【レンジャース1−15ブレーブス】アトランタ/トゥルイストパーク 7月17日(日本時間18日)
打席には投手、マウンドに上がったのは相手捕手。
そんな珍しい場面で、ブレーブスのビクター・メデロスがキャリアに残る一打を放った。
八回にブレーブスがオールスター選手の一塁手マット・オルソンを交代させ、指名打者のドミニク・スミスを一塁へ回したためにDH制が消滅し、投手が打席に立つことになった。
そこでチャンスを得たのがメデロスだった。
「最初は(ワイス監督と投手コーチから)『振らなくていい』と言われた。でも『1回だけ振らせてほしい。こんな機会はたぶんもうないから』ってお願いしたんだ」
25歳の右腕は、その期待に応えた。
相手はレンジャーズ捕手カイル・ヒガシオカ。投手経験もある捕手が投じた42マイル(約68キロ)の超スローボールを捉え、三塁線を破る左前への2点適時打を放った。
「『振ってもいいけど、無茶はしないと約束してくれ』と言ったんだ」とワイス監督は笑う。「でも彼は104マイル(約167キロ)の打球を打ったと思う。かなり思い切り振ったね」
監督が心配していた肋骨や脇腹への負担も問題なし。試合でバットを振ったのは、昨年トリプルA時代の打撃練習以来だったという。
「打席が回る6人前から準備していたんだよ。みんな彼が打席に立つのを楽しみにしていたし、実際に最高の結果を出してくれた」と捕手のドレーク・ボールドウィンは笑う。
メデロスはバットと打撃用手袋をオルソンから借りて使用したが、タイムリー後にオルソンからは「記念に持っておいて」とプレゼントされた。
「マットがバットと手袋をくれたんだ。本当に最高だった」
2022年のユニバーサルDH制導入以降、大谷翔平や登板後に打席へ立つ野手を除けば、投手として安打を記録したのはメデロスとライアン・ネルソンに続く快挙。ブレーブスの投手では、2021年9月12日のマックス・フリード以来となった。
投手が打席に立つ機会が減った現代のメジャーで、思わぬ巡り合わせから生まれた歴史的な一打となった。
