ゲレーロJr.、悲願のWS進出に大粒の涙をこぼした理由

October 22nd, 2025

試合終了の声を聞くと、ブラディミール・ゲレーロJr.は膝をつき、両手を天に突き上げた。自然と涙がこぼれ落ちた。ユニフォームをまくって拭っても、一向に止まらない。マウンドに集まったチームメイト、スタッフとハグをすると、さらに涙が溢れ出た。

偉大な父、家族、友人、チームメイト、トロントという街、そしてカナダへ。様々な思いが交錯した。

大勢の観客の歓声を受けながら、ゲレーロJr.は「あと4勝、あと4勝だ」と顔をくしゃくしゃにして涙をこぼしながら応じた。

(以下はMLB.comブルージェイズ番記者のKeegan Matheson氏の4月9日の記事の再掲になります)

ブラディミール・ゲレーロJr.の再契約のニュースは、トロントという街とブルージェイズのファンに「自分たちが選ばれた」と実感させてくれた。これまでも、トロントへの愛情や、自分のプレーを見に来てくれるファンへの感謝を口にしてきたが、今回の決断がそれが本心だったことを証明してくれた。

契約延長発表から数時間後、ゲレーロJr.はとてもシンプルな言葉で気持ちを表現した。

「この組織を『組織』として見たことは一度もない。家族だと思っている。ここでプレーして10、11年になるけれど、ここは自分にとって家族。チーム、街、ファン、すべてが家族。本音を言えば、どこか別のチームに移籍して、新しい人たちとの出会いなど望んでいなかった」

ゲレーロJr.の人生において家族はとても深い意味を持つ。ワールドシリーズで優勝し、そのリングを、殿堂入りを果たしながらもキャリアの中で一度も優勝したことがない父に渡したいと夢見ている。ブラディ(ゲレーロJr.)はいつもこう言っている。

「そうすれば、自分ももう一度優勝できる」

ゲレーロJr.は娘との英語でおしゃべりで、英語に自信が持てるようになった、とうれしそうに話してくれた。今回の契約延長についても役員会議室ではなく、自宅のソファで家族とくつろぎながら交わした会話こそが決め手になった。

「娘が『パパ、私たちトロントに残るの?』と聞いてくるのが一番つらかった。家族はトロントに残りたかったんだ」

親しい友人たちは、彼が人を思いやる心にあふれた青年だと知っている。10代の頃からゲレーロJr.を見てきたジョン・シュナイダー監督は、彼が家族や友人、その子どもたち、チームメートやクラブハウスのスタッフのために力を尽くす姿をずっと見てきた。

「彼は本当に懐の深い男なんだ」

ブルージェイズのファンは、ここ数年、多くの選手たちに何度も二番手のように扱われてきた。キャリアの途中でトロントでプレーした選手たち、ここでキャリアをスタートした選手たちは、この街とファンに恋をして、多くの選手がここから去っていった。

ファンの選手への愛情は時に受け入れてもらえないこともある。でもゲレーロJr.とは相思相愛になった。

ゲレーロJr.は永遠に記憶に残る選手、われわれが語り継ぐ選手、子供たちが寝る前にもう一度打席を見たいと親にせがむ選手になる。

「ダブルA時代にバスを追いかけてくる人たちがいた時代も、2019年にここでデビューした時も彼はいつもファンに時間を割いてくれる。彼は野球を心から愛し、ファンにとって自分がいかに大切な存在であるかを理解している」

シュナイダー監督はゲレーロJr.をそう評する。

この契約は、ブルージェイズファンが永遠に語り継ぐことになるだろう。ゲレーロJr.のことが大好きなブルージェイズファンは、この契約をずっと待ち望んでいた。

ブルージェイズがXに投稿した動画の中で、ゲレーロJr.はファンにメッセージを送った。まるでこっそり秘密を教えるかのように。

「僕はずっとここにいるよ」

ゲレーロJr.は、これからも家族がいて、チームがあって、ファンがいる場所にいてくれる。

「僕たちはこれから一緒にたくさんの思い出を作っていくんだよ。何年も何年も。ここは今までも僕の家で、これからも僕はずっとこの家にいるよ」

「あと4勝だ」

ゲレーロJr.は家族、仲間、そして街の想いをその一振りに込め、悲願の舞台に立つ。