左腕スクーバル、憧れのバーランダー加入に興奮隠せず

スクーバル、古巣復帰バーランダーを球場ツアー

February 12th, 2026

ア・リーグで2年連続サイ・ヤング賞に輝いた左腕タリック・スクーバルは、まちがいなく現役屈指のエースだ。実力、実績ともにリーグの頂点に立つ存在と言っていいだろう。

しかし、グラウンド外ではどこか少年のような無邪気な表情も見せる。

「まだ若いよ」と29歳のスクーバルは笑う。だが、新たにチームメートで、ロッカールームで隣に座ることになったジャスティン・バーランダーの話題になると、その表情はいっそう輝きを増した。

かつて憧れのまなざしで追いかけていたレジェンドと、同じユニホームをまとい、一緒に戦う。その現実に、スクーバルは興奮を隠せない。

「バーランダー獲得の話を聞いたときは、まるで子どものようにワクワクした。子どものころ憧れていたアイドルとロッカールームを共にするなんて、本当に信じられない」

率直な言葉から、エースへと成長した今も変わらぬ純粋な思いがにじむ。

「彼がキャリアで成し遂げてきたことを、できる限り吸収したい。ロッカールームを共にできるだけでも、本当に特別なことだと思う」

そう語るスクーバルの言葉は、次第に熱を帯びていく。

「10年前に『バーランダーとロッカーを並べて、同じローテーションで投げることになる』なんて言われても、きっと信じなかったと思う。本当にすごいこと。今でも鳥肌が立つくらい。彼のキャリアが僕にどんな影響を与えてくれるか、あと30分は話せるよ」

リーグを代表するエースへと上り詰めた今も、その胸にあるのは尽きることのない向上心だ。揺るぎない自信と、憧れのレジェンドから貪欲に学ぼうとする謙虚さ。スクーバルにとって今季は、投手としてのさらなる進化と同時に、人としての成長も問われるシーズンになりそうだ。

バーランダーが古巣タイガースへの復帰を正式に決め、春季キャンプ地のクラブハウスに姿を現した瞬間は、スクーバルにとって、驚きと高揚が入り混じる特別な時間だった。

「冗談のつもりで『案内しようか』って言ったら、『そうだね、頼むよ』って言われて。え、ここっていつ建ったんだっけ? 彼はもう全部知っていると思っていたから、ちょっと焦っちゃった(笑)。まあ、コメリカ・パークでも同じジョークを言うつもりだけどね」と、スクーバルは苦笑いしながら振り返る。

そこから即席の“スタジアムツアー”が始まった。壁に飾られた写真を指さし、「これはあなたですよ」と茶化しながら、トレーニングルーム、ウエイトルーム、そしてフィールドへと案内。終始冗談を交えながらのひとときに、クラブハウスは笑いに包まれた。

「本当にワイルドだった」とスクーバルは振り返る。

バーランダーの復帰、さらにフランバー・バルデス獲得によって、タイガースの先発ローテーションは一気に豪華な顔ぶれになった。

それでもチームの軸がスクーバルであることに変わりはない。A.J.ヒンチ監督が3年連続となる開幕投手をスクーバルに託すと発表した際も、それは驚きというより当然の決断として受け止められた。

憧れのレジェンドを迎え入れながらも、自らがエースとしてチームをけん引する。その両立こそが、今季のスクーバルに課された新たな使命だ。

スクーバルは、バーランダーとの時間を学びの機会と捉えている。

「『なんて呼べばいい』って聞いたんだ。バー、JV、ジャスティン、どれがいいかなって。あとは少しずつ彼のことを知っていくつもりだよ。野球のことは自然に学んでいけると思う。一緒に過ごす時間が長いからね。これから7カ月、家族よりも長く一緒にいることになる。細かいことは自然に身につくと思っているよ」

スクーバルはさっそくバーランダーの投球を観察し、「何を目印に投げているのか」と質問。ヒントをもらい試してみるが、すぐにはしっくりこなかった。それでも、「きっと自分に合うやり方を見つけられる。それが一番の収穫だ」と前向きに語る。

「バーランダーの存在は、プレー以上に多くの選手に影響を与えると思っているよ」