菊池雄星、「チーム雄星」と臨む2度目の夢舞台

July 16th, 2025

メジャー7年目の左腕の菊池雄星が2度目のオールスターに選出された。エンゼルス唯一の選出で、少し寂しい状況だが、菊池には「チーム雄星」の二人、トレーナーの伊藤健治氏と通訳の大嶋佑亮氏と共に夢舞台に臨む。

伊藤氏はマリナーズ、ブルージェイズ(22-24)、アストロズ(24)と、菊池のメジャーでのキャリアを支え続けてきた。大嶋氏は、菊池のブルージェイズ2年目の2023年から専属通訳を務める。

2021年以来、2度目のオールスターに選出されたが、球宴3日前のダイヤモンドバックス戦で登板したために球宴の登板は辞退している。

マウンドに上がる機会はないが、3人で祭典に参加できる喜びは大きい。

「僕たち3人は家族よりも一緒にいる時間が長い。落ち込んだ時も、どうやって成長していくか悩む時も、いつも二人がいてくれる。だから今回、オールスターを一緒に楽しめるのは本当にうれしい」と菊池は語った。

大嶋氏にとってはこれが初めてのオールスター参加になる。トロント生まれで子どもの頃から毎年テレビで観戦してきた舞台で、今回はゲレーロJr.、カーク、タッカー、ブレグマン、ブラウン、ヘイダーなど、元ブルージェイズ、アストロズの選手たちとの再会も楽しみにしている。

「通訳として帯同できるなんて夢にも思っていませんでした。子どもの頃から大好きな野球、そのスター選手たちを間近で見られるなんて、本当にワクワクします」

大嶋氏の支えもあり、菊池の英語力は2019年MLBデビュー時から飛躍的に向上した。今ではチームメートとも流暢に会話し、インタビューも通訳なしで受け答えができるほどだ。

捕手のトラビス・ダーノーはそんな菊池を「ジョーク好きで、みんなを楽しませる存在」と評しながらも、登板日は別人のように真剣で、緻密なスカウティングとリカバリー、ピッチング練習でも細部までこだわる『職人肌』だと語る。

「どの球が有効か、打者が嫌がる球は何か、すべて頭に入っている。本当にディテールにこだわる投手だよ」

今回のアトランタ遠征には、大嶋氏、伊藤氏に加え、妻の瑠美さん、そして6歳になる長男の嶺雄くんも同行する。2019年マリナーズ時代のオールスター選出時、当時2歳だった息子は何も分からなかったが、今では十分理解できる年齢だという。

「それが一番大事です(That’s what’s most important)」

最後の言葉を、菊池は流暢な英語で締めくくった。