フィリーズのピンチを救った「少年ピッチャー」

May 1st, 2025

フィリーズのホセ・アルバラードが火曜日の夜、八回の満塁のピンチを3者連続三振で切り抜けた。1968年以来となる快挙が大いに球場を沸かせた時、スタンドにはもう一人の小さな主役がいた。

「あの子に会いたいんだ」

アルバラードは翌日、本拠地シチズンズ・バンク・パークでそう語った。

「サイン入りのユニフォームかボールか、何かをプレゼントしたいし、試合にも招待したい」

彼が語る相手は、スタンドでアルバラードの投球フォームを真似した12歳の少年のことだ。カメラに捉えられたその姿に、多くのファンが心を打たれた。

NBCスポーツ・フィラデルフィアの中継カメラが満塁のスポットを当てたのは、ニュージャージー州ニューアーク在住のプリンストン・ベイリー君(通称プリンス)。アルバラードのセットアップから投球動作までを完コピする姿をカメラに捉えた。

「2アウト、満塁、カウント2-2からの三振。僕も興奮したし、彼も一緒に興奮していた。最高だったよ」アルバラードはそう振り返った。

祖父のトロイさんとともにその日初めて球場を訪れたプリンス君。祖父はフィリーズからの招待チケットを孫の12歳の誕生日プレゼントとして受け取っていた。

「ついに来れたなって思ったよ」 そう語ったトロイさんの横で、念願が叶ったプリンス君は目を輝かせていた。

試合後には「僕、勝つの手伝った?」尋ねた彼に「もちろんだ。君のおかげで勝ったよ」と祖父は答えた。

シュワーバーの大ファンでもあるプリンス君。もちろん、バッティングフォームのマネも完璧だ。

そんな彼は自閉スペクトラム症の軽度レベルにあり、人前では控えめだという。だが、学校では友だちともよく遊び、野球・アメフト・空手が大好きな元気な男の子だ。

「もちろん難しいこともあるだろうけど、彼は一瞬一瞬を、人生を楽しんでいる。素晴らしい子だよ。」

そんな彼は、金曜のダイヤモンドバックス戦でも球場を訪れる予定だ。

「この瞬間を大切にしたい。過去を振り返ればつらいこともあるけど、今がすべてだよ。」

そう語るアルバラードと、プリンス君には確かな繋がりがある。

「野球は本当に難しい。でも、その分たくさんのことを教えてくれるんだ。だからこそ、まだ分からないことはたくさんあるけど、一つ確かなのは、あの少年に会って話をしてみたいということだ」

「今」を大切に生きる二人。完璧に重なる投球フォームのように、きっと二人が出会えば、自然と心も重なるだろう。