主砲ゲレーロJr.、ヤンキースタジアムで4安打と大暴れ

September 6th, 2025

ヤンキース1-7ブルージェイズ】ニューヨーク/ヤンキースタジアム、9月5日(日本時間6日)

ユニホームの下にのぞいていたのはスーパーマンのロゴではなく、「I Love New York」のTシャツだった。

ゲレーロJr.はヤンキースタジアムと相性がいい。特別な舞台で、ゲレーロJr.はスポットライトを浴び、観客を煽り、ヤジを浴びながらのプレーを心から楽しんだ。

ゲレーロJr.はヤンキースファンと因縁がある。

14年総額5億ドル(約737億円)の超大型契約を結ぶ前から、ゲレーロは「ヤンキースでプレーすることは決してないし、その考えは絶対に変わらない」と公言していた。常に「選ばれる側」であることが当たり前だったニューヨークの街とファンにとっては、面白くない宣言でもあった。

ヤジは序盤から絶え間なく降り注いだ。

ヤンキースとのシリーズ初戦、スタジアムを埋め尽くしたファンたちのブーイングはある意味、ゲレーロJr.へ送る最大級の賛辞でもあった。ブルージェイズは、ア・リーグ東地区「今季最大のシリーズ」という看板を背負ってきたが、その重みを誇りに変えた。

ジョン・シュナイダー監督は、あのレジー・ジャクソンの名言「無名選手にはブーイングは飛ばない」をよく口にする。ヤンキースとブルージェイズは深刻な因縁と呼べるほどのライバル関係はない。だがゲレーロJr.対アーロン・ジャッジ、そしてブロンクス・ボンバーズ(ヤンキースの愛称)の対決は、ここ数年話題のシリーズになりつつある。

「(ゲレーロJr.は)打撃練習の時でも、少し歩き方に余裕がある。ここでプレーするのが好きで、居心地がいいんでしょう。ボールが見やすいかどうかは関係なく、(ここまで打撃爆発するのは)もう偶然とは思えないね」と指揮官は笑った。

この勝利でブルージェイズはヤンキースに4ゲーム差をつけ、地区首位の優位を確保した。レッドソックスが迫る中、ちょうど2カ月前にヤンキースを倒して首位に立ったあの瞬間を再現するチャンスが訪れており、その原動力となるのがゲレーロJr.だ。

五回に放った本塁打は、ヤンキース戦通算22本目であり、ヤンキースタジアムでは実に16本目。他のどの敵地よりも多い数字だ。この日も相性の良いブロンクスで5打数4安打3得点と打ちまくった。

地区優勝だけではなく、さらに頂点を目指しチームは戦っている。

「(世界一が)われわれの夢で、チーム全員が同じ方向を向いている。まだ21試合残っていてやることはたくさんあるけれど、一丸となって戦わなければならない。競争心を持って全力でプレーし続けることが大事」と主砲は前を向く。

アクセルを踏み直す時が来た。