ホワイトソックスは先発ローテーションを強化のため、左腕アンソニー・ケイと2年総額1200万ドル(約18億円)で契約し、どこかで見覚えのある道を再び選んだ。球団はまだこの契約を正式には発表していないが、関係者がMLB.comのマーク・ファインサンド記者に認めている。
30歳のケイは過去2シーズンを日本の横浜DeNAベイスターズで過ごし、2025年は155回を投げて防御率1.74、130三振、41四球だった。ホワイトソックスは2024年シーズン開幕前のオフにも、韓国NCダイノスでの好投によってキャリアを立て直したエリック・フェデと2年総額1500万ドル(約23億円)の契約を結んでいる。
フェデは2024年シーズンにホワイトソックスで21試合に先発し、7勝4敗、防御率3.11の成績を残した後、トレード期限に行われた三角トレードでカージナルスへ移籍した。見返りとして、ホワイトソックスはミゲル・バルガスと、マイナーリーガーのジェラル・ペレス、アレクサンダー・アルバートゥスを獲得した。
関係者はファインサンド記者に対し、ケイはNPBの球団からより好条件のオファーも届いていたが、左腕はMLB復帰を選んだと語った。
ニューヨーク州ストーニー・ブルック出身のケイは、コネティカット大学から2016年MLBドラフトでメッツに全体31位指名を受け、その後2019年にシメオン・ウッズ・リチャードソンとともにマーカス・ストローマンとのトレードでトロントへ移籍した。2019〜23年はブルージェイズ、カブス、メッツでプレーし、防御率5.59を記録。アスレチックス傘下にも短期間在籍したが、メジャー40人枠から外されてマイナー行きを通告された際にフリーエージェントとなり、2024年1月に横浜と契約した。
ケイが投げていた日本のセ・リーグは、KBO(韓国プロ野球)よりもレベルが高いとみなされている。ケイのホワイトソックスとの契約は、2026年と27年に年俸500万ドル(約7億8000万円)が支払われ、28年には1000万ドル(約15億6000万円)の相互オプションと200万ドル(約3億1200万円)のバイアウトが設定されていると、関係者がファインサンド記者に語っている。
シカゴにはすでに若く力のある先発ローテーションがあり、オールスターのシェーン・スミスに加え、デービス・マーティン、ショーン・バーク、ジョナサン・キャノンが名を連ねている。2025年の働きを踏まえれば、これらの投手は来季、さらに多くのイニングを任されることが期待されている。トミー・ジョン手術からの復帰が完了すれば、ドリュー・ソープも26年に戦列へ戻る見込みだ。
MLBパイプラインによる評価では、左腕ノア・シュルツはホワイトソックスのプロスペクト2位で全体40位、同じく左腕のヘイゲン・スミスは球団内5位で全体88位に位置しており、2026年のどこかの段階でローテーションに加わると見込まれている。一方で、マルティン・ペレス、エイドリアン・ハウザー、アーロン・シバーレらベテランが担っていた重要なイニングは失われており、その空白を埋めるうえでケイは大きな伸びしろを秘めた補強になる。
ホワイトソックスは、先発投手をもう1人ローテーション争いに加えると同時に、試合終盤の重要な局面を任せられる救援投手も1〜2人補強すると見られている。

