若手躍動、アストロズに敵地で4連勝は球団初

カーツ、ウィルソン不在も若き投手陣が無失点リレー

July 27th, 2025

アストロズ1-7アスレチックス】ヒューストン/ダイキン・パーク、7月27日(日本時間28日)

ニック・カーツとジェイコブ・ウィルソンが不在でも問題ない。ア・リーグ新人王の最有力候補とされる2人を先発から欠いても、アスレチックスの勢いは止まらなかった。アストロズに7-1で勝利し、敵地での4連戦でスイープを達成した。

カーツの歴史的な活躍が目立った4連戦は、アスレチックスが球団史上初となるヒューストンでの4連勝を達成した記念すべきカードに。今回がヒューストンでの通算7度目の4連戦で、3連勝を含めたスイープ自体も10年ぶりである。

「ここは本当に難しい場所だ」と語ったのは、この日指名打者として出場し、初回に3試合連続本塁打となるソロ弾を放ったシェイ・ランゲリアーズ。「いつも観客が盛り上がっているし、アストロズはずっと強いチーム。そんな場所で4つ勝てたのは本当に特別なことだ」

確かにアストロズは現在、18人もの選手が負傷者リスト入りしており、チーム状況は厳しい。それでも今季の大半をア・リーグ西地区首位として過ごし、このシリーズも4連勝で迎えていた。

また、今回のスイープは、マーク・コッツェイが2022年に監督に就任して以降、アスレチックスにとって初の4連戦スイープでもある。

「この地でスイープを達成できたことが、チームの実力を物語っている。オールスター明けから1勝5敗という状況でここへ来たが、結果的にロードでの勝率を5割で終えられたのは大きい。選手たちは毎日勝利を目指して準備し、前進しようと努力している。首位チーム相手にスイープできたことは、我々が正しい方向に進んでいる証拠だ」とコッツェイ監督は語った。

この日の勝利は、アスレチックスの若いタレントはカーツとウィルソンだけではないと証明する一戦となった。

マウンドでは2人のルーキーがチームを引っ張った。J.T.ギンが6回無失点と好投し、続く球団5位有望株のジャック・パーキンスも2イニングを無失点でつないだ。

「2人とも先発タイプの投手だ。ギンにはローテーション入りのチャンスがあるし、パーキンスも状況によっては先発に加わる可能性がある。ただ今の役割でも素晴らしい働きをしているし、登板時には大きな信頼を置いている」とコッツェイ監督は語った。

打線は11安打を記録。ラングリアーズの今季17号に加え、初めて1番打者として起用されたミゲル・アンドゥハーが初回に右翼へ4号ソロを放った。さらに球団3位有望株のコルビー・トーマスが四回に適時二塁打を放ち、キャリア初打点を記録した。

この日の最も華やかなプレーは、センターのローレンス・バトラーによるものだった。六回1死二塁の場面で、ホセ・アルトゥーベの鋭いライナーに対して約23メートルをスプリントし、そのままダイビングキャッチ。

スタットキャストによれば、捕球確率20%という「5つ星キャッチ」に分類されるスーパーキャッチで得点を阻止。ギンがその後、クリスチャン・ウォーカーを三振に仕留めてイニングを締めくくった。

「ローレンスはセンターとして大きな成長を遂げている。打球への反応、初動、そしてルート取りが格段に良くなった。相手の勢いを断ち切る大きなプレーだった」とコッツェイ監督は称賛した。

46勝62敗となったアスレチックスは、「プレーオフ争いをかき乱すチーム」という位置にあまり関心はない。プレーオフを狙う強豪相手との後半戦を、若いチームにとって貴重な成長の場と位置付けている。次カードは本拠地に戻り、ア・リーグ西地区2位につける好調マリナーズとの3連戦に臨む。

「地区首位のチームから4勝できたのは本当に大きい。うちがどういうチームかを示すものだ。常に全力で戦うし、この勢いのままサクラメントに戻るよ」とバトラーは語った。