リハビリに集中するダルビッシュ有、マウンド復帰は不透明

3:41 AM UTC

右肘の手術から約1カ月半が過ぎたダルビッシュ有は15日(日本時間16日)、マウンドに戻れるかどうか自分でも分からないと率直に語った。

サンディエゴのロナルド・マクドナルド・ハウスのチャリティーイベントに出席した39歳のダルビッシュは、こう話した。

「今は将来的に投げることは、今のところは考えていないので、すごく複雑に聞こえるかもしれないですけど、今はそういう考え(メジャー復帰をする前提)でリハビリはしていません。また自分が投げたいと思ったりとか、そういうステージ(メジャーのマウンド)に立てると思えば、また帰ってこようとすると思います」

同世代で最も実績のある投手の1人としてのキャリアが、このまま終わる可能性もある。ダルビッシュは今季、右肘の不調を抱えながら投げ続け、その後、屈筋腱の修復と内側側副靱帯へのインターナルブレース(人工靱帯)装着の手術を受けた。

10月下旬の手術後、ダルビッシュは自身のSNSで「また気持ちよくボールを投げられるように、リハビリ頑張ります」と目標を示した。そうして再びボールを気持ちよく投げられるようになったとき、その舞台がメジャーになるかどうかは、今の段階では見えていない。

ダルビッシュは、2023年シーズン開幕前に結んだ6年契約延長のうち、まだ3年が残っている。ただし今回の手術により、2026年シーズンを全休することはすでに決まっている。契約の残額は4600万ドル(約71億4100万円)。ダルビッシュが引退を選べば、この金額はパドレスの年俸総額から外れる。

現時点で進退についての結論は出ていない。ただ、ダルビッシュは今オフのかなりの時間をペトコパークで過ごし、すでにリハビリを開始している。投球練習を始めた他の投手たちや、球団スタッフとも積極的に言葉を交わしている。

2026年は試合で投げることができないので、どうチームに関わっていくか、どのように投手陣をサポートするか? という質問に対して「そこをすごくAJ(プレラーGM)と球団とも話しているので、これからどういうことがベストなのか、話しています」とダルビッシュは説明した。

ダルビッシュはレンジャーズ、ドジャース、カブス、パドレスでメジャー13シーズン、日本の日本ハム・ファイターズで7シーズンを投げてきた。最近、日米通算勝利数で黒田博樹を抜き、現在は日米通算208勝(メジャー115勝、日本93勝)に達している。

メジャーでは通算防御率3.65、通算2000奪三振以上を記録し、サイ・ヤング賞投票ではトップ10入りを4度している(うち2度は2位)。

一方で近年は負傷に苦しみ、全盛期のようなパフォーマンスではない。過去3年の平均先発登板数はシーズン18試合前後にとどまり、2025年も不本意な内容だった。

もちろん、2025年のダルビッシュの不振は、少なくとも一部は負傷の影響だと言える。右肘の炎症でシーズン最初の3カ月を欠場した。ダルビッシュは15日(日本時間16日)、3月にこの負傷に悩まされ始めた時点で、手術も選択肢の一つだったと認めた。

しかし手術ではなく、休養とリハビリを選び、実戦復帰は7月までずれ込んだ。最終的に15試合に先発して、防御率5.38だった。カブスとのワイルドカードシリーズ最終戦ではリグレーフィールドで先発したが、4安打2失点を喫し、二回途中でマウンドを降りた。

「(今季はチームに)貢献できた、とは思わないですね。そこに関しては、僕はうまく仕事ができなかったと思っています。ただ、やっぱり、それも自分の中で(投手生命が)もう最後になるかもしれない、というふうな思いがあったので、(痛みなどを)我慢して、といいますか、一生懸命チームのために、と思って投げていました」

あの悔しいポストシーズンの登板が、ダルビッシュが大リーグのマウンドに立った最後の試合として振り返られる可能性もある。それでも、どんな決断を下しても、「ダルビッシュ」がサンディエゴで投げる姿が完全になくなるわけではない。

息子のショウエイさんは、最近UCSD(カリフォルニアしゅうりつ大学サンディエゴ校)への進学を決めた。2026〜27年シーズンから「トライトンズ」で投手としてプレーする予定だ。

「すごく自分が心配するくらい本当に真面目でハードワーカーなので、これがいいとことでもあるし、心配になる点でもある。本当に人間として素晴らしい人間だと思います」と父は長男について語った。