スクーバル、地元で7回好投も打線の援護なし

April 1st, 2026

地元のヒーローであるタリック・スクーバルの凱旋を見届けるため、アリゾナ州キングマンから多くの住民が駆けつけた。ダイヤモンドバックスのスター、コービン・キャロルもその場にいたが、歓迎する様子は全くなかった。

スクーバルが投げた0−2からの97マイル(約156.1キロ)の速球がストライクゾーンの最上部へ向かったとき、2年連続のア・リーグのサイ・ヤング賞右腕は、それが失投だとは考えていなかった。この3連戦でタイガースを苦しめ続けてきたキャロルが、その球を捉えるだけでなく、右翼スタンドへライナーで運ぶことなど思いもしなかっただろう。

「素晴らしい球だった。完璧に投げ切れたと思った。0−2からの速球をあそこに投げろと言われれば、あと10回でも同じように投げる。単にそういうことが起きたということだ。キャロルも本当に優れた打者で、良いスイングをされたということだ」とスクーバルは失点を振り返った

一回のソロ本塁打が1日(日本時間2日)の試合で唯一の得点になるとは、スクーバルも思っていなかったはずだ。タイガースは0−1で敗れ、この3連戦を全敗で終えると同時に連敗は4に伸びた。

カージナルスとの3連戦のためにデトロイトへ戻るスクーバルは、複雑な心境を抱えていた。その3連戦で登板予定はない。結果を重視する投手は、好投しながら敗れたことは何のなぐさめにもならない。

メジャー通算136試合目の先発となったサイ・ヤング左腕にとって1失点以下に抑えたのは63試合目、ちょうど1失点だったのは27試合目だった。1失点に抑えながら敗戦投手になったのは、今回が初めてだ。

「私が登板するすべての試合の目標は、勝利することだ。どのように勝つかは重要ではない。個人の成績が良くても、これはチームスポーツであり、チームの勝利が必要だ。敗戦という結果に終わった以上、自分がどう感じたかは関係ない」と勝ちにこ触る姿勢を強調した。

同時にスクーバルは自身の人生において大切な人たちの前で好投した。北へ数時間の位置にある人口約3万5000人の町、キングマンはスクーバルの野球人生が開花し始めた場所だ。現在はフェニックスに近い場所をオフの拠点にしているが、キャンプ直前にキングマンへ戻り、母校の子供たちと交流したり、地元の少年野球に貢献している。

チェイスフィールドでのキャリア2度目の先発登板。タイガースの家族席には収まりきらないほどの家族や友人らが駆けつけたため、右翼席の一角を占めることになった。右翼席のブルペンの周りには、試合前にスクーバルの投球練習を見るファンが二重の列を作った。

「この環境を楽しみ、応援してくれる人たちのことを大切に思っている姿勢を見せたいと思っている。ここに戻ってきて先発できるときはいつでも、本当にうれしい」

期待に応えた。子供のころ、屋根から数列下の最上段の席で試合を観戦していたことを覚えているこの球場で好投した。

「懐かしさもあるが、家族の前でプレーできることがうれしい。当然、会いたいと思うほど頻繁には会えないし、それがこの仕事の一部でもある。だが、自分があまり近くにいないことを理解した上で、家族の前でプレーし、良いパフォーマンスを見せたいと思っている」

デトロイトのファンが期待するような、三振を量産し、相手を圧倒するスクーバルの姿ではなかった。コンタクトを重視するダイヤモンドバックスの打線を評価すべきだろう。スクーバルはそれを逆手に取り、10度の内野ゴロを打たせ、最初の6度のうち3つのイニングで先頭打者を併殺打に打ち取った。その3つはいずれも、ルーキーの三塁手、ケビン・マクゴニグルが起点となった。

スクーバルは7イニングをわずか87球しか要さず、6安打、無四球。長いイニングを投げた試合としては、3三振という数字は比較的少なく、7度の空振り(スライダーでの14スイングのうち4空振りを含む)も同様だった。

A.J.ヒンチ監督は「いつものスクーバルではなかったとは思わない。ダイヤモンドバックスはコンタクト率の高いチームであり、優れた打撃を見せ、球数を投げさせてくる。試合が進むにつれてスクーバルの球が良くなっていったのは間違いない」と語った。

こうした内容だっただけに、スクーバルが投じた痛恨の1球は、より悔やまれるものとなった。101マイル(約162.5キロ)以上の速度で6つの打球を許したが、キャロルの打球だけが15度以上の角度で上がっていた。

スクーバルが昨季、左打者に許した本塁打はわずか1本。昨年8月14日に当時ツインズに所属していたエドゥアルド・ジュリアンに許しただけだった。また、昨季はガーディアンズでのレギュラーシーズン最終登板でジョンケンジー・ノエルに打たれるまで、0-2のカウントから本塁打を許したことはなかった。2026年にスクーバルが初めて許した本塁打は、その両方の条件に当てはまるものだった。

「相手を脱帽するしかないこともある」とスクーバルは打者をたたえた。