【ブルージェイズ6-0ガーディアンズ】クリーブランド/プログレッシブフィールド、6月27日(日本時間6月27日)
ブルージェイズが6得点で快勝した試合だったが、後味は両軍にとってあまり良くなかった。
ブルージェイズの一塁手ブラディミール・ゲレーロJr.が死球を受けた1イニング後、今度はガーディアンズのホセ・ラミレスが同様の死球を受け、両者共に途中退場。幸いにもレントゲン検査の結果、大きな異常はないとのことだった。
ブルージェイズのシュナイダー監督と先発のゴーズマンは、死球が故意でなかったと説明した。しかし、ガーディアンズのボート監督は四回と五回の間に本塁後方まで出て、ブルージェイズのベンチに抗議を行い、球審に制止されていた。
「彼らがホージー(ラミレス)を狙ってくることは分かっていた。そういうものだ。私はただ『尻を狙え』と言っただけだ。長く野球に関わってきたが、もし誰かを故意に当てるなら、腕ではなく腰回りを狙うべきだ」
ゲレーロは三回にガーディアンズ先発バイビーの154キロのシンカーが右腕にあたり、監督とトレーナーに付き添われる形で一塁へ。ゲレーロはこれで2日連続の死球となった。当初はそのままプレーを続行したが、四回裏にデービス・シュナイダーと交代した。
「彼らはブラッド(ゲレーロ)に当てようとしたわけではないし、我々もホージーに当てようとはしていない。たまたまそうなっただけだ。全体としては冷静に対処できたと思う」
「ああいったことはどんな選手でも見たくない。ましてやブラッド(ゲレーロ)ならなおさらだ。昨日の影響も少し残っているから、とにかく慎重に対応したけど大事に至らなくてよかった」とシュナイダー監督は語った。
試合後、バイビーはゲレーロに故意で当てたわけではないと語った。
「彼はメジャー屈指の打者のひとり。内角にシンカーを投げようとしたら内側に入ってしまったんだ。5億ドル(約800億円)プレーヤーになれば、そう簡単にベースにかぶせて打つわけにはいかない。故意じゃないよ」
ボート監督も「レベルの高い選手には内角を攻めないといけない。たまには制球が外れることもある。我々は誰かを故意に当てようなんてしていないし、そんなことはしない」と語った。
ラミレスの死球は四回、ゴーズマンが投じた153キロの内角高めの直球だった。避けようとしたが間に合わず、右腕に当たった。死球のあと、両軍ベンチには警告が与えられた。
試合後にラミレスは右腕にテーピングしていたが、「当たるとは思わなかったが、故意とは思っていない」と語った。出塁後に盗塁を決めたが、四回終了とともに交代した。
8回無失点で勝利投手となったゴーズマンは、「(当たった)2人の選手のことを考えれば、審判がああいう判断をしたのは理解できるし、今後の試合展開への牽制をしたんだと思う。ただ、両チームの主力打者に対して内角を攻めた結果だから、こういうことは起きるものだよ」とコメントした。
ゲレーロとラミレスはともにオールスターゲームのファイナリストに名を連ねている。前者は打率.281、11本塁打、40打点、後者は打率.317、13本塁打、38打点、21盗塁という成績だ。
「死球で選手が退場するのを見ると、いろんなことを考えてしまう。あの球はまさに完璧な場所に当たってしまったと思う」とゴーズマンは言う。
ガーディアンズは失策4、安打2と終始苦しい展開。カイル・マンザードは三回に3失策を記録し、バイビーはこの回だけで34球を要して3点(自責2)を失った。六回までの唯一の失点だった。
「今年一番と言っていいほど雑なイニングで、バイビーを助けられなかった。三回は明らかに制球が乱れていたが、それ以外は素晴らしい内容だった」とボートは振り返った。

