2025年のヤンキースは、想定より早く姿を消した。
終盤の粘りや、前夜にアーロン・ジャッジが見せた土壇場の劇的な一打があったにもかかわらず、本拠地ヤンキースタジアムで迎えた試合はブルージェイズの前に打つ手が尽きた。ア・リーグ地区シリーズ第4戦は5-2で敗戦。今季が終わった。
「僕たちはやるべきことをやれなかった。目標を達成できなかった」とジャッジは語った。
「本当に特別なチームだったし、特別な選手がそろっていた。だからこそ今年は楽しかった。でも最終的な目標、優勝をつかめなかった。あと一歩、届かなかった」と絞り出した。
ワイルドカードシリーズ突破を決めた試合で人生最高の投球した新人キャム・シュリットラーは、この試合でも七回途中まで好投。しかし、ジャズ・チザムJr.が併殺に打ち取れるはずのゴロを弾いてしまう。このミスが命取りとなり、続くデビン・ウィリアムズの投球をネイサン・ルークスが2点タイムリー。ニューヨークのシーズンに終止符を打った。
「たぶん来季の開幕を迎えても、まだこのことを考えていると思う」とチザムJr.は悔しそうに語った。
ブラディミール・ゲレーロJr.とジョージ・スプリンガーもそれぞれ打点を挙げ、ブルージェイズは投手陣を小刻みに継投するブルペンデーを効果的に戦い抜いた。ヤンキースは三回にライアン・マクマホンのソロで一時同点に追いついたものの、その後は沈黙。九回にアーロン・ジャッジのタイムリーヒットで1点を返すのが精いっぱいだった。
「終わり方が一番つらい。本当に素晴らしい選手たちがそろい、終盤にはチームとして最高の状態だった。ブルージェイズの今季の戦いぶりを称えたい。彼らがこのシリーズでは私たちより上だった。ただ、それだけのことだ」
試合後のアーロン・ブーン監督は語った。
今季のヤンキースは終盤にかけて最高の野球をしていた。レギュラーシーズンを8連勝で締めくくり、昨季と同じ94勝。2年連続のア・リーグ東地区優勝を目指して突き進んでいた。
ブルージェイズは地区優勝を決め、ヤンキースをワイルドカードシリーズ(WCS)へ押し込み、早い時期からの苦しい10月を強いた。ヤンキースはただブルージェイズの歓喜を見つめるしかなく、それがこの後の運命を暗示していた。
レッドソックスとのWCSは、短くも劇的な救いの時間だった。第1戦に敗れてから2試合連続の「負ければ終わり」という状況に追い込まれたヤンキースだったが、執念で息を吹き返した。第2戦ではチザムJr.の果敢な走塁が試合をひっくり返し、翌日の第3戦では新人シュリットラーの力投に乗った。
ほんの一瞬、再びリーグ優勝を狙う夢が現実味を帯びた。だが、再び立ちはだかったのはブルージェイズだった。
ヤンキース投手陣を序盤から圧倒した。ルイス・ヒルとマックス・フリードの両先発が炎上し、シリーズ前半2試合で23得点を奪った。
「打線は強力でつながりがあった。(甘いボールは)ほとんど見逃さなかったし、こちらのミスも全部得点に変えられた」
捕手オースティン・ウェルズはそう語った。
ジャッジの劇的な一発で第3戦に望みをつないだものの、ヤンキースは翌日に再びフィールドへ立つことはできなかった。
「すぐにでもまたグラウンドに戻りたい」
ジャッジは唇をかんだ。
ヤンキースは2年連続でワールドシリーズに進出する目標に届かなかった。
アメリカスポーツ界で最も栄光ある球団が、2009年以来トロフィーを掲げていない理由をまたも説明しなければならない。
シーズンは序盤から波乱含みだった。フリーエージェントでフアン・ソトが退団し、チームは再編を迫られた。
マックス・フリードの獲得、コディ・ベリンジャーのトレード、ポール・ゴールドシュミットの契約、そのいずれもが的中した。
フリードは投手陣のリーダー格に成長し、ベリンジャーは安定した職人肌の働きを見せ、ゴールドシュミットは静かで動じない存在としてチームを支えた。
それでも試練は続いた。特に6月から8月にかけての大失速は苦しかった。
ゲリット・コールは3月にトミー・ジョン手術を受け、今季は1球も投げられなかった。
フリードがエースの座を引き継ぎ、カルロス・ロドンは多くの部門でキャリアハイを記録した。
ジャッジは打率.331で史上最も背の高い首位打者(身長6フィート7インチ=約2.01メートル)となり、さらに53本塁打、114打点、出塁率.457、長打率.688、OPS 1.145はいずれもア・リーグトップだった。
首位打者を獲得しつつ50本塁打以上を放った選手は、ジャッジ、ミッキー・マントル(1956年)、ジミー・フォックス(1938年)の3人しかいない。
新たなスターたちが台頭した。トレント・グリシャムは自己最多の34本塁打、チザムJr.は「30本塁打・30盗塁クラブ」に加わった。ヤンキースの球団史でこの記録を達成したのはわずか3人目だ。ベン・ライスも将来の中軸を担う存在としての片鱗を見せた。ヤンキースには才能があった。だが、ブルージェイズを打ち崩す術はなかった。
「この試合に勝つための力が足りなかった」とジャンカルロ・スタントンは語った。
ヤンキースというチームである以上、最終的な評価は常に「優勝か、失敗か」だ。
その使命感はいまも球団上層部から貫かれている。昨年10月、ドジャースが歓喜に沸いたとき、ジャッジはシーズンを「失敗」と言い切った。今年はこう語った。「いいシーズンではなかった」と。
ヤンキースが野球界の頂点に立ってから、すでに16年。名門として、これは考えられない空白期間だ。スター選手をそろえ、圧倒的な力を誇りながらも、このチームはいまだワールドシリーズ制覇に届かない。
世界一を狙う扉はまだ閉ざされていない。だが、10月の敗退を重ねるたびに、その隙間は少しずつ狭まり、問いかけの声は少しずつ大きくなる。
「一番したくない会話だ。こんな場所にいないために、できることはすべてやる。それでも毎年こうしてここ(ポストシーズン)に戻ってきて、そのたびに悔しさが積み重なっていくんだ」
スタントンは、敗戦を受け入れ、雪辱を誓った。
