【プールC】投手戦を制する吉田の一振り、日本は3連勝

March 8th, 2026

日本4-3オーストラリア】東京/東京ドーム、3月8日

野球史に残る大番狂わせまで、残り7アウトだった。しかし、オーストラリア投手陣の素晴らしい継投は、たった一つのミスと吉田正尚の一振りによって崩され、日本が4-3で勝利を収めた。

チャイニーズ・タイペイが韓国を破ったことで、すでに準々決勝進出を決めていた日本に対し、オーストラリアはこの日勝利することで、準々決勝進出を決められる状況だった。

オーストラリア投手陣の素晴らしいスタートを切ったのは、先発コナー・マクドナルド。元々はアストロズの野手プロスペクトだったが、わずか3年前に投手へ転向。登板経験はオーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)のみ。しかし、家族がスタンドで見守る中、マクドナルドは3回を無失点。最初の2試合で21得点を挙げていた強力な侍ジャパン打線を封じ込めた。

「コナーを本当に誇りに思う。今夜は大きな役割を担ってくれた。彼がどれだけ努力してきたか、そしてこの瞬間に向けてABLでどれだけ準備してきたかを示している。今日は本当に、これ以上ないほど大きな舞台だったし、その中であの投球を発揮できるのは、積み重ねた努力の証だ」とデーブ・ニルソン監督は絶賛した。

マクドナルドは、日本の先発・菅野智之に引けを取らない投球を見せた。菅野は2013年から2024年まで本拠地としていた東京ドームで4回無失点。マクドナルドも球場の雰囲気や歓声に飲まれることはなかった。

その後はオーストラリアのブルペンが番狂わせを完成させようと奮闘した。四回には見事な守備も飛び出す。二死満塁で打席には大谷翔平という場面だった。カウント2-1からの球がストライクとなった直後、捕手ロビー・パーキンスが二塁へ鋭い送球。遊撃手ジャリッド・デールが滑り込みながら捕球し、飛び出していた牧秀悟をタッチアウトにした。これでイニング終了となり、試合は0-0のまま保たれた。

投手戦が続き緊張感が高まる中、六回表にオーストラリアが試合を動かした。ツインズとエンゼルスでメジャー通算8試合に出場したアーロン・ホワイトフィールドが俊足を生かし三盗を成功させた後、捕手・若月健矢の送球が乱れると、そのまま本塁へ突入して先制した。

しかし、大番狂わせの夢はその直後に消えていった。

七回、併殺でイニング終了となるはずだった場面で、リリーフのジョン・ケネディが一塁からの返球を取り損ね、2死一塁に。この隙を見逃さなかったのが、吉田だ。低めのボールを完璧に捉えた2ランで、すぐさま逆転に成功した。

野球という競技は、美しくも時に残酷だ。2日前のチェコ戦では、チェコの一塁手マルティン・ムジークが併殺完成となる一塁送球を捕れず、オーストラリアが逆転のチャンスを得ていた。

八回、日本は代打・佐藤輝明の二塁打と、鈴木誠也の押し出し四球で2点を追加。この追加点は大きかった。九回、オーストラリアはアレックス・ホールとリクソン・ウィングローブが守護神・大勢からそれぞれソロを放ち、1点差まで詰め寄ったが、反撃はそこまでだった。

侍ジャパンはすでに準々決勝進出を決めていたが、この試合には特別な意味があった。天皇陛下(徳仁天皇)が試合を観戦されていたからだ。在位中の天皇がプロ野球の試合を観戦される「天覧試合」は約60年ぶり。前回は1966年で、その試合では読売ジャイアンツのレジェンド・長嶋茂雄氏が本塁打を放っている。

オーストラリアは9日に韓国と対戦する。先発は、昨季KBOで4試合に先発し、今季はLGツインズでプレー予定のラクラン・ウェルズが務める見込みだ。なお、敗れても準々決勝進出の可能性は残されている。その場合、オーストラリア、韓国、チャイニーズ・タイペイの3チームが並び、失点率(失点÷守備アウト数)が最も低いチームが2位として突破する。

もっとも、チームとしては計算に運命を委ねるつもりはない。

「もちろん計算はあるが、私たちはただ勝つためにプレーするだけだ。言った通り、野手も投手も健康だ。だから今夜と何も変わらない。相手が別のチームになるだけで、それだけのことだ」とニルソン監督は語った。

日本は休養日を挟み、プール最終日にチェコと対戦する。チェコはすでに敗退が決まっており、次回のワールドベースボールクラシック出場には予選を戦う必要がある。