野茂英雄、イチロー、松井秀喜、松坂大輔、ダルビッシュ有、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希。この名だたるスターたちは、メジャーリーグのストーブシーズンを熱く沸かせた日本球界の象徴だ。
そして今、2025-26年の冬。
その歴史にまた新たな1ページが刻まれようとしている。日本球界のヤンキースとも称される読売ジャイアンツが、ついに重い扉を開き、球団の看板打者・岡本和真をポスティングシステムでメジャーリーグへ送り出す。
あれから20年。球界の常識が変わりつつある。
今オフの国際マーケットのキーワードは「パワー」。
岡本のキャリアハイは41本塁打。そしてヤクルト・スワローズの村上宗隆は2022年、56本塁打という日本人最多記録を樹立し、MLBスカウトの熱視線を浴び続けている。さらに、西武ライオンズのエース・今井達也もまた、今オフ最注目の投手として名を連ねるだろう。
2026年オフには、より多くの一流投手たちがメジャー挑戦へと名乗りを上げる可能性が高い。
以下では、NPBとKBOの有力選手たちを紹介する。(年齢は2026年の開幕時点)
◆ 日本プロ野球(NPB)
岡本和真(読売ジャイアンツ/一・三塁手・29歳)
長らく噂されてきた岡本のポスティング移籍が、2025年10月に正式発表された。右打ちの強打者は、肘の負傷で69試合の出場にとどまったが、復帰後はOPS1.000超・15本塁打を記録(打席300未満)と圧巻の活躍。守備は三塁が中心で、アラミス・ラミレスやビニー・カスティーヤと比較されるタイプだ。
獲得候補はメッツやタイガース。特に三塁補強を狙う球団に適しており、タイガースの三塁手OPSはリーグ最下位(.628)、メッツはピート・アロンソのFAを見据えている。2026年WBC出場か、新チームのキャンプ優先かも注目される。
村上宗隆(ヤクルトスワローズ/一、三塁手・26歳)
村上は岡本と対照的な存在だ。左打ちでより強烈なパワーを誇るが、守備指標では岡本に分がある。
東京を本拠地とする2球団の看板選手であり、巨人の岡本は22度の日本一を誇る伝統の球団に、村上はその「若きライバル」球団に所属している。年齢が若く、左の長距離砲として希少価値が高いため、村上のほうが大型契約を手にする可能性が高い。
候補は、三塁やDHを探すフィリーズ、あるいはFAのジョシュ・ネイラーが抜けた場合のマリナーズあたりか。
今井達也(西武ライオンズ/右投手・27歳)
球団の正式発表はまだないが、MLB関係者の間では今井のポスティングが既定路線と見られている。
2025年はノーヒッターを含む好投を重ね、2年連続オールスター選出。平均95マイル前後の速球とスライダーを軸に、左打者にはスプリットを織り交ぜる。MLB入り時の評価は、メッツと契約した千賀滉大(5年7500万ドル)と同等かそれ以上とされる。
サンフランシスコ・ジャイアンツが有力候補。西武は過去に松坂大輔や菊池雄星を送り出しており、MLB球団との関係も深い。
高橋光成(西武ライオンズ/右投手・29歳)
長年メジャー挑戦を希望してきた高橋だが、ポスティングが遅れたことで大型契約のチャンスはやや遠のいた。2022〜23年にピークを迎えていたが、2024年は0勝11敗、防御率3.87と不調。今季は立て直したものの、三振率が物足りない。野球ジャーナリストのユリ・カラサワ氏(@yakyucosmo)によれば、西武が高橋を今オフにポスティングする理由の一つは、国内FA権を得たため。ポスティングであれば球団に金銭的補償が入るからだという。
才木浩人(阪神タイガース/右投手・27歳)
日本シリーズ敗退直後の今オフにポスティングされる可能性は低いが、将来的にMLB移籍が有力な投手の一人。2020〜21年をトミー・ジョン手術で棒に振ったが、その後4年間で計490イニング超を投げ、防御率1.71を記録。最速156キロの速球とフォークを武器に、抜群の制球力を誇る。
フォスター・グリフィン(読売ジャイアンツ/左投手・30歳)
トミー・ジョン手術(2020年)を経て、巨人で先発として復活したアメリカ人左腕。2025年は膝の打撲で数試合を欠場したものの、防御率1.62と圧巻の成績を残した。ファンサイト「FanSided」でのインタビューによれば、現在は7種類の球種を操り、スプリットも2023年に習得したという。
アンソニー・ケイ(横浜DeNAベイスターズ/左投手・31歳)
2019〜23年にブルージェイズ、カブス、メッツで通算44試合に登板した元メジャー投手。
来日2年目の2025年はツーシームとカーブを加え、制球が大幅に改善。今オフはFAとなり、再びMLB復帰を目指すか、日本球界に残るか注目される。
有原航平(福岡ソフトバンクホークス/右投手・33歳)
テキサス・レンジャーズに所属した経験を持つ。2021年に2年620万ドル(約9億5500万円)で契約したが、肩の動脈瘤で離脱。2022年はマイナー3Aが主戦場となった。2023年にNPB復帰後は安定した成績を残し、2025年の日本シリーズ第1戦では6回2失点、無四球と好投。このオフは完全な国際FA選手として、ポスティング料なしでMLB移籍が可能だ。
◆ 韓国プロ野球(KBO)
コディ・ポンス(ハンファ・イーグルス/右投手・31歳)
アメリカ人投手がKBOからMLB復帰を目指すとき、比較されるのはしばしばメジャー再成功の象徴・メリル・ケリーだが、ポンスは今季、17勝1敗、防御率1.89、奪三振252の圧巻の成績で三冠王と、ケリーを超える投球内容を披露。MLB複数球団が先発投手としてオファーを出す見込みだが、韓国での大型契約のほうが高額になる可能性もある。
ドリュー・アンダーソン(SSGランダース/右投手・32歳)
ポンスが異次元のシーズンを送っていなければ、KBOの主役はまちがいなくこの男だった。ポンスにわずか7個差の245三振と圧巻の成績でシーズンを終えた。2024年まではデトロイト・タイガース傘下の3Aでリリーフを務めていたが、KBOで先発転向に成功。今オフはMLBの先発ローテ候補に浮上している。
宋成文(ソン・ソンムン)(キウム・ヒーローズ/三二塁手・29歳)
2025年シーズン終了後のポスティングを球団に要望しており、過去に金河成(キム・ハソン)、李政厚(イ・ジョンフ)、金慧成(キム・ヘソン)を送り出したキウムがこれを認める見通し。以前はユーティリティ選手だったが、現在はKBO屈指のサード。今季は26本塁打・OPS.917とキャリアハイを更新した。
ルーウィン・ディアス(サムスン・ライオンズ/一塁手・29歳)
元マーリンズの一塁手ディアスは、2025年は外国人選手として史上初の50本塁打を記録し、KBOでスーパースターとなった。エリック・テームズのようにMLB復帰の可能性もあるが、韓国での高額契約のほうが現実的かもしれない。
アリエル・フラド(サムスン・ライオンズ/右投手・30歳)
2019年にレンジャーズで先発した元メジャー右腕。奪三振は少ないが、3年間で登板イニングを毎年伸ばし、2025年は197回1/3を投げ抜いた。FA市場の動向次第では、2026年WBCでパナマ代表として登板する可能性もある。
姜白虎(カン・ベクホ)(KTウィズ/指名打者・捕手・26歳)
左打ちの強打者として2018~21年にかけて韓国の主役を張ったが、ここ数年はケガでやや停滞。
それでも2025年はOPS.825と復調の兆しを見せた。捕手経験が少ないものの、MLB球団が「第3捕手兼左打ちDH」として評価すれば、移籍の可能性もある。
