「俺たちはヤンキースだ。毎年、世界一を狙わなければならない」
ヤンキースの主将アーロン・ジャッジ外野手が、球団に対して大型補強も辞さない姿勢を求めた。一方で、アーロン・ブーン監督の続投も望んでいる。
右ふくらはぎの負傷を抱えたジャッジは、出場を目指して懸命に調整を続けてきた。しかし、慎重な姿勢を崩さない球団側とのせめぎ合いは最後まで続き、ポストシーズンは全5試合をベンチから見守り、シーズンは終了した。
敗退後、ハル・スタインブレナー共同オーナー兼球団運営責任者とブライアン・キャッシュマンGMに対し、来季以降、同じ結果を繰り返さないための抜本的な取り組みを求めた。
「俺たちはヤンキースだ。球団には、本気で勝ちにいくために必要なことをやってほしい。チームに足りないものがあるなら、必要な選手を獲得するなり、人材を補強するなり、とにかく動かなければならない」
自身がヤンキースと再契約した理由について、「自分がヤンキースに戻ってきたのは、毎年優勝を目指して戦うためだ。毎オフ、チームとこの街のために持てる力をすべて出せるよう準備している。だから、球団にも同じ姿勢を求めたい」とした。
さらに球団の姿勢に対して、「毎年、全員をトレードで獲得して、全員と契約してほしいと思うのが本音だ。でも、それが現実的じゃないことは分かっている。球団は毎年、勝てるチームをつくってくれている。ただ、ニューヨークではそれだけじゃ足りない。毎年、世界一を目指して、本気で勝ちにいかなければならない。球団がこのオフにどう動くのか、楽しみにしている」とまとめた。
主力のFAにGMの契約満了 球団は決断のオフへ
ヤンキースは今オフ、チーム編成の面でも重要な局面を迎える。二塁手ジャズ・チザムJr.、外野手トレント・グリシャム、抑えのデービッド・ベドナーらがFAとなる見込みだ。キャッシュマンGMも今オフに契約満了を迎える。一方、ブーン監督との契約は2025年2月に結んだ延長契約があと1年残っている。
ブーン監督の去就については、地区シリーズ第3戦を前にキャッシュマンGMがFOXスポーツとニューヨーク・ポストの取材に応じ、「彼は本当に優れた監督だと思う」と評価。「われわれが今の位置にいるのには理由がある。さまざまな要因があるが、彼もその一つだ」と語った。
しかし、試合終了後には監督交代を求めるファンの声も上がった。グリシャムが三振に倒れ、ヤンキースのシーズンが終わると、スタンドからは指揮官の交代を求めるチャントが響いた。
自身の去就や今後の見通しについて問われたブーン監督は、「そうした話は、また別の日にすることになる」と述べるにとどめた。
93勝を挙げても届かなかった世界一
ブーン監督は、就任9年目のシーズンで93勝を挙げ、レギュラーシーズン通算成績は790勝565敗、勝率5割8分3厘となった。それでも、就任当初から目標に掲げてきたワールドシリーズ制覇には届かなかった。
2024年はア・リーグを制してワールドシリーズに進出もドジャースに1勝4敗で敗れた。
今季の敗退について、ブーン監督は「毎年、状況は違う。チームの顔ぶれも、シーズンに臨む状態も、戦い方も変わる。今回のシリーズで言えば、第2戦はミスのない試合ができなかった。ただ、結局は打線が振るわず、十分な得点を挙げられなかった。それでは勝ち上がれないし、シリーズを続けることもできない」と分析した。
若手右腕は監督を擁護「選手全員が信頼している」
一方、右腕カム・シュリットラーはブーン監督を擁護。「素晴らしい監督だ」と評価し、チームの選手全員が指揮官を支持していると強調した。
「監督は選手を第一に考えてくれる。それはとても大切なことだ。チームや選手たちに本当によくしてくれているし、僕たちは監督を信頼している。監督のことも、その判断も、信頼できなかった日は一日もない。個人的にも良い関係を築けているし、これからも支持していく」
さらに、来季以降についても思いを口にした。
「これからも長くヤンキースでプレーしたいし、その間ずっと監督でいてほしい。チームの成績について監督が責任を問われることはあるかもしれない。でも、最後は選手である僕たちの責任だ。もっと良い結果を出さなければならない」
ジャッジも続投を支持 「監督は自分たちを支えてくれた」
ジャッジも、今季の結果に満足している選手はいないと語り、2027年はチームを「次のレベル」に引き上げると誓った。
その言葉からは、来季もブーン監督の下で戦うことを望んでいる様子がうかがえる。さらに自身が負傷で長期離脱した今季を振り返り、指揮官への感謝も口にした。
「今季は自分がけがで100試合を欠場するなかでも、監督はポストシーズンに進出を決め、ワールドシリーズ制覇を狙えるところまで持っていってくれた。監督は間違いなく、自分たちを支えてくれた」
球団には勝つためのさらなる補強を求めながら、現場を預かるブーン監督には信頼を寄せる。主将が求めるのは、ポストシーズンに進むだけのチームではない。毎年、世界一を本気で狙えるチームだ。その実現に向けて、ヤンキースが今オフにどのような補強と人事を進めるのか、注目が集まる。
