次のイェサベージを探せ!期待の新人7名

November 5th, 2025

トレイ・イェサべージは、2024年ドラフトでチェイス・バーンズとヘイガン・スミスというトップ5指名の2人に次ぐ3番目の投手評価だった。ドライニードル療法の不具合で肺が部分的に虚脱したにもかかわらず、NCAAでバーンズとの投げ合いを制した右腕は、全体20位でブルージェイズに指名された。そこまで残った唯一の理由は、一部球団が背中のメディカル面を懸念していたからだ。

ブルージェイズは、イェサべージが優勝争いをするチームの上位ローテーションを務めることができると予測。実際に、それは正しかったが、驚きだったのはその成長速度だ。

More from MLB Pipeline:
Top 100 prospects | Stats | Video | Podcast | Complete coverage

イェサべージは、ワールドシリーズ制覇にあと2アウトまで迫ったブルージェイズの中心選手の一人だった。9月に昇格し、レギュラーシーズンでの先発3試合すべてでチームが勝利しア・リーグ東地区優勝へと導いた。ポストシーズンでは5先発中4試合でチームが勝ち、ディビジョン、リーグ優勝決定、ワールドシリーズでいずれも重要な白星を挙げた。さらにワールドシリーズ1試合の奪三振(12)とポストシーズン通算の空振り奪取数(39)で新人記録を樹立した。

ドラフトからわずか1年でポストシーズンの主役になるのは極めて稀だ。2026年にも同じようなことが見られるとは考えづらいが、何が起こるかは分からない。今回は、そんな可能性を秘める7人を紹介する。

ケイド・アンダーソン(左投/マリナーズ/全体3位)

アンダーソンはマイナーに長く留めておくタイプではない。完成度の高い4球種でカレッジ・ワールドシリーズ(CWS)のMOP(最優秀選手)に選出され、ルイジアナ州立大学の3年間で2度目の全米制覇に貢献。119イニングで180三振と、NCAAディビジョンIの最多記録を更新した。

ゲージ・ウッド(右投/フィリーズ/全体26位)

ウッドはCWS史上屈指の投球を披露。マレー州立大学を相手に19三振ノーヒッター(死球がなければ完全試合)を達成した。肩の負傷歴があり昨春は2カ月離脱したが、最速98マイル(約158キロ)に達する90マイル台中盤の速球と、82〜85マイル(約132–137キロ)の強力なカーブを武器に打者をねじ伏せる。

カイソン・ウィザースプーン(右投/レッドソックス/全体15位)

ウィザースプーンは昨春、三振/四球比5.4でサウスイースタン・カンファレンスをリード。空振りを奪える4球種:最速91マイル(約146キロ)の速球、80マイル前半(約128〜130キロ)の縦カーブ、80マイル中盤(134〜136キロ)のスライダー、80マイル後半(約138〜140キロ)のカットボールを操る。今季は制球とコマンドが大きく進歩し、昇格スピードを加速させうる。

リアム・ドイル(左投/カージナルス/全体5位)

もしカージナルスが2026年により強力な優勝候補と見なされていれば、ドイルの順位はさらに上だっただろう。昨春は9回あたり15.4という驚異的な奪三振率でディビジョンIトップ。プロ初年度の短い登板でも最後は2Aに到達した。100マイル(161キロ)超の爆発的な速球に加え、82〜85マイル(約132–137キロ)のスライダー、80マイル後半(約138〜140キロ)のカッとボール、スプリットと、質の高いの3球種を備える。

アンドリュー・フィッシャー(一・三塁/ブルワーズ/全体20位)

2023年・2024年と比べて、2025年組は大学出身の打者がメジャーに到達することは少ないかもしれないが、その中でも期待がかかるのがフィッシャーだ。2025年ドラフト組の大学打者でベストのパフォーマンスデータを残し、25本塁打はディビジョンIで3位、63四球は同4位だった。

ジェイミー・アーノルド(左投/アスレチックス/全体11位)

既に多くの若手選手が活躍しているアスレチックスにとって、1巡目でアーノルドが残っていたのは嬉しい誤算だった。打ちづらい角度から90マイル中盤(約152〜155キロ)の速球と、82〜85マイル(約132–137キロ)のスライダーが売りで、早期にローテーションの上位へ食い込む可能性がある。

A.J.ラッセル(右投/レンジャーズ/全体52位)

2024年のインターナルブレース手術でテネシー大学での最後の2シーズンは満足にプレーできなかったものの、ラッセルの速球は「ユニコーン級」だ。常に92〜94マイル(約148–151キロ)を記録し、最速98マイル(約158キロ)に達する。極端に低いリリースポイントと広い角度から投じられ、右打者側へ鋭く食い込み、伸び上がるような軌道が特徴だ。レンジャーズは先発起用を見込むが、必要とあらば来年10月に重要な局面でのリリーバーとなる資質もある。