今井達也獲得はアストロズにとって序章か さらなるアジア進出を目指す

January 5th, 2026

ドジャースがここ数年で収めた日本人選手獲得による成功は、アストロズのオーナーであるジム・クレインも見過ごせなかった。2024年の大谷翔平獲得からドジャースはワールドシリーズを連覇し、2025年は山本由伸が大車輪の活躍でワールドシリーズMVPに輝いた。

過去8年間ポストシーズンに連続進出し、その内2度の世界一に輝いたアストロズは2025年、ついにポストシーズン進出を逃した。アストロズは、それまで日本人選手のFA市場に加わっていなかったが、今井達也と3年5400万ドル(約84億円)の契約を結んだ。今井はNPBから直接アストロズに移籍した最初の日本人選手となり、そしておそらく最後の選手ではない。

「さらに多くの才能を日本から獲得したい。間違いなくMLBレベルの才能が揃っている。育成に長けている」とクレイン球団オーナーは今井の入団会見で語った。

クレイン氏は昨夏、ダイキンコンフォートテクノロジーズの施設を視察すべく、日本を訪れた。同社は2024年11月にヒューストンにあるアストロズの本拠地球場と15年間の命名権契約を締結。クレイン氏が保有する輸送・貨物会社であるクレインワールドワイドロジスティクスは、日本を含む世界中にオフィスを構えている。ヒューストンへ戻ったクレイン氏は、環太平洋地域におけるスカウティング活動の強化を決意した。

「彼らと会い、日本各地を案内してもらった時、本当に目が覚めた。日本には何度も来ているし、40年間もオフィスを構えていて、市場を熟知している。私たちは本来あるべきほど集中して取り組んでいなかった。何人かの人材が日本に出入りしていたが、才能を見抜き、その先頭に立つという仕事が十分にできていないと感じていた。そこで、全力で取り組んだ。帰国後、『これらのポジション全て(環太平洋地域のスカウティング部門)で人材を採用する』と宣言した。幸いにも施設があったから、すぐに仕事に取り掛かることができた」

夏にかけて、アストロズは東京、台湾、韓国においてスカウトを雇い、クレイン氏のオフィスに拠点を置いた。アストロズの目標は、アジアの才能ある選手を発掘し、契約する上で大きな役割を担うことであり、今井との契約はまさにその動きを示している。今井は、松井稼頭央、青木宣親、菊地雄星(2024年夏にトレードで獲得)に続き、アストロズでプレーする4人目の日本人選手となる。

「ドジャースが先導してくれたし、私も国際的な会社を持っているので、すぐに体制を整えて、選手たちに私たちのシステムの中で仕事やコミュニケーションの場を提供するのはとても簡単だった。アジアでは迅速に活動し、引き続き注力して、現地の才能ある選手を全員評価していく。そうすれば、もっと多くの選手をこちらに呼び寄せ、チームを強化できるだろう」

「アジア市場は目を見張るものがある。そこから出てくる選手の中には、ここにいる選手たちと同等かそれ以上の選手もいる。大谷選手の活躍が見られるまでは、この市場は未開拓だった。多くの人が注目していると思うが、今後は特に注力していく」

今井との契約は、アストロズとダイキンのパートナーシップにとっても重要な意味を持つ。ダイキンの井上隆之CEOは、今井の入団会見を最前列で見届けていた。アストロズとダイキンの契約は2039年シーズンまで有効でネーミングライツやその他のパートナーシップ特典が含まれている。

「彼らは球団のパートナーであり、豊富なリソースを持っているので、日本での私たちの大きな助けになると思う。私たちは彼らに頼るつもりだし、彼らはここで私たちと長期契約を結んでくれて本当に感謝している。彼らにはチームの一員になってほしいと思っている」

菊池のアストロズでの成功は、今井と両投手の代理人であるスコット・ボラス氏の注目を集めた。菊地は2024年夏にトレード加入し、10度の先発登板で60イニングを投げ、5勝1敗、防御率2.70、WHIP0.93という成績を収めた。その活躍もあり、シーズン終了後にエンゼルスと3年総額6300万ドル(約98億円)の契約を結んだ。

アストロズはこれが日本からの成功への道の始まりに過ぎないことを期待している。

「菊池の獲得は、コミュニティの内外を問わず、素晴らしい経験となった。関係者全員が達也に、この経験、そして菊池がここで過ごした快適さ、スタッフからのサポート、そして彼がここに来て選手として成長し、球場で素晴らしい投球を見せてくれたことなど、全てを伝える機会を得た。ヒューストンと達也の活躍が楽しみだ」と代理人のボラス氏は語った。