フィリーズは23日(日本時間24日)、エースのザック・ウィーラーが静脈性胸郭出口症候群(TOS)と診断され、数週間以内に胸郭出口減圧手術を受ける予定だと発表した。復帰までは6〜8カ月と見込まれており、ウィーラーは一足早くシーズンを終えることとなった。
「予想外のことが起きない限り、彼は復帰して、これまで通りの投球ができるはずだ」と、野球部門代表のデーブ・ドンブロウスキーは語った。
ウィーラーの症状は、2020年に同じ手術を受けたレンジャーズの右腕メリル・ケリーに似ている。ケリーは同年9月に手術を受け、春季キャンプには復帰し、翌21年には27先発を果たした。ただ、もちろん症例は選手それぞれ異なるため、ウィーラーの状況がどう推移するかを正確に予測することはできない。
「回復の経過は(選手によって)多少、異なることがある。ただしウィーラーの場合は慢性的ではなく突発的な問題だった。症状を長期間、患っていたわけではないのは、不幸中の幸いだ」と、フィリーズのヘッドトレーナー、ポール・ブッハイトは説明した。
ウィーラーは8月16日に右腕上部の血栓により負傷者リスト入りし、2日後には血栓を除去するための処置を受けた。
不明点が多く、状況が深刻だっただけに、ロブ・トムソン監督は「診断が確定し、手術で治療できると分かったのは安心材料」とコメント。エースの離脱は痛いが、チームとしての総合力に自信をのぞかせた。「彼を失うのは非常に残念だが、われわれは選手層に自信がある。私はこのチームが大好きだ。だから6~8カ月で回復できる見込みと聞いた時は安心したよ」
ウィーラーの長期的な健康という点では、最悪の事態は避けられたとはいえ、終盤戦を戦うチームにとって、エースの離脱は大きな痛手。2020年のフィリーズ加入以降、奪三振(1,094)、WHIP(1.02)、投球回(979)でMLBトップに立ち、防御率(2.91)では3位に入り、常にトップレベルのパフォーマンスを見せている。
何より、ポストシーズンでの勝負強さが最大の魅力。通算で防御率2.18を記録しており、これは、ポストシーズン10試合以上先発した投手の中で歴代3位の成績だ。(ウェイト・ホイトの1.83、マディソン・バムガーナーの2.11)
現状でのポストシーズンの予想先発はクリストファー・サンチェス、レンジャー・スアレス、ヘスス・ルザルドの左腕3人。理想を言えば、3カ月の負傷から復帰した右腕アーロン・ノラが調子を上げ、起用できる状態にまで持っていきたい。
来年5月に36歳の誕生日を迎えるウィーラーは、現在の契約が終了する2027シーズン以降は投げないという意向を表明しているが、同時にサイ・ヤング賞とワールドシリーズの制覇を達成したいともコメント。今季は絶好のチャンスだっただけに、悔しい離脱となった。
しかし、一旦野球を脇に置いて考えれば、症状が早期に発見され、復帰できる見通しが立ったことが最大の朗報だ。
「野球は一生続く訳じゃない。人生全体の中で、プレーできる期間は短い。だからこそ、野球を終えた後に家族や子どもたちと人生を楽しめるよう、彼には完全に健康でいてほしい」とカイル・シュワーバーは語った。
