ビシェット、メッツと3年総額1億2,600万ドル(約199億円)で合意(情報筋)

January 16th, 2026

想定よりも少し遅れたが、煙が上がった。

関係者によると、メッツは内野手ボー・ビシェットと、3年総額1億2,600万ドル(199億円)の契約に合意したと、MLB.comのマーク・ファインサンド記者が伝えている。球団からの正式発表はまだない。MLBネットワークのインサイダー、ジョン・ヘイマン記者によれば、この契約には2度のオプトアウト条項が含まれており、メディカルチェックを残しているという。

ビシェットとの合意が報じられたのは、メッツのオーナー、スティーブ・コーエン氏が「煙が見えたら教えてくれ」と投稿してから約18時間後のこと。この投稿は、カイル・タッカーの決断を見越したもので、タッカーは15日深夜にドジャースと4年総額2億4,000万ドル(約380億円)で合意したと報じられている。

ファインサンド記者によれば、メッツはタッカーに対し、4年総額2億2,000万ドル(約348億円)のオファーを提示していたという。

タッカー獲得を逃したメッツは、すぐにビシェットへと舵を切った。報道によると、ビシェットは遊撃手から三塁手へのコンバートが見込まれている。ただし、来季の一塁手として想定されているホルヘ・ポランコが一塁守備の経験がないのと同様、ビシェットも三塁での実戦経験はない。

現在、三塁を務めるブレット・ベイティは、今季は130試合に出場し、自己最多の18本塁打、50打点を記録した。ただし、右脇腹の負傷により、レギュラーシーズン最終週を欠場している。

昨季開幕前、ビシェット、そしてブルージェイズの最大の問いは、2025年が巻き返しの年になるのか、それともア・リーグ東地区最下位に沈んだ状況が続くのか、という点だった。

負傷と不振に苦しんだ2024年シーズンを経て、ビシェットは完全復活。2021~23年の3シーズンでア・リーグ最多安打を記録した、主軸打者としての姿を取り戻した。一方のブルージェイズもア・リーグ東地区を制し、ワールドシリーズまであと1勝に迫るところまで勝ち進んだ。

シーズン終了後、トロントはビシェットにクオリファイング・オファー(QO)を提示したが、ビシェットはこれを辞退。ビシェットが他球団と正式に契約した場合、ブルージェイズは2026年ドラフトの4巡目終了後の指名権を受け取ることになる。一方で、QOを拒否した選手と契約するメッツは、今夏のドラフト2巡目と5巡目の指名権を失い、さらに国際ボーナスプールから100万ドル(約1億5,800万円)を没収される。

ボー・ビシェットは、14年間にわたってメジャーでプレーした元外野手ダンテ・ビシェットを父に持ち、リーグ屈指の「アウトにしにくい打者」の一人だ。昨季は遊撃手として打率.311/出塁率.357/長打率.483を記録し、18本塁打、94打点をマーク。故障の影響でレギュラーシーズン最終月の大半を欠場したにもかかわらず、181安打はMLB最多にわずか4本差だった。

ビシェットは相手投手に粘り強く投げさせる、厄介なタイプの打者で、2025年は三振率14.5%で打者全体の上位14%に入り、空振り率18.4%でも上位17%にランクインした。さらに、
・期待打率:.307(99パーセンタイル)
・期待wOBA:.364(84パーセンタイル)
・ハードヒット率:48.8%(83パーセンタイル)
・スイートスポット率:37.9%(83パーセンタイル)
と、いずれも高水準の指標を残している。

ツーストライクに追い込まれると、スタンスを広げてレッグキックを抑え、スイングをよりコンパクトにするという徹底したアプローチに切り替える。結果として相手投手に多くの球数を投げさせ、2ストライクから何球もファウルで粘りながら、仕留められる球を待つ場面が多い。フィールド全体に打ち分けることができる、典型的なギャップ・トゥ・ギャップの打者だ。

昨年9月、ビシェットは本塁へのスライディングで左膝を負傷。レギュラーシーズンの残りとポストシーズン最初の2ラウンドを欠場した。それでも膝が万全ではない状態ながら、ドジャースとのワールドシリーズで戦列に復帰した。

走塁面では制約があったものの、打撃への影響はほとんど見られなかった。シリーズでは打率.348/出塁率.444/長打率.478をマークし、6打点を記録。その中には、第7戦で中堅バックスクリーンへ運んだ飛距離442フィートの3ラン本塁打も含まれている。