サム・アントナッチ内野手(22)が17日(日本時間18日)、イタリア代表として出場したワールドベースボールクラシック(WBC)での活動を終え、アリゾナ州のフェニックス・スカイハーバー国際空港に到着した。MLBパイプラインでホワイトソックスのプロスペクト9位に評価されているアントナッチは、荷物をまとめるとすぐに球団施設へ連絡を入れた。
「午後4時にフェニックスに着いて、そのまま球場に来て打ちたいと言っていた」とホワイトソックスのポール・ジャニッシュ育成部長(43)は笑いながら明かした。
「『ここには誰もいないから。また明日会おう』と伝えたよ」
この短いエピソードは、3つのマイナーリーグとアリゾナ秋季リーグの19試合に出場し、飛躍のシーズンとなった2025年に39死球を記録した23歳の熱意と献身を象徴している。アントナッチはホワイトソックスのメジャーキャンプに参加。WBCによる中断を挟みながら、オープン戦ではジェイムソン・タイヨン(35)やタナー・バイビー(27)から本塁打を放った。
WBCでも3死球を受けた。成功しているスタイルを崩す必要はないということだろう。アメリカ代表に勝利した試合の二回には、ノーラン・マクリーン(24)から403フィート(約122.8メートル)の本塁打を放ち、5得点を記録。守備でも走者を欺く動きで併殺を奪うなど、高い能力を証明した。
メジャーの公式戦で1イニングもプレーしていないうちに、アントナッチを全国的な舞台へと押し上げた。19打数2安打という成績は、本人が望む高いレベルに到達するには課題があることも示した。
「もちろん、まだデビューもしていないし、3Aにすら上がっていない。オープン戦の間はずっとここ(メジャー)にいたいから、オフの決断は難しかった。枠を争っている立場で、3Aでのプレー経験もない選手が代表に行くのは、おそらく最善の決断ではないだろう」とアントナッチは話した。
「それでも、あのような瞬間や大観衆の前でプレーするために決断した。もし昇格したときに、何が必要で、どういう状況になるかを知るための経験になる。それを理解できたことで、正しい選択をしたと思っている」と続けた。
19日夜(同20日)のパドレス戦に6−13で敗れた試合でチームに復帰したアントナッチは、安打を放って打点を挙げた。20日午後(同21日)のエンゼルス戦でも先発出場。21日夜(同22日)にはドジャースのプロスペクトとの「スプリング・ブレイクアウト(有望株選手を集めた試合)」に出場する予定で、2日連続で外野の守備に就く。
外野へのコンバートやスプリング・ブレイクアウトへの出場というニュースはアントナッチを驚かせたようだが、本人はすぐに準備を整えた。
アントナッチは「まだ会ったことのない年下の選手たちと一緒にプレーできるのは楽しみだ。外野のグラブを持つように言われれば、そこへ行く。ホワイトソックスに遊撃手や二塁手として指名されただけではない。チームが勝つために指名されたと思っている。それが外野なら、喜んでやるつもりだ」と意気込んだ。
ジャニッシュ育成部長は「アントナッチがどのような人間かということはすでに伝わっている。メジャーのキャンプ初参加でそれが伝わるのは珍しいことだ。私たち育成スタッフが知らなかったような一面を、アントナッチはまだ見せていない」と話した。
MLBパイプラインによると、ホワイトソックスのプロスペクト上位15人のうち12人がスプリング・ブレイクアウトに出場する予定。リストには、球団1位(全体36位)のブレイデン・モンゴメリー外野手(22)、同3位(全体61位)のケイレブ・ボネマー内野手(20)、同4位(全体72位)のヘイゲン・スミス投手(22)、同5位(全体73位)のビリー・カールソン内野手(18)ら出場予定だ。
コルソン・モンゴメリー内野手(24)、カイル・ティール捕手(24)、エドガー・クエロ捕手(22)、チェイス・メイドロス内野手(24)も、かつてはこのスプリング・ブレイクアウトに出場するレベルの有望株だった。現在は2026年シーズンに向けて、ホワイトソックスが大きな前進を遂げるための中心を担う存在として期待されている。こうした選手たちの後にも有望株の層は厚く、21日に出場するアントナッチら次世代のグループが控えている。
ジャニッシュ育成部長は「選手たちやその才能、能力、そしてメジャーのチームにどう貢献できるかについては、非常に手応えを感じている。以前も言ったが、メジャーリーグはボタンを押せばすぐに活躍できるような場所ではない」と話した。
「メジャーのレベルに適応し、落ち着いてプレーできるようになるまでの時間は、選手によって常に異なる。私たちチームのスタッフは選手が万全の準備を整えられるようサポートし、もしマイナーに戻ることになっても支えていく。それでも、次の層が育ってきていることには満足している」
