【ブルージェイズ6-2マリナーズ】シアトル/T-モバイルパーク、10月19日(日本時間20日)
ブラディミール・ゲレーロJr.は今ポストシーズン絶好調で、マルチヒットなど珍しくもなんともない。しかし「マルチヒット・ヒット」はどうだろう?
19日(日本時間20日)に行われたア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)第6戦の八回、ゲレーロJr.が折れたバットでポテンヒットを放った際に、1度のスイングでボールを3度も打っていたのだ。
カルロス・バルガスの98.5マイル(約158.5キロ)のシンカーが内角高めに食い込み、ゲレーロJr.がバットの根元で捉えた時に、バットが折れた。その後ボールはバットの中腹、さらに芯の部分へと転がるように当たり、最終的にはショートの頭上を越えてレフト前へ落ちるポテンヒットとなった。
1度のスイングでボールに2度当たる例はそれほど珍しくない(実際、ゲレーロ自身も過去に1度記録している)。しかし、今回のように木製バットならではの「3度当て」は、過去にハンター・ペンスが記録した1度のみ。偶然にも、そのときもポストシーズン、2012年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第7戦カージナルス戦での出来事だった。
この日のブルージェイズにとって「3」は幸運の数字だった。チームは3イニング連続でダブルプレーを完成させ、新人右腕トレイ・イェサベージの無失点投球を支えた。イェサベージのキャリアで併殺が成立したのはこれが初めてで、その1つ目の中心にいたのがゲレーロJr.だった。
ゲレーロJr.にとっては、この「三度打ち」が今夜最も珍しい一打だったが、最も重要だったのは五回に放った文句なしの本塁打だ。好調を維持する主砲は、「勝ったら突破、負ければ敗退」の第7戦へとチームを導いている。
少なくともこれで、もし父ブラディミール・ゲレーロが「俺は悪球でも簡単に打ってたぞ、ワンバウンドでもね」と自慢話を始めたとしても、息子は2025年10月19日のこの映像を見せてこう言えるだろう、「ねえ、父さん。これはやったことある?」
