ワールドベースボールクラシック(WBC)は、世界中のまだ見ぬスター選手候補がその才能を披露する舞台。特に、各球団のトップ30プロスペクトにランクインしている選手たちが存在感を示している。
2026年ワールドベースボールクラシック
9日午後(日本時間10日朝)までの試合で、これらの有望株たちは合計140打席で打率.295、出塁率.379、長打率.508、7本塁打、7盗塁を記録している。投手では、24回2/3を投げて防御率3.65、30三振、10四球という成績だ。
ここでは、各チームから活躍を見せている主な選手たちを紹介する。高校生や、MLBオールスター選手の息子も含まれている。
サム・アルデゲリ 投手/イタリア代表(エンゼルス球団内17位)
24歳の左腕は、2024年にイタリア生まれ・イタリア育ちの投手として初めてメジャーリーグに到達。ブラジルとの大会初戦でその実力を強烈に印象づけた。4回2/3を投げて1安打、2四球、8三振の無失点。32スイング中17回空振りを奪った。
マイケル・アロヨ DH/コロンビア代表(マリナーズ球団内5位/MLB全体67位)
コロンビア打線の1番打者としてチームを牽引し、得点(4)、盗塁(2)、出塁数(9)でチームトップの数字を記録している。本職は二塁手だが今大会はDHで出場。カナダのマイケル・ソロカから放った打球速度111マイル(約179キロ)の単打は、今大会のプロスペクトの中で最速の打球となっている。
トラビス・バザーナ 二塁手/オーストラリア代表(ガーディアンズ球団内1位/MLB全体20位)
2024年ドラフト全体1位指名のバザーナは3安打を放ち、どれもが重要な一打となった。初戦では文句なしのソロ本塁打とシングルを記録し、2試合目では四球で出塁して得点。さらに韓国戦では貴重なタイムリーも放った。守備でも二塁で安定したプレーを見せている。
ブレンダン・ベック 投手/イタリア代表(ヤンキース球団内22位)
イタリアが今大会初勝利を目指す中、ベックは9日に大会屈指の好投を見せた。4回を投げ、無安打、4三振。四球2つと死球がありながらも、三振ゲッツー(ストライクアウトからの盗塁死)で走者を消し、余計なランナーをほとんど出さなかった。
エンリケ・ブラッドフィールドJr. 外野手/パナマ代表(オリオールズ球団内10位)
パナマではトップ100プロスペクトのレオナルド・ベルナルがチーム最多の4安打を記録しているが、より印象的な活躍を見せたのはブラッドフィールドだ。俊足の中堅手はカナダ戦(4-3勝利)で3安打を記録し、そのうち2本はバントヒット。1本目では送球エラーを誘って二塁へ進み、2本目では打点も挙げた。もちろん、その快速を生かし2盗塁も決めている。
オーウェン・ケイシー 外野手/カナダ代表(マーリンズ球団内3位/MLB全体42位)
圧倒的な長打力を国際舞台でも発揮している。初戦では2ラン(スタンドのカナダ国旗付近に飛び込む一打)と単打を記録。2試合目では打球速度100マイル(約161キロ)超えの打球でタイムリー二塁打とシングルを放った。チーム最多の4安打で、OPSは1.500に達している。
ジョセフ・コントレラス 投手/ブラジル代表(ドラフト全体47位候補)
成績だけを見ると、1回1/3で2安打、1失点、3四球と特別目立つわけではない。しかしオールスター投手ホセ・コントレラスの息子である彼は、まだ17歳の高校生。それにもかかわらずアメリカ代表の中軸打線と対峙した。今夏のドラフト対象となる右腕は最速97.8マイル(約157キロ)の速球を投げ、ピンチの場面でアーロン・ジャッジを併殺打に打ち取った。
アンドリュー・フィッシャー 三塁手/イタリア代表(ブルワーズ球団内6位)
2025年ドラフトでブルワーズから1巡目指名されたフィッシャー(トップ100目前のプロスペクト)は、イタリア代表の第2戦で三塁手として先発。初打席でいきなりソロ本塁打を放ち、強烈な印象を残した。さらにタイムリーも加え、その1イニング後には得点も記録した。
ハリー・フォード 捕手/イギリス代表(ナショナルズ球団内3位/MLB全体71位)
フォードは2022年の国際大会で3本塁打を放ち、イギリス代表を2023年のWBC初出場へ導いた。その時も2本塁打を記録。そして2026年大会でも長打力を見せている。初戦では同点本塁打を放ち、4試合で5度出塁した。
ドリュー・ジョーンズ 外野手/オランダ代表(ダイヤモンドバックス球団内16位)
アンドリュー・ジョーンズが監督を務めるオランダ代表で、チーム最多安打を記録しているのが息子のドリューだ。2022年ドラフト1巡目指名の外野手は、3試合で二塁打を含む4安打と1四球を記録。父譲りの堅実な中堅守備も見せている。
ダンテ・ノリ 外野手/イタリア代表(フィリーズ球団内7位)
今大会で最も多く安打を放っているプロスペクトで、わずか2試合で5安打を記録。2024年ドラフト1巡目指名の外野手は初戦で3打数3安打、2本塁打(約128メートルと約120メートル)に加えて四球も記録。2試合目でも1番打者として強烈なシングルを2本放っている。
ルーカス・ラミレス 外野手/ブラジル代表(エンゼルス)
12度のオールスターに選ばれた父マニーとの繋がりを感じさせるのは、背番号24だけではなく、その長打力だ。アメリカ代表を相手に、WBC史上最年少で1試合2本塁打を記録。ローガン・ウェブとゲーブ・スピアーから打球速度100マイル(約161キロ)超えの本塁打を放った。翌日のイタリア戦では右翼からの好返球で補殺も記録し、肩の強さも見せている。
エルマー・ロドリゲス 投手/プエルトリコ代表(ヤンキース球団内3位/MLB全体82位)
プエルトリコ代表に3人いる22歳の一人で、ロドリゲスは9日のキューバ戦で3回無失点の好投を見せた。最初の2試合で合計10得点を挙げていた打線を相手に、1安打、3三振。14スイング中5回で空振りを奪った。
ナヘル・ビクター 投手/イギリス代表(エンゼルス)
アメリカ戦でリリーフ登板し、“超強力打線”をまるでリトルリーガーのように抑え込んだ。24歳の右腕はアーロン・ジャッジ、ブライス・ハーパー、ガナー・ヘンダーソンを三振に打ち取り(その間にウィル・スミスへ四球)、さらに次の回にはロマン・アンソニーも三振に仕留めた。なおエラーで出塁したアーニー・クレメントが後に生還し、1失点が記録されたが、自責点はついていない。
チェン・ゾンアオ・ジュアン 投手/チャイニーズ・タイペイ代表(アスレチックス球団内27位)
ジュアンはチェコ戦で2回2/3を投げ、4奪三振で無失点と好投。チャイニーズ・タイペイの初戦勝利に貢献した。右腕がハードヒットを許したのは1度だけで、9回の空振りを奪い、55球中39球をストライクに投げ込んだ。
