【ブレーブス4−2アストロズ】ヒューストン/ダイキンパーク、9月20日(日本時間21日)
ブレーブスのウォルト・ワイス監督(62)は選手たちに、開幕前の予想では今季のチームに高い評価が集まっていなかったと繰り返し伝えてきた。そんなチームが地区優勝を決める一戦で、開幕時には戦力として計算されていなかったマーティン・ペレス(35)が先発も象徴的だった。
ペレスは招待選手としてスプリングトレーニングに参加し、4月12日にはDFA(40人枠から外す措置)となった。20日(日本時間21日)、ダイキンパークで行われたアストロズ戦で先発し、ブレーブスの4-2の勝利に貢献。チームはナ・リーグ東地区優勝を決めた。シーズン序盤、ペレスが地区優勝決定試合の先発を務める展開を予想した人はほとんどいなかった。
試合後、ペレスは過去9年間で7度目となるブレーブスの地区優勝を仲間と祝った。粘り強い投球で試合をつなぎ、六回にはもう1人の伏兵、マイク・ヤストレムスキー(36)が決勝3ランを放った。
ペレスは「この瞬間を迎えるために、素晴らしい仲間やコーチたちと1年間ずっと戦ってきました。本当にすべてがうまくいっています。でも、まだ終わりではありません」と力を込めた。
ヤストレムスキーは4勝2敗で終えた今回の遠征で3本塁打を放った。地区優勝を決めたブレーブスは、レギュラーシーズン残り6試合をポストシーズンへ向けた準備に使える。
現時点でブレーブスはナ・リーグ第3シード。ワイルドカードシリーズの対戦相手候補はパドレス、カブス、同地区のライバルであるフィリーズとなっている。
ワイス監督は「まずポストシーズンに進出し、そこから全力で勝負する必要があります。この3連戦をすべて勝った中で、チームがさらに一段階上がったと強く感じました。この勢いを緩めず戦い続けなければなりません」と強調した。
開幕前の低評価を覆してきたチームを象徴するように、五回にはビクター・メデロス(25)が見事な火消しを務めた。ペレスが1死満塁で降板すると、メデロスはホセ・アルトゥーベ(36)を三振に仕留め、続くヤイネル・ディアス(27)を内野ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
メデロス自身も、今季最初の約3カ月をほぼ3Aで過ごしていた当時、こうした重要な場面を任されるとは想像していなかった。昨季までのメジャー登板は通算12試合。それでも経験不足を感じさせず、後半戦ではブルペンの重要な戦力となっている。
地区制が導入された1969年以降、ブレーブスとドジャースはともに24度の地区優勝でメジャー最多で並んでいる。
ブレーブスの中堅手マイケル・ハリス2世(25)は「本命視されない方がいい場合もあります。本命には大きな期待が伴いますから。自分たちは黙々と努力を続けてきました。そして今、目指していた位置まで来ることができました」と振り返った。
スプリングトレーニングを迎えた時点でも、ブレーブスに対する開幕前の評価は高くなかった。さらに先発投手のスペンサー・シュウェレンバック(26)、スペンサー・ストライダー(27)、ハーストン・ウォルドレップ(24)、ジョーイ・ウェンツ(28)が相次いで負傷し、懐疑的な見方は一段と強まった。加えて、左翼手またはDHとして起用される予定だったジュリクソン・プロファー(33)が開幕前、パフォーマンス向上薬に関する規定違反で自身2度目の出場停止処分を受けた。
ワイス監督は「そうした状況が何人かの選手にチャンスを生み、彼らはしっかり結果を残しました。代わりに出場した選手たちが、本当に素晴らしい物語をつくってくれました」と振り返った。
アトランタはシーズンを通して先発陣の層に不安を抱えていた。それでも、30試合に登板して防御率3.04を記録したペレスらの働きで乗り切った。さらにトレード期限前にはジャイアンツからタイラー・マーリー(31)を獲得。加入後8先発で防御率1.28と好投を続けている。
マーリーにとって、この日が自身初となる地区優勝の祝勝会だった。それだけに、シャンパンの味も格別だった。
エースのクリス・セール(37)は「ここまで来るために6カ月かかりました。だから、この瞬間を迎えるたびに立ち止まり、自分たちが今いる場所、そして誰と一緒に成し遂げたかをかみしめる必要があります。何度経験しても飽きることはありません」と喜びを語った。
防御率5.13でブレーブスに加入したマーリーが、ここまでの好投を続けるとは多くの人が予想していなかっただろう。その潜在能力を見抜いたアレックス・アンソポロス編成本部長(49)の判断も評価される。アンソポロス編成本部長は昨年11月にも、アストロズからマウリシオ・デュボン(32)を獲得する目立たないながら、重要な補強を行った。
デュボンの数字自体は派手ではない。それでも複数ポジションを守れる守備力に加え、クラブハウスでも大きな存在となり、チームに高い価値をもたらしている。この日も六回、ヤストレムスキーの決勝3ランに先立って二塁打を放った。
ブレーブスにはロナルド・アクーニャJr.(28)、マット・オルソン(32)、セールらスター選手がそろう。一方、ポストシーズンではAJ・スミス=ショーバー(23)のような予想外の選手が主役になる可能性もある。スミス=ショーバーは直近1カ月、先発では結果を残せていなかった。それでもこの日はフォーシームが最速100.5マイル(約162キロ)に達し、2回無失点、4三振と好投した。
ワイス監督も、アトランタで指揮を執る1年目にしてナ・リーグ最優秀監督賞の有力候補となっている。就任前は監督就任を本命視する声が圧倒的に多かったわけではないが、今季の戦いぶりを見れば、チームに適任だったと言えるだろう。
ワイス監督は「今季、最も大きな試練に直面した時こそ、チームは最高の力を発揮してきました。振り返れば、苦しい時期を迎えるたびに流れを変え、そこから最高の野球ができています。それが今では、このチームらしさの一部になったと思います」と語った。
