ジェイズ期待の新人イェサベージ、メジャー初登板で9三振デビュー

September 16th, 2025

レイズ2-1ブルージェイズ】タンパ、ジョージスタインブレナーフィールド、9月15日(日本時間16日)

22歳の剛腕トレイ・イェサベージが、衝撃のメジャーデビューを飾った。ブルージェイズの新星右腕は敵地でのレイズ戦に先発し、5回を投げて9三振をマーク。これは球団史上、MLBデビュー戦最多の三振記録となった。

圧巻は空振りの数だ。

イェサベージがレイズ打線から奪った空振りは19個。これは2008年以降のデータでデビュー投手として歴代5位タイの快挙。武器の『天から落ちてくるようなスプリット』で14スイング中11個の空振りを奪った。

わずか一夜で大きな流れが生まれた。

ブルージェイズが延長戦を制し、同時にヤンキースが敗れたことで、2位に5ゲーム差のリードを築いた。さらに直接対決のタイブレーカー(レギュラーシーズンで勝率が並んだ場合、1試合制のプレーオフでのホーム開催権)も手中に収めており、地区優勝は目前に迫っている。だが、この劇的勝利の後に誰もが口にしたのは、延長戦を彩った『驚異のルーキー』だった。

昨年のドラフトで全体1位指名でブルージェイズに入団し、開幕を1Aで迎え、とんとん拍子にマイナー3階級を昇級し、合計98イニングで160三振と圧倒的な投球を披露してきた。

メジャーでもその実力は健在で、95マイル(約153キロ)の直球と縦に落ちるスプリット、さらに鋭いスライダーのコンビネーションにレイズ打線はなす術がなかった。

2019年にゲレーロJr.が鮮烈なデビューを果たした時以上の衝撃だ。しかも今回はシーズン終盤、ア・リーグ首位を争う、プレッシャーのかかる場面でマウンドに立った。

試合後、チーム内外からは「救世主になり得る存在」との声も。1993年以来となるワールドシリーズ制覇を狙うブルージェイズに新たな希望が加わった。

「これは始まりにすぎない」

22歳大器の真価が試されるのは、これからだ。