでいる。これまで2年連続で30本塁打以上を記録していたが、今年は早くもその30本(ジャッジより3本多い)に到達しメジャートップに君臨。29号は、オールスター前の本塁打数としてMLB捕手最多記録を更新する一発となった。
ナ・リーグ:ピート・クロウ=アームストロング(カブス)|予想:大谷翔平(ドジャース)
前年、史上初となる「50本塁打・50盗塁」の偉業を成し遂げた大谷が、25本で現在ナ・リーグのトップに立つのは予想通り。しかし、それを4本差で追いかけるのが、今季最大のサプライズとなっているPCAだ。元々パワーとスピードは高く評価されていたが、今季は覚醒し、21本塁打・23盗塁を記録。一躍MVP候補に躍り出ている。
盗塁
ア・リーグ:ルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)|予想:ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
通算131盗塁のスピードスター、ウィットを1つ上回る盗塁数で、ロバートがア・リーグの2位につけている。これまでのシーズン最多盗塁は23(2024年)だったが、今季は早くも22盗塁している。
ナ・リーグ:オニール・クルーズ(パイレーツ)|予想:エリー・デラクルーズ(レッズ)
昨季67盗塁でMLBトップだったデラクルーズに5盗塁差をつけ、トップに立つのが身長201cmのオニール・クルーズである。すでに26盗塁を記録し、早くも前年に自身が記録したキャリア最多の22盗塁を上回った。
防御率
トミー・ジョン手術から復帰した昨シーズンは、リリーフとして27試合に登板して防御率2.67を記録したブービッチ。先発に復帰した今季は、球種の改良もあって2025年は14先発で防御率2.12をマークしている。これは、予想に挙がっていたタリク・スクーバル(2.06)に次ぐリーグ4位の好成績で、1位のハンター・ブラウン(1.88)や2位のマックス・フリード(2.05)に迫る勢いだ。
ナ・リーグ:デービッド・ピーターソン(メッツ)|予想:ポール・スキーンズ(パイレーツ)
ナ・リーグの現時点での防御率上位3人は、予想通りスキーンズ、ローガン・ウェブ、そして前年サイ・ヤング賞のクリス・セール。意外なのが、それに続くのがピーターソンということだ。防御率2.60は、山本由伸やザック・ウィーラーといった名投手を上回る成績。29歳の左腕は、2024年に股関節の手術から復帰して21先発で防御率2.90をマークしていたが、今季は更なる飛躍を遂げており、ナ・リーグ防御率争いのダークホースとなっている。
奪三振
ア・リーグ:カルロス・ロドン(ヤンキース)|予想:タリク・スクーバル(タイガース)
奪三振数でア・リーグのトップ2はギャレット・クロシェット(125)とスクーバル(117)。ここまでは驚きはない。しかし、3位のロドン(114)は、近年の不調を考えるとやや意外な存在だ。2022年には三振率33.4%を記録していたが、2023年から2024年にかけては25.3%に低下。だが今季は再び30%超をマークしており、復調の兆しを見せている。
ナ・リーグ:マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)|予想:ポール・スキーンズ(パイレーツ)
ゴアは、3年前のファン・ソトとのトレードでパドレスからナショナルズへ移籍した元全体3位指名の有望株。そのポテンシャルが今季ついに開花しつつある。26歳の左腕は、今季三振率33.6%を記録しており、2023年の自己最高(25.9%)を大きく上回る。防御率も3.19と前年の3.90から大きく改善され、奪三振数でもスキーンズ(106、6位)を大きく引き離す123でリーグトップに立っている。
セーブ
ア・リーグ:カルロス・エステベス(ロイヤルズ)|予想:エマニュエル・クラセ(ガーディアンズ)
過去3年連続でア・リーグのセーブ王に輝いたクラセだったが、2024年のポストシーズンでの不安定な投球の影響か、今季はやや波がありここまで17セーブで4位。一方で、過去2年でエンゼルスとフィリーズで合わせて57セーブを記録したエステベスは、今季すでに22セーブを記録。2位以下に4差をつけア・リーグ首位に立っている。
ナ・リーグ:トレバー・メギル(ブルワーズ)|予想:エドウィン・ディアス(メッツ)
昨年デビン・ウィリアムズが負傷で離脱したことで、メギルはブルワーズの守護神に昇格し、21/24セーブを成功させた。その勢いのまま、今季もすでに16セーブを挙げており、ナ・リーグでは4位につけている。上位にはスアレス(パドレス/21セーブ)、フィネガン(ナショナルズ/18セーブ)、パガン(レッズ/17セーブ)がおり、争いは激しいが、サプライズを起こす可能性は大いにありうる。
