直近7試合で6敗という結果は、SNSやラジオのトーク番組では”非常事態”として扱われる。だが、15日(日本時間16日)のヤンキースのクラブハウスは、いつもと何も変わらない空気だった。
その落ち着いた姿勢が結果につながった。ホセ・カバイェロがサヨナラの2点二塁打を放ち、エンゼルスに5-4で勝利。相手のミスを見逃さず、チャンスをものにした。
メジャー16年のキャリアの中で、好調も不調も数多く経験してきたポール・ゴールドシュミットは、そうした慌てない姿勢は意図的に作っているものだと語った。
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「野球というゲームがいかに波のあるスポーツかわかると思う」とゴールドシュミットは話した。
「うまくいっている時でも、一日一日を落ち着いて受け止めないといけない。全部分かったような気になってはいけない。不調の時も、自分を責めすぎてはいけない。明日何が起こるかは誰にも分からないし、流れがいつ変わるかも分からない。良くも悪くもね」
もちろん、ここまでのチームの不調を無視するわけではない。見方を変えれば、すでに日程全体のおよそ11%を消化しており、安定感を欠く打線と、アーロン・ブーン監督が「まだ発展途上」と表現する不安定なブルペンによって、開幕時の勢いは影を潜めている。
ただしブーン監督は、162試合という長いシーズンの中で訪れる浮き沈みは想定内であり、チームは最初のミーティングの段階からその備えをしていると語る。
「そのことについては、最初からかなり徹底して話している。スプリングトレーニングで最初に伝えることの一つが、必ずやってくる出来事にどう対処するかということだ。いいチームになるには、苦しい時期としっかり向き合わないといけない」とブーン監督は話した。
「打線は少し苦しんでいる。これから状態が上がってくる選手も何人もいる。それもこの競技の一部だ。それにどう向き合うかで、どんなチームかがよく分かる」
ヤンキースは、多くの面でアーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンの姿勢を手本にしている。チームが敵地でレイズに3連敗を喫した後、ジャッジは打者陣に対し、「打席の中でもう少しシンプルに考える」よう呼びかけた。
「まずは自分自身から始まる。『自分は何を変えられるか?』と一人ひとりが考えること。『このチームが勝つために、自分はどうすればもっといい状態で貢献できるか?』ということに尽きる。やりすぎようとせず、自分の仕事をきっちりやれば、チームはいい位置にいける」とジャッジは話した。
ただし、言うは易く行うは難い。だからこそ、ジャッジの打席への向き合い方はチームにとって偉大な手本となる。
14日の九回、ジャッジはチームが6点を追う場面で打席に入った。はっきり言って、試合は決していた。しかし、ジャッジはその打席でも手を抜かなかった。
ライアン・ゼファージャンを相手に12球粘り、最後は左中間への鋭い二塁打を放った。この一打が結果を変えたわけではない。だが、そうした姿勢はダグアウトの中でしっかり見られている。
ブーン監督が言うように、選手たちは「やるべき仕事に集中するため、”感情のジェットコースター”に乗ってはいけない」。だからこそヤンキースは、あの打席のジャッジのように、粘り強く戦わなくてはならない。その規律と高い基準を、日々の試合で発揮しなくてはならない。
「どの試合も大事だ。それは分かっている。毎シーズン、常にその話はしてきたし、毎月のように話すことになる。自分たちにとって新しいことではない。これが野球だ。次の日またしっかり球場に来て、立て直すしかない。引きずらないことが大事だし、次へ進まないといけない」とジャッジは話した。
