アスレチックスの有望株・森井翔太郎、投打&二塁手の三刀流デビュー

May 12th, 2026

2017年12月に大谷翔平がエンゼルスと契約したときのように、世界的な話題性とゲームチェンジャー性を持つ国際契約選手はそう何度も現れるものではない。しかしアスレチックスは、二刀流の原石「森井翔太郎」と共に「ショータイム」を生み出そうとしている。

森井は2025年1月に18歳でアスレチックスと契約し、契約金は約150万ドル(約2億2,000万円)。これまでの実戦出場は、昨夏のルーキー級アリゾナ・コンプレックスリーグでのデビューと、今季序盤に軽いハムストリングの負傷から復帰する過程で短期間プレーしたACLでの打撃出場のみとなっている。

そして、きょう新たな軌跡を描く。

森井はシングルAに昇格し、ストックトン・ポーツでフルシーズンデビューを迎える予定だ。投打両方での本格出場に加え、二刀流の先輩、大谷がほとんど行っていない“守備”にも就く見込みだ。

大谷はエンゼルス時代の2021年以降は外野守備には就いていない。一方、森井は投手と二塁手としてプレー時間を分ける予定になっている。

もともと森井は遊撃手として契約し、2025年には23試合で遊撃を守っていた。遊撃での高い能力はあるものの、投手としての腕への負担を考慮し、できるだけ長く二刀流を続けられるように右側(内野の二塁)へコンバートする判断が下された。

アスレチックスのファームディレクター、エド・スプラーグは次のように語る。

「彼は非常に難しいことに挑戦している。打撃の方が投球よりも先行しているが、強い肩を持っていて両方に取り組む意志も強い。もし片方だけに専念するなら遊撃でもしばらくやれたと思うが、われわれとしても彼としても、負担を軽くするために二塁が最適だと判断した」

現在の計画は流動的で、森井の二刀流への適応を見ながら調整される予定だが、基本的には週3〜4回、(登板しない日は)二塁手もしくは指名打者での出場となる。

ストックトンでのデビュー戦は12日(日本時間13日)は指名打者として出場し、その後、16日は二塁手、17日には再び指名打者として起用される予定だ。

14日(日本時間15日)には投手デビューを迎える予定で、まずは1イニング限定の先発登板となる。球団は段階的にスタミナをつけさせる方針で、基本的には毎週木曜日に登板し、徐々に最大3イニングまで投球回数を伸ばしていく計画だ。登板翌日の金曜日は回復のための完全休養日とされ、翌々日の土曜日にはサイドスローなどの軽めの投球練習を行う予定となっている。

打者としては、すでにスムーズなスイングを見せている。粗さはあるものの、バットコントロールの感覚が良く、パワーの伸びしろも感じさせると評価されている。

スカウトの評価では、マウンド上では「高校上位クラスの投手に近い原石」とされ、最速は約94マイル(約151キロ)程度の速球がベースになっている。現時点で最も完成度が高いのがスプリットで、カーブとスライダーの精度を高めている最中だ。さらに、内野手として評価されるほどの高い運動能力が、投球フォームの再現性にも良い影響を与えており、安定してストライクを投げ込む助けになっていると見られている。

森井は、NPBからメジャーにきた大谷とは異なり、「マイナーリーグでのプレー」をこれから積んでいく。もちろん、メジャーリーグの舞台で二刀流として結果を出すことと、Aクラスのマイナーでプレーすることの間には大きな隔たりがあるが、それでも森井とアスレチックスは、この挑戦を成立させるための取り組みを続けていく方針だ。

スプラーグ・ファームディレクターは、「彼はプロ入りのスタート時に軽いケガに悩まされてきた。そのため、投手としてもポジションプレーヤーとしても段階的に無理なく進めていくつもりだ。彼のプレーを見るのが楽しみ」と話す。