【ブルージェイズ2−1ヤンキース】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、5月20日(日本時間21日)
もし、これが今のトレイ・イェサベージ(22)の真の姿だとしたらどうだろう。
2年目のジンクスもなく、後退することもなく、ブルージェイズがワールドシリーズに進出した2025年に見せたような素晴らしい投球が、ただひたすらに続いているだけだとしたらどうだろうか。オフシーズンの間、それは夢物語のように感じられていたが、今の姿を見てほしい。
イェサベージのパフォーマンスは今季最高だった。6回を投げて無失点、8三振、わずか2安打だった。5度の先発で防御率1.07となっている。ヤンキース相手のこの一戦は、自信に満ちた先発投手の姿そのものだった。
2時間の雨天中断も、イェサベージは気にする様子はなかった。ただ「歩き回り」、チームメイトのカードゲームを眺め、レッドブルを飲んだ。「たぶん3本」だったという。
相手は現在、ア・リーグ最高の投手と言えるキャム・シュリトラーだった。今後5年間、シーズンに1、2度投げ合うことになれば、最高の楽しみになる。
アンドレス・ヒメネスは「2人はこれからもリーグに長くいて、素晴らしい活躍をするだろう。競技者として、そういうものは見たい。今夜、それが起きた」と語った。
最もエキサイティングなのは、イェサベージが様々な方法で勝っていることだ。良い投手は自分のやり方で勝てるが、偉大な投手はあらゆる方法で勝つ。
イェサベージが空振りを奪えることはすでに分かっている。そのスプリットはどんな打線も翻弄し、球界の先発でも数少ないほど空振りを量産する。しかし、今季はすでに調子が上がらない登板でもゲームメークし、20日(同21日)は純粋な球威で打者を圧倒するのではなく、狙ったコースに投げて有利なカウントを作った。
1度目の対戦で、アーロン・ジャッジはストライクゾーン高めいっぱいに決まる美しい直球に空振りした。イェサベージの高いリリースポイントが落ちるスプリットをさらに危険にしていることに注目しがちだが、高めから始まり高めにとどまり、ほんの一瞬の躊躇を生む直球についても言及すべきだ。2度目の対戦でジャッジは見逃し三振。そしてスライダーで空振りを奪い、この夜3度目の三振に切って取った。
イェサベージは「(ジャッジは)いい選手だ。全員から三振を奪おうとしている」と語った。「3度も三振を奪えたのは成果だと思うが、全員に対して三振を狙っている」と答えた。
今季、イェサベージに投球回制限はないはずだ。春季キャンプでの右肩のインピンジメントにより調整が遅れ、2026年の開幕が1カ月遅れた。リハビリ登板もカウントされるが、この短い離脱が2年目の危険な時期からイェサベージを遠ざけたようだ。
ジョン・シュナイダー監督は「いずれにせよ、少し慎重に進める計画だった。必要であれば途中で休ませる選択肢を残しておくつもりだった」と語った。「それは肩のケガによって自然と組み込まれた。もし開幕から全開なら、今頃同じような状況になっていたかもしれないし、その休息は7月に来ていたかもしれない。しかし、その休息は春季キャンプで来た」と捉えている。
イェサベージにとって今は微調整の時期だ。ブルペンの投球、先発登板間の過ごし方、トレーニング日程、腕のケアのルーティン、そして目立たない地道な作業など、メジャーの先発投手としての「退屈」な部分が違いを生む。
これらはすべて「ルーティン」という言葉でくくられる。イェサベージほどの才能があれば、残るはそれらのルーティンを極めることだけだ。今後10年間生き残り、ヤンキース相手に同様の投球ができるようになる。
昨季終盤、ブルージェイズの地区優勝争いの渦中にメジャーデビューした。ア・リーグの地区シリーズ、優勝決定シリーズ、ワールドシリーズで活躍したイェサベージにとって、今はギアを落とす時期に近い。少なくとも今は興奮の日々が終わり、現実に戻っている。
シュナイダー監督は「今は違うモードに入っている。メジャーの先発キャリアが始まり、これが第1歩だ。浮き沈みもあるだろうし、多くの適応が必要になる。過度な期待は控えるが、過小評価もしない」と将来を見据える。
それが今のイェサベージを取り巻く状況だ。長年、多くの有望投手がファンの期待を裏切ってきた。だからこそ、序盤の華々しい活躍の後でも、何が失敗につながるのかと考えてしまうのは自然なことだ。
しかし、そうならなかったらどうだろう。トレイ・イェサベージがこの投球をただ続けたらどうなるだろうか。
