ヤンキースの最強ローテーションは17年ぶりの栄光をもたらすのか?

April 20th, 2026

ベーブ・ルースがいた頃のヤンキース打線の伝説は誰もが知っている。「ブロンクス・ボンバーズ」というチームの愛称も、その破壊力によって名付けられた「マーダラーズ・ロウ(殺人打線)」という言葉も、1927年の球団史上屈指のチームによって、野球用語として定着した。

もちろん2026年のヤンキース打線も強力で、その中心には“新たなベーブ”、アーロン・ジャッジがいる。ただ、今年のチームで最も殺傷能力が高いのは打線ではなく、先発投手陣かもしれない。

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仮に先発陣が全員健康で、なおかつその状態を維持できれば、ローテーションの上位は、ゲリット・コール、キャム・シュリットラー、マックス・フリード、カルロス・ロドンというリーグ屈指の顔ぶれとなる。最強と呼ばれるドジャースの先発陣すら上回る可能性を秘めている。

昨年トミー・ジョン手術を受けたコールは、現在マイナーで復帰しており、ロドンはコールよりも先にメジャー復帰する見込み。しかしその2人が不在でも、現在のローテーション上位4人の防御率は以下の通りだ。
シュリットラー:1.95
ウィル・ウォーレン:2.49
フリード:2.97
ライアン・ウェザース:3.18

直近のロイヤルズとのシリーズでは打線も活気づいたが、今季序盤のヤンキースを象徴しているのは、本塁打を打ち続けているジャッジではなく、先発投手陣だ。2009年のワールドシリーズ制覇以降、シーズン終盤に先発投手が不足するという問題を何度も抱えてきたが、コールとロドンの復帰が見込まれる今季は、その流れが変わるかもしれない。

開幕直後、ヤンキースは5勝1敗と好スタートを切り、その間の先発投手陣の防御率はわずか0.53。6試合で許した失点は合計3点に過ぎず、これは1942年のカージナルス以来となる驚異的なスタートだった。

「本当に素晴らしい一週間の投球だった」とアーロン・ブーン監督は語っていた。

その好投は一時的なものではなく、いくつかの例外を除けばこの1カ月にわたって続いている。それでも直近の週末終了時点でヤンキースは13勝9敗と振るわない。主な要因は、打線が昨季のような実力を発揮できていないことと、リリーフ陣の不安定さにある。

それでも、ここまでの先発投手陣の働きは、ヤンキースが圧倒的な強さを誇った時代を思い出させる。1978年、レッドソックスに14.5ゲーム差をつけられながら逆転し、2年連続のワールドシリーズ制覇へと突き進んだシーズンも、原動力は先発投手だった。ロン・ギドリーは25勝3敗でその年の球界最高の投手となり、エド・フィゲロアは20勝9敗を記録。さらにシーズン終盤にはキャットフィッシュ・ハンターがアスレチックス時代の輝きを取り戻し、最後の12先発で9勝2敗と圧巻の成績を残した。

その1978年のチームは、この大逆転劇によって球団史に名を残した。ただし、162試合制において114勝48敗という圧倒的な成績を残した1998年のチームほどではない(1927年のヤンキースは110勝44敗)。

その1998年の先発ローテーションは以下の通り。
デビッド・コーン:20勝7敗
デビッド・ウェルズ:18勝4敗
アンディ・ペティット:16勝11敗
オーランド(エル・デューケ)・ヘルナンデス:12勝4敗
伊良部秀輝:13勝9敗

その5年後、ワールドシリーズに進出しながらも、マーリンズに敗れた年のローテーションの成績がこちら。
ロジャー・クレメンス:17勝9敗
マイク・ムシーナ:17勝8敗
ペティット:21勝8敗
ウェルズ:15勝7敗

2009年、ヤンキースが最後にワールドシリーズを制した際は、CCサバシア、A.J.バーネット、ペティットの3本柱が中心だった。それでもジョバ・チェンバレンが9勝、フィル・ヒューズが8勝を挙げ、厚みを加えていた。

2026年のローテーションは、コールが手術から完全復活し、ロドンが2025年に18勝、防御率3.09を記録した状態を取り戻せば、これらを上回る可能性が十分にある。コール、フリード、シュリットラー、ロドンの後ろには、ウォーレンやウェザースといった若手も控える。さらに昨季台頭しつつあったクラーク・シュミットも肘の手術を経て、今夏には万全の状態で復帰する見込みだ。

ジャッジは、コールとロドンを欠く中でも、この先発陣が「序盤の最大の違いを生んでいる」と表現している。もちろん、ヤンキースにとって真のキープレーヤーがジャッジであることに変わりはなく、時には彼一人が“マーダラーズ・ロウ”のような存在になる。それでも、この先発陣は間違いなく、ここ20年で最も強力で、最高のローテーションになる可能性を秘めている。