【フィリーズ3-4ドジャース】フィラデルフィア/シチズンパンクパーク、10月6日(日本時間7日)
ポストシーズンを通して、ウィル・スミスの名前は「出場することができるのか?」「どれだけコンディションが仕上がっているのか?」という文脈で上がっていた。七回、2死満塁の場面で、そんな疑問を全て解決するかのような一振りを見せた。
フィリーズの2番手カークリングが投じた外角のスイーパーを捉え、レフト前へと弾き返した。リードを3点に広げる貴重な2点タイムリーになった。敵地でのナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)を連勝で飾り、フィリーズをがけっぷちに追い込んだ。
「最高の気分だったよ。満塁でツーアウト、あの一打は格別だった」とスミスは笑顔で語った。
テオスカー・ヘルナンデスの安打とフレディー・フリーマンの二塁打でチャンスを広げると、キケ・ヘルナンデスの内野ゴロの間にテオスカーがギリギリのタイミングで生還。ドジャースが先制点を奪った。
続くマックス・マンシーが四球で出塁すると、満塁のチャンスでスミスに打席が回ってきた。右手にヒビを負ってから復帰後わずか2試合目の出場で、この日も代打で途中出場だった。
「スミスはわれわれのオールスター捕手だ。復帰への調整をしながら試合勘を戻していく、難しいバランスを取っているところだ。特にポストシーズンではそれが一層難しい」とデーブ・ロバーツ監督は語った。
もしスミスが9月ではなく7月に骨折していたなら、マイナーでリハビリを重ね、時間をかけて試合感覚と体力を取り戻してから復帰できていただろう。しかし、25年ぶりのワールドシリーズ連覇に向けて、ドジャースにそんな時間的余裕はない。
第1戦でスミスは、ベン・ロートベットに代わり五回に代打として出場。約1カ月ぶりに実戦に復帰すると、そのまま出場を続け、残り5イニングをプレーした。
第2戦でもロートべットがスタメンマスクをかぶり、ロバーツ監督はスミスを途中から投入するプランを立てていた。六回にヘスス・ルサルド相手に代打で出場したスミスはサードゴロに倒れたが、その1イニング後には4得点を生み出した攻勢の中心にいた。
「すべてが噛み合った七回の攻撃だった。打線全体が素晴らしい内容の打席を重ね、途中出場のウィルもカークリング相手に決定的な一打を放ってくれた」とロバーツ監督は称えた。同時に、スミスの欠場時にスタメン捕手としてチームを支えたロートベットにも言及した。
「それに、ウィルが試合に戻れるよう支えてくれたベン・ロートべットも称賛に値する。ロートベットの投手陣との連携は本当に素晴らしい」
スミスが第3戦で先発出場するかどうかは、指揮官との話し合いの結果次第だろう。移動日となる7日(日本時間8日)に本拠地で練習を行った後に、状態を見極めて最終判断を下す予定だ。
どちらにせよ、スミスは準備万端だ。
「3つ勝たなきゃいけない。そのうち2つはもう取った。だから常に準備をしておくんだ」とスミスは力強く語った。