スミス&マンシーが本塁打、打線が本来の姿取り戻しロサンゼルスへ

October 26th, 2025

ブルージェイズ1-5ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月25日(日本時間26日)

ウィル・スミスがケビン・ゴーズマンの内角への速球を完ぺきに捉え、バットを放り投げた。打球はレフトファウルポール際の2階席へ一直線に飛び込み、スミスは咆哮(ほうこう)とともに拳を突き上げた。ロジャースセンターは一瞬にして静まり返り、ドジャースのベンチは歓喜に包まれた。

2025年のワールドシリーズ開幕から16イニング目、ようやくドジャース打線が目を覚ました。

スミスのあと、2人が打ち取られるもマックス・マンシーが逆方向へのソロ本塁打を放ち追加点。八回にはさらに2点を挙げ、山本由伸の完投と合わせて投打でブルージェイズを圧倒し、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

「スミスの本塁打が出た瞬間、チーム全体が歓喜に包まれた。山本の投球内容を見れば、簡単には失点しないと分かっていた。そこにマックスがもう1本重ねたから、すごくホッとしたよ」とデーブ・ロバーツ監督は語った。

ドジャース打線はレギュラーシーズンでメジャー屈指の破壊力を誇り、ナ・リーグ最多の849得点を記録。しかし、ワールドシリーズの最初の1試合半では沈黙が続いた。第1戦では序盤にいくつもの得点機を逃し、大谷翔平が終盤に2ランを放ったものの、その頃には試合の行方は決していた。

そして第2戦、ブルージェイズのエース・ゴーズマンは六回までほぼ完璧な内容。七回1死の場面でスミスが打席に立ったとき、ガウスマンは17人連続アウトを記録していた。

「今日は本当に素晴らしい投球をしていた」とスミスは相手右腕を称えた。

「ゾーン低めに速球をきっちり集めていて、スプリットもあるから、あの球には手を出したくなかった。ただ、高めに浮かせるように狙っていた。すべて速球だったけど、ようやく高めに来た1球を捉えて、ファウルにならないように振り抜いた」

スミスとマンシーの本塁打で流れを変えたことが、ドジャース打線の本質を表している。大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンの3人が注目されがちだが、このチームの真の強みは層の厚さにある。上位打線を抑えたとしても、その後に待つのも数々のポストシーズンを経験したオールスター選手たちだ。スミスもマンシーも、この舞台を何度も経験している。

「その場の感情に流されて、毎回ホームランを狙ったり、ヒーローになろうとしたりしてもうまくいかない。できるだけシンプルに考えて、いい打席を作り、いい球だけを打つようにしている」とスミスは語った。

ゴーズマンはほとんど隙を見せなかったが、七回、ついにその1球を投じた。

「昔ながらの投手戦だった。そしてドジャースが試合を決めるスイングをした」とブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は振り返った。

スミスはレギュラーシーズン終盤に右手を亀裂骨折し、ポストシーズン出場が危ぶまれていた。ワイルドカードシリーズ(対レッズ)では代打で出場し、地区シリーズ(対フィリーズ)では苦戦したものの、リーグ優勝決定シリーズ以降は6試合で22打数9安打、打率.409と完全に調子を取り戻している。

「スミスがいることで打線全体が厚くなる」とベッツは称える。

「右投手でも左投手でも関係ない。捕手としても打者としても、攻守の切り替えがすごくうまい。彼を伏兵とは呼べないよ。相手チームも絶対に対策を立てないといけない選手だから」

スミスの本塁打以降、ドジャース打線は本来の姿を取り戻した。粘り強さと長打力を兼ね備えた攻撃で瞬く間に3得点。マンシーが逆方向へのソロを放ち、八回には2四球と2安打でさらに2点を追加した。

もっとも、山本には追加点など不要だったかもしれない。しかし、この終盤の攻勢は、これからのシリーズへの強烈なメッセージだった。ブルージェイズの攻撃力ばかりが話題になっていたが、ドジャースの打線も決して引けを取らない。

八回の攻撃の口火を切ったのは、不振にあえいでいたアンディ・パヘスだった。1死からの安打を放つと大谷もバットを折りながらライト前に運んだ。ベッツが四球を選んで満塁とすると、シュナイダー監督は守護神ジェフ・ホフマンを投入した。

しかしホフマンの初球はワンバウンドし、パヘスが生還(記録は暴投)。さらにスミスの併殺崩れの間に大谷も5点目のホームを踏んだ。

あれほどの熱気に包まれていたロジャースセンターは、追加点のたびに静まり返った。観客席には諦めの空気が漂い、ドジャースは1勝1敗のタイでロサンゼルスへと戻る。

「長いフライトになりそうだけど、最高の気分で帰れるよ」とフリーマンは試合後のインタビューで笑顔を見せた。