ゲレーロJr.が先制弾、ブルージェイズがヤンキースを下し2016年以来のポストシーズン勝利

October 4th, 2025

ブルージェイズ10−1ヤンキース】トロント・ロジャースセンター、10月4日(日本時間5日)

“プレーオフのブラディ”にごあいさつだ。待った甲斐があった。

ヤンキースとのア・リーグ地区シリーズ(ALDS=5回戦制)の初打席、ブラディミール・ゲレーロJr.がポストシーズン初本塁打。左翼へ高々と運んだ一発は、ブルージェイズのブルペンに落ちるまでに少し時間を要し、その間にゲレーロはダイヤモンドを1周した。球団の顔にふさわしい瞬間だった。

ブルージェイズが10-1で快勝。球団としては2016年ア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦以来のポストシーズン白星で、ALDSの流れを一気に引き寄せた。ゲレーロ自身にとってもポストシーズン初勝利。ワールドシリーズのトロフィーをカナダへ持ち帰るにはあと10勝が必要だが、この1勝は上々の滑り出しであり、強いメッセージになった。

「2020年、2022年、2023年と(ポストシーズンに)出てきたけれど、きょうが初勝利。チーム全員でつかんだことを誇りに思っている」とゲレーロは試合後に語った。

ポストシーズンの歴史を振り返ると、5回戦制のシリーズで第1戦に勝ったチームは156回中113回(72.4%)でシリーズを制している。現在の2戦、移動日、2戦、移動日、2戦、移動日、1戦の方式で行われる地区シリーズに限れば、第1戦をホームで取ったチームは54回中40回(74.1%)で勝ち上がっている。

ゲレロJr.は9月5日以降、本塁打がなかった。終盤戦の成績もOPS .592にとどまり、ブルージェイズはア・リーグ東地区の首位をヤンキースに譲りかねない展開が続いていた。もしブルージェイズが強豪ぞろいのこの地区で潮目を変えるのなら、始まりも終わりもブラディミール・ゲレーロJr.でなければならない。こうした舞台で、こうした一振りを待ち続けてきた“5億ドル(約760億円)の男”なのだから。

その本塁打はヤンキース先発ルイス・ヒルのチェンジアップを捉えたものだった。その時点ですでにゲレーロが狙いを定めているのは明らかだった。2球目、ファウルにしたスイングは今季でも指折りのフルスイング。思い切り振り抜くときこそゲレーロ本来の姿だ。

ゲレーロJr.がマイナー時代に“次代の大物”と呼ばれていた頃から指導してきたジョン・シュナイダー監督は、主砲の“ノっている”状態を見抜いていた。試合前、シュナイダーは笑顔で語った。

「ワイルドカードシリーズの間に試合がなかったのは、ブラディにとって非常に大きかった。しっかり呼吸を整え、メカニクスを修正し、彼本来の野球を取り戻す時間になった」

熱狂する観客が再び「ブラディ!ブラディ!」と声を上げた。走者一塁の守備でライアン・マクマーンの折れたバットの飛球にダイビングキャッチで食らいつき、そのまま立ち上がって一塁ベースに戻り、ジャズ・チゾムJr.を刺してダブルプレーを完成させた。一人でイニングを締めくくり、ベンチに駆け戻るゲレーロに、「ブラディ!ブラディ!ブラディ!」の大合唱が降り注いだ。

「みんな気づいていないかもしれないけれど、いつだって意識している。打てないときは特に守備に集中するようにしている。先発投手を助けなきゃいけないし、守備はチームのためにできるすべてのことの一つ。打つことも大事だけど、守ることも同じくらい大事にしている」

ゲレーロJr.は一塁守備について、誇らしげに語った。