トレードか若手育成か、エンゼルスは外野をどう整理する?

November 17th, 2025

エンゼルスには外野の層がある程度そろっており、特にテイラー・ウォードとジョー・アデルが攻撃面でブレイクしたことで厚みが増した。しかし今季、スーパースターのマイク・トラウトが中堅から外れたことで、主力級のセンターが不在となっている。

ブライス・ティオドシオは、中堅で出場した50試合においてOAA+10(Outs Above Average=平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す守備指標)というエリート級の数字を記録した一方、150打席で打率.203、出塁率.248、長打率.304、1本塁打にとどまった。26歳という年齢を考えれば今後の成長は見込めるものの、打席の31.3%で三振しており、現時点では中堅のレギュラーを任せる段階には至っていない。

そのためエンゼルスは、トラウト、ウォード、アデル、ホルヘ・ソレアが名を連ねる外野陣に、このオフシーズン、中堅手を新たに加える可能性を探っている。トラウトが中堅に戻ることはない。実際、昨年は右翼へ回ったうえに、4月下旬には手術歴のある左膝を骨挫傷し、1カ月離脱。その後はシーズン終了までDHに固定されていた。

ソレアは想定以上に右翼での出場を強いられ、そのことがシーズン後半に背中の問題を抱えた一因だったとみられている。実際に2度負傷者リスト入りし、シーズン最後の60試合を欠場した。

エンゼルスは、契約最終年の2026年に1600万ドル(約26億4000万円)を受け取る予定のソレアを放出する選択肢も検討できる。ただし、2025年に成績を落としたこともあり、年俸の大半を負担しない限り、大きな見返りは望めないだろう。ソレアは82試合で打率.215、出塁率.293、長打率.387、12本塁打、34打点にとどまり、ベースボールリファレンス版のWARではマイナス0.5を記録した。

とはいえソレアには、契約最終年に結果を残してきた実績もある。2021年にブレーブスでワールドシリーズMVPを受賞し、2023年にはマーリンズでキャリア初のオールスターに選出された。

しかし大きな焦点は、エンゼルスがウォードかアデルのいずれかをトレードに出す意思があるかどうかだ。トラウトは、2030年までの契約とトレード拒否条項があるため、移籍する可能性は低い。一方ウォードは、これまでトレードの関心を多く集めてきたうえ、来季が球団保有権の最終年となる。アデルは2027年シーズン終了後にフリーエージェントとなる予定だ。

ウォードとアデルはいずれも魅力的な長打力を備えている。ウォードは157試合で本塁打36本、103打点を記録し、アデルも152試合で本塁打37本、98打点をマークした。ウォードはチームのレギュラー左翼手として地位を固めており、アデルは昨季は中堅でスタートしたものの、ティオドシオが中堅のレギュラーになると右翼へ戻った。

アデルに再び中堅を任せる可能性もあるが、守備指標によれば中堅での数値はOAAマイナス8と平均を下回っており、本人も右翼の方がしっくりきているように見える。ただし打撃成績は両ポジションでほぼ同じだった。中堅では86試合で打率.236、出塁率.294、長打率.475、右翼では65試合で打率.231、出塁率.289、長打率.484という数字を残している。

もしエンゼルスがどちらか一方を放出するなら、フリーエージェントかトレードで「本職の中堅手」を獲得する可能性が高い。左打ちのトレント・グリシャムは、候補の中でも特にフィットしそうな存在だ。一方でコディ・ベリンジャーは契約規模が大きくなりすぎると見込まれている。グリシャムもまた、多くの球団から関心を集めると予想されている。

そのほかでは、セドリック・マリンズもフリーエージェントで、オリオールズとメッツでやや不本意なシーズンを送ったものの、左打ちの外野手だ。遊撃手ザック・ネトと同じくキャンベル大学出身で、過去には安定した成績を残してきたことから、エンゼルスにとっては予算面でもより現実的なターゲットとなり得る。ハリソン・ベイダーも選択肢の一人だが、右打ちであり、近年のオフシーズンでエンゼルスが強い関心を示してきたわけではない。

球団内にはカイレン・パリスという選択肢も残っている。ただし、シーズン序盤の好調のあと失速しており、自身の体格にあった新たなスイングメカニクスを見つけなければならない。彼はアーロン・ジャッジのスイングを手本にしているが、6フィート7インチ(約201センチ)のジャッジは、5フィート11インチ(約180センチ)のパリスよりも明らかに広いゾーンをカバーできている。

エンゼルスには、MLBパイプラインで球団内7位プロスペクト(有望株)にランクされているネルソン・ラダもいる。19歳ながらすでに3Aソルトレイクに到達しており、将来の中堅手兼リードオフマンとして期待されている。スプリングトレーニングで実力を示すチャンスを与えられる見込みだ。

若手を積極的に引き上げるエンゼルスの傾向を踏まえれば、ラダについては何が起きてもおかしくない。2026年のどこかの時点で、メジャーの舞台でプレーする可能性は十分にありそうだ。