先発ウィーラー4被弾の乱調 フィリーズに蘇った悪夢の記憶

6:04 AM UTC

フィリーズ2−4ドジャース】ロサンゼルス/ドジャースタジアム 5月29日(日本時間30日)

フィリーズが、約8カ月ぶりにドジャースタジアムへ戻ってきた。前回この球場でプレーしたのは、昨年のナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)戦。

ビジタークラブハウスに足を踏み入れると、あの時の記憶が自然とよみがえる。ワールドシリーズ制覇を目指してスタートした2025年シーズンが、まさかの形で終わった現実を受け止めようと、多くの選手たちが肩を落としていた場所だからだ。

「去年はここで終わったからね」

指名打者のカイル・シュワーバーはそう振り返った。昨年10月、J.T.リアルミュートと涙ながらに抱き合ったのと同じ場所に立ちながら、こう続けた。

「ここに入ると、『またここに来たな』って思う。でも、それが野球なんだ。『あの時こうなっていたら』という思いはずっと残るし、夜眠れなくなることもある。でも、そういう悔しさがあるからこそ、また戻ってきたくなるんだ」

しかし、フィリーズにとってドジャースタジアムでの再スタートは、またしてもほろ苦いものとなった。

先発のザック・ウィーラーが自己ワーストタイとなる4本塁打を浴びる誤算。打線も六回まで無安打に封じられ、ドジャースに敗退。

昨秋の悪夢を振り払うには、あまりにも厳しい一夜となった。

ウィーラーはこの試合まで、直近6先発で37回2/3を投げ、被本塁打はわずか1本。チームもその6試合で6戦全勝していた。

「少しタイミングがずれていて、いつものキレがなかった。いくつかの球が思った場所に行かなかったし、特にこういう打線相手だとそれが致命的になる」とウィーラーは振り返った。

初回にフレディ・フリーマン、二回にマックス・マンシー、三回に大谷翔平、そして五回にウィル・スミスと、4本の本塁打を浴びた。ただし本塁打以外は、大谷の単打1本のみ。三振4、与四球1と大きく崩れたわけではなかった。

球速は全体的に上がっており、空振りは11回、見逃しストライクも17を記録していた。それでも、わずかな失投をすべて本塁打にされた。

「失投をものにしただけだと思う。全体としては(ウィーラーは)そこまで悪い内容じゃない。走者はほとんど出していないし」とマンシーは語った。

一方、フィリーズ打線はドジャース先発のジャスティン・ロブレスキーの前に苦戦を強いられた。

五回まで安打はゼロ。唯一の出塁は、右翼手カイル・タッカーがトレイ・ターナーの平凡なフライを落球したことによるものだった。そして六回、カイル・シュワーバーがセンターへのソロ本塁打を放ち、ようやくこの試合初の安打が生まれた。

シュワーバーの一発は今季メジャー単独トップとなる22号本塁打は、結果的にはフィリーズにとって、左腕ロブレスキーから放った唯一の安打となった。ロブレスキーは7イニングを投げ抜き、許した安打はこの1本だけだった。

フィリーズは今季、左腕先発と17試合で対戦。相手投手陣は合計防御率2.04と好成績を残している。フィリーズはその17試合で2点以上を奪えたのはわずか2試合にとどまり、成績は4勝13敗と苦戦が続く。

「打線自体は悪くないと思っている。結果は出ていないけど、チームとしての信頼は変わらない。まだ試合数も多いし、やるべきことはたくさんある」とシュワーバーは語る。

今季のフィリーズ打線はOPS.677でリーグ28位。昨季は.759で4位だったことを考えると、大きな落差がある。

ただし、この数字には開幕からの9勝19敗という不振が影響しており、それが監督交代にもつながった。その後、ドン・マッティングリー体制では20勝9敗と持ち直しているものの、その期間でも打率.233、OPS.697にとどまっている。

「塁に出る方法を見つけて、ホームランだけに頼らず得点していきたい。ただ直近20試合くらいを見ると、勝ち方自体は見つかった。それを続けていくことが大事だ」とシュワーバーはそう続けた。

 ドジャースとの初戦は、こういう展開の試合をどう勝ち切るかという課題を改めて浮き彫りにした。

 今季のフィリーズは、打ち合いで押し切るタイプのチームではない。先発の支配力と少ないチャンスをものにする一打が軸になる。しかし、初戦はどちらも噛み合わず。

 チームはすでにロブレスキーとの再戦を見据えている。

「たぶんまた対戦することになる。その時にどう対応するかだね」と指揮官はまとめた。