【ヤンキース6-7xメッツ】ニューヨーク/シティフィールド、5月17日(日本時間18日)
ヤンキースとのサブウェイシリーズの最終戦を延長サヨナラで制したメッツ。劇的なサヨナラ勝利は、とりわけ珍しい訳ではないが、この日の勝利は奇跡といっても過言ではなかった。
九回2死の段階で3点差を追う展開。残り1アウトで敗戦という状況で、メッツの予想勝率はわずか5%だった。しかし、2死二、三塁からタイロン・テイラーが値千金の同点3ランをマーク。一気に試合をタイに戻した。
そして、延長十回。新人カーソン・ベンジが1死一、三塁からサヨナラの内野ゴロを放った。二遊間手前への打球に対して、内野手が交錯する中でサヨナラのランナーが帰還し、判定はフィールダーズチョイスとなった。
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ベンチからフアン・ソトが真っ先に飛び出すと、その後チームメイトたちも続き、歓喜の輪が広がった。このサヨナラ勝利は、2024年ワイルドカードシリーズ第3戦以来となる「八回終了時ビハインドからの勝利」となった。
あの夜のピート・アロンソによる3ランは、今でも球団史屈指の重要な一打として語られている。この日の試合がそこまでの意味を持つかは分からない。それでも、負傷者が続出していながらも、決して簡単に倒せるチームではないことを示す勝利だった。
「最高だよ。もう、それしか言えない。本当に最高だ」とテイラーは語った。
2024年ワイルドカードシリーズでのアロンソの一発以降、ポストシーズンを含めて、メッツは八回終了時にビハインドだった試合で96連敗していた。この日もその例にならってしまうような試合展開で、六回にはボー・ビシェットがポップフライを落球したことをきっかけにヤンキースに4点を許した。先発フレディ・ペラルタも再び5回を投げ切れず、ロングリリーフのショーン・マネイアが登板した時点では、状況は決して良くなかった。
それでも、メッツはどうにかして踏みとどまった。六回にはルイス・トーレンスが代打で2点二塁打を放ち、マネイアは最後の7人中6人を打ち取った。徐々に試合の流れを掴んで行った。
試合後、八回終了時ビハインドの試合での戦績について質問されると、マネイアは記憶をたどった。
「かなりとんでもない数字だとは聞いていたよ」とマネイアは語り、91試合連続だと聞くと「マジかよ、それはヤバいな」とマネイアは目を見開いた。
ただ、そこから少し間を置き、さらに考え込み「でも、やるなら派手にやるってことだろうな」と答えた。
”派手”という表現はある意味正しい。今シリーズは、初戦でクレイ・ホームが負傷離脱し、2戦目は逆転勝利。この日もサヨナラと波乱が続いている。仮にこの日破れていれば、ビシェットの失策や負傷者の続出が話題の中心になっていただろう。しかし実際のクラブハウスは笑顔に包まれていた。
「反撃する姿勢を見せるのは、やっぱりいいことだよ」とベンジは語った。
この先のシーズンがどうなるかはまだ誰にも分からない。メッツは依然として多くの負傷者を抱え、ミスも少なくない。ホームズの腓骨骨折が精神的にも大きな打撃だったことも、チームは隠していない。それでも、必要な場面で大きなプレーを生み出せる力は、再び優勝争いへ戻ろうとするチームにとって大きな助けになる。
ヤンキースも決して最高の状態でサブウェイ・シリーズに入ったわけではなかった。それでも、負傷者だらけのメッツにとっては試金石となる3連戦だった。この厳しい日程の中でも最難関と言える相手から2勝1敗を勝ち取ったことで、負傷者復帰までの時間を稼げただけでなく、“フルメンバーでなくても戦える”という自信も得た。
「もっと良い野球をしなければいけない。それは間違いない。ここまでは本当に厳しかった。でも、それはもう過去のことだ。今コントロールできるのは、1試合1試合、1シリーズ1シリーズを勝ち越すことだけ。このホームスタンドではそれができた。これを続けていかないといけない」とカルロス・メンドーサ監督は語った。
