オリオールズの有望株が4打数で4本塁打を放つ快挙

招待選手ですらないオープン戦のヘルプ要員が大活躍

1:00 AM UTC

オリオールズの22歳の有望株、バンス・ハニカットは「ホームラン・ハニカット」という新しいニックネームを獲得しつつある。オープン戦で本塁打を打ち続けているからだ。

ハニカットは4日(日本時間5日)、エド・スミス・スタジアムで行われたアストロズとのオープン戦に出場し、チームは2-4で敗れたものの、八回にウエストン・ウィルソンと2者連続となる本塁打を放った。今春のオープン戦はここまで4試合に出場して4本塁打。しかも、わずか4打数で4本塁打という驚異的な快挙を成し遂げている。

これほど活躍しているにもかかわらず、ハニカットはなぜ4打数しか出場機会を与えられていないのか。それは、ハニカットが春季キャンプの招待選手ではないからだ。オープン戦のヘルプ要員としてマイナーのキャンプから招集されている立場にすぎない。

ハニカットが最初の3打数すべてで本塁打を放ったときでさえ、すでに信じられないような出来事だった。それが今は4打数連続となり、もはや現実離れしている。しかし、2024年ドラフト1巡目指名の有望株は、周囲からの注目が高まっているからといって、打席に立つたびに本塁打のことばかり考える必要はないと主張する。

「特に気にしていないよ。正直、ただ試合に出て、プレーしたいだけなんだ。本塁打のことは考えすぎないようにしている。野球は楽しい。ここは天気も良いからね。3月なのに気温は30度近くある。だから、ただただ楽しんでいるよ」とハニカットは言う。

そんなハニカットだが、オープン戦4本目のアーチはスタットキャストの計測で飛距離471フィート(約144メートル)を計測した。

その数字を聞いたハニカットは「え、そんなに飛んだの?」と驚きつつ、「ああ、確かに良い感触だったよ」と自身のアーチを振り返った。

ハニカットはアストロズのマイナー投手、ミゲル・ウヨーラがカウント0-2から投じた92.8マイル(約149キロ)のフォーシームを叩き、センターの奥深くへ運んだ。最初の2球(どちらも速球)を空振りしたあとの特大アーチだった。

今春のオープン戦で4本塁打を記録した選手はメジャー全体でハニカットが初めて。3本塁打を放っている選手は8人いるが、いずれも10打数以上を記録している。

ご存じの通り、4打数連続アーチは非常に珍しい記録だ。レギュラーシーズンのメジャー記録も4打数連続であり、最後に達成したのはドジャースの正捕手ウィル・スミス(2024年7月5~6日)。オープン戦とはいえ、ハニカットはその記録に並んだことになる。

クレイグ・アルバーナス監督は「2ストライクと追い込まれてから素晴らしいスイングだった。強烈な打球だったね。(彼の打席は)見ていて楽しいよ」と語る。

ノースカロライナ大学出身のハニカットのパワーは、どこからともなく現れた。昨季はハイAの101試合でわずか5本塁打しか打てず、打率.171、OPS.559と低迷。マイナー通算では114試合で打率.172にとどまっており、先日更新されたばかりの球団別有望株ランキングではトップ30圏外となった。

しかし、ハニカットはオフシーズンのトレーニングが今春の爆発につながったと考えている。「シンプルに、そしてアスレチックでパワフルに」という考え方にフォーカスし、オフシーズンの間はスイングの改善に取り組んできた。

就任1年目のアルバーナス監督は、今後オープン戦でハニカットにより多くの出場機会を与えるつもりかと尋ねられると、苦笑いするしかなかった。

「みんなそれぞれ成長過程にある。バンスも同じだ。彼はマイナーのキャンプに参加していて、ヘルプ要員としてオープン戦に出場している。彼自身の成長計画と成長過程があるんだ。状況次第では、彼はオープン戦に出場するだろう。彼がオープン戦に来てくれるのは嬉しいよ」と指揮官は語った。

オープン戦の活躍により、ハニカットは開幕時にハイAへ戻ることを回避できるかもしれない。この活躍が続くようなら、2Aで開幕を迎えられる可能性もある。

しかし、ハニカットは「それは僕にはコントロールできないことだ。何が起こるかなんて、自分ではコントロールできない。毎日プレーして、自分らしくいられるように頑張るだけさ。今取り組んでいることに全力を尽くし、ただ楽しむだけ。そうすれば、どんな状況になっても良い状態を保てると思う」と至って冷静だ。

オリオールズのほかの選手たちもハニカットの活躍を楽しんでいる。4日(同5日)の試合の最終回、一塁側のダグアウトは「ハニカットにもう1打席回るように攻撃を続けよう」と期待する選手たちで溢れていた。

「最終回はみんなが『ハニーに回そう』と冗談を言っていたね」とアルバーナス監督は明かした。

結局、ハニカットに打席は回らなかったが、次の打席もいつかはやってくるはず。ハニカットは5打数連続アーチを目指しつつ、変わらないアプローチを続けるだろう。

「ボールをしっかり見て、良い角度で強く叩くだけさ」とハニカットは語った。