NLDSブレーブス vs ドジャース ポジション別徹底比較

October 2nd, 2026

ナ・リーグを代表する強豪同士が、今年もポストシーズンで激突する。ドジャースは今季で14年連続のポストシーズン進出。今世紀に入って3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げている。一方のブレーブスも、ナ・リーグ東地区を19度制し、ワイルドカード時代には2度の世界一を経験している。

両チームは過去に何度も顔を合わせてきた。2020年と21年には2年連続でNLCS(ナ・リーグ優勝決定シリーズ)で対戦し、今季もNLDS(ナ・リーグ地区シリーズ)で激突する。今季の直接対決はブレーブスが6試合中5勝と大きく勝ち越し。ドジャース打線をOPS.580に封じ込めている。

ブレーブスは、2年連続の世界一を狙うドジャースを止められるのか。ワイルドカードシリーズを戦わず、休養十分で臨めるドジャースも豊富な戦力を誇る。

ポジションごとに両チームを比較してみる。

捕手:ウィル・スミスvsドレイク・ボールドウィン

ドジャースのウィル・スミスは今季、首の負傷で約3カ月離脱したものの、復帰後21試合で打率.290、出塁率.400、長打率.548をマーク。2019年のメジャーデビュー以降、規定打席到達した捕手の中ではOPS.829がトップだ。

ただ、ブレーブスのドレイク・ボールドウィンを推す声があっても不思議ではない。新人王に輝いた昨季に続き、今季はオールスターに選出。打率.284、出塁率.358、長打率.459、25本塁打、21二塁打を記録した。ボールドウィンは捕手とDHをほぼ半々で務めており、ショーン・マーフィーは負傷に悩まされた。総合的に見ると、ここはスミスが一歩リード。

優勢:ドジャース

一塁手:マット・オルソン vs フレディ・フリーマン

今回はオルソンを推したい。ブレーブスの“鉄人”は41本塁打、34二塁打を放ち、守備でも相変わらず高いレベルを維持。ワイルドカードシリーズ突破を決めた試合でも好守を披露。後半戦はやや打撃成績を落としたものの、長打力は健在だ。

一方、36歳のフリーマンは終盤に右膝の状態が思わしくない。後半戦は長打力が大きく落ち、オールスター後の本塁打はわずか1本、二塁打も9本だった。それでも出塁能力は健在で、ポストシーズン79試合でOPS.853を記録するなど、大舞台での勝負強さも折り紙付きだ。

優勢:ブレーブス

二塁手:オジー・オルビーズvsトミー・エドマン

オジー・オルビーズは一発の怖さがある打者だ。フィリーズとのワイルドカードシリーズ第3戦でも、その長打力を発揮した。ただし、ここ数年は全体的な打撃成績が下降傾向にあり、今季の出塁率は.293にとどまった。

対するトミー・エドマンは、ドジャース加入後3年連続で100試合未満の出場となった。それでも84試合でOPS.714を記録している。

両者とも打撃成績は思わしくない。そこで決め手になるのが守備範囲。二塁だけでなく複数ポジションをこなせるエドマンの守備力を評価したい。ちなみにドジャースには、9回に同点本塁打を放つなど、なぜか大舞台で印象的な一打を見せるミゲル・ロハスも控えている。

優勢:ドジャース

遊撃手:キム・ハソンvsムーキー・ベッツ

キム・ハソンは負傷の影響で51試合、15安打に終わる苦しいシーズンとなった。そのためブレーブスはマウリシオ・デュボンを遊撃の主軸として起用。デュボンは平均的な打撃成績ながら、複数ポジションをこなす万能性を発揮した。一方、キムはポストシーズンで勝負強さを見せられれば、苦しいシーズンの印象を一気に変える可能性がある。ただ、ブレーブスの遊撃手陣は総合的な打撃力に欠ける。

ドジャースのムーキー・ベッツは、全盛期のような鋭い打球速度こそ影を潜めたが、後半戦は打撃の状態を取り戻し、打率.279、出塁率.357、長打率.492。速球を捉える打撃も復活した。

そして何より、かつて右翼守備の名手だったベッツが、キャリア後半に遊撃へ転向し、ここまで高いレベルで守っていること自体が驚異的だ。

優勢:ドジャース

三塁手:オースティン・ライリーvs マックス・マンシー

シーズンの印象をポストシーズンで覆す。ブレーブスのオースティン・ライリーは、その可能性をすでに示している。フィリーズとのワイルドカードシリーズ第1戦では、勝ち越し本塁打を放った。レギュラーシーズンではリーグ平均を20%下回るほど打撃不振に陥っていただけに、まさに大舞台での一発だった。

対するマックス・マンシーは、今季は3年連続で、リーグ平均を25%以上上回る打撃生産性を記録。30代半ばになっても、四球を選び、辛抱強く打席に立ち、バレル率の高さを維持している。

優勢:ドジャース

左翼手:レイン・トーマスvsテオスカー・ヘルナンデス

レイン・トーマスは左脇腹の張りで9月の大半とワイルドカードシリーズを欠場したが、復帰の可能性がある。戻れなければ、左翼はマウリシオ・デュボンとマイク・ヤストレムスキーの併用が続く。

ドジャースのテオスカー・ヘルナンデスは、2024年の加入1年目に見せた圧倒的な打撃成績には届かなかった。それでも9月は打率.341、出塁率.420、長打率.545と好調でシーズンを終えた。三振の多さと守備には不安が残るものの、持ち前のパワーは大きな武器。ドジャースではこれまで出場したポストシーズン7シリーズのうち6シリーズで本塁打を放っている。

優勢:ドジャース

中堅手:アンディ・パヘスvsマイケル・ハリス2世

アンディ・パヘスは昨年のポストシーズン、三振の多さから打線から外れる試合もあった。しかし今季は三振率を下げ、四球率をほぼ倍増。OPS.811、23本塁打、26二塁打を記録してオールスターにも選出された。守備力も向上。左手骨折で終盤に27試合を欠場した点は気になるところだ。

一方、マイケル・ハリス2世は、ピート・クロウ=アームストロングを除けば、今季最高クラスの中堅守備を見せた選手の一人。守備指標のアウト・アバブ・アベレージ(OAA)は+13でポジション3位。打撃でも打率.294、出塁率.321、長打率.491、26本塁打、36二塁打、12盗塁を記録した。フィリーズとのワイルドカードシリーズ第3戦でも3ランを放ち、チームを勢いに乗せている。

優勢:ブレーブス

右翼手:カイル・タッカー

ドジャース1年目のカイル・タッカーには、4年契約で年平均6000万ドル(約95億円)という大型契約に見合わない「期待外れ」という見方もある。OPS+はリーグ平均を3%下回り、守備指標も大きく悪化した。ただ、9月に何かをつかんだ可能性はある。9月は出塁率.354、6本塁打、3二塁打、1三塁打。タッカーらしい打撃が戻ってきた。

それでも、このポジションはブレーブスのロナルド・アクーニャJr.が上回る。2023年MVPの時のような爆発的な身体能力が、度重なる膝の負傷によって完全に戻っているとは言えない。それでもOPS+はリーグ平均を18%上回った。

さらにシーズン終盤に打撃フォームを変更すると、9月は打率.307、出塁率.347、長打率.602をマーク。状態は明らかに上向いている。

優勢:ブレーブス

DH:大谷翔平vsドミニク・スミス

大谷翔平にとっては、打率.275、出塁率.377、長打率.512、30本塁打、二塁打26本という成績でさえ「不本意なシーズン」と見られてしまう。9月には負傷の影響で投手としての登板を止め、IL入りも経験。それだけに、キャリア通算33ポストシーズン試合でOPS.940を記録する大谷が、ここから一気に状態を上げられるかが注目される。

ブレーブスは捕手を務めない試合ではボールドウィンがDHに入る。それ以外ではドミニク・スミスが起用される見込みだが、6月以降のOPSは.563にとどまっている。

優勢:ドジャース

先発投手

ドジャースは、すでに強力だった先発陣にサイ・ヤング賞2度受賞のタリック・スクーバルを加えた。昨年のワールドシリーズMVP、山本由伸に加え、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノーもいる。この先発陣は今季のポストシーズンでも最大級の戦力。能力を発揮すれば、2年連続世界一のドジャースを止めるのは容易ではない。

しかもスクーバルはドジャース移籍後、フォーシームの質がさらに向上している。相手にとっては厄介な材料だ。

対するブレーブスは、地区優勝チームの中で3番目の成績だったため、ワイルドカードシリーズ3試合を戦い、先発投手の選択肢も消費している。37歳のクリス・セールは素晴らしいシーズンを送り、殿堂入りへの評価をさらに高めた。ただ、ワイルドカード突破を決めた試合では救援登板。4月以降、5日未満の休養で先発した経験はない。タイラー・マーレはトレード期限後に大きく評価を上げ、グラント・ホームズも好投を続けた。ただ、健康な経験豊富な先発は、この3人が中心となる。

優勢:ドジャース

ブルペン

ここまで多くのポジションでドジャースに分がある一方、試合終盤のリードを守るという意味では、ブレーブスのブルペンが大きな武器となる。ドジャースでは、エドウィン・ディアスが加入1年目に苦戦し、終盤の九回はタナー・スコットが主に担った。さらにベテランのブレイク・トライネンが右肩の負傷でシーズン終了。ブルペンは不安要素の一つとなっている。

もっとも、強力な先発陣の存在はブルペンにも好影響を与えている。ドジャースの救援防御率はリーグ上位10位以内で、ブルペンの投球回数はMLBで3番目に少なかった。

一方のブレーブスは、ライセル・イグレシアス、ロベルト・スアレス、ディラン・リー、ディディア・フエンテスらを擁し、終盤の試合を短くできる。

ワイルドカードシリーズ第2戦ではリーとフエンテスが珍しく失点を許し、シリーズを長引かせた。それでも、シーズンを通じて見れば、アトランタがリーグ屈指の勝負どころに強い救援陣を持つことに変わりはない。

優勢:ブレーブス

予想

ドジャースは選手の平均年齢が高く、今季は得点力が落ち、一部の主力が負傷やコンディション面の問題を抱えるなど、これまでとは違う姿も見られた。ワールドシリーズ制覇の可能性を示す各種予想ではドジャースが大きく評価されているが、打線が冷え込んだり、ブルペンが崩れたりする可能性まで消えるわけではない。実際、今季の直接対決ではブレーブスがそれを証明している。

それでも最後にものを言うのは、ドジャースの先発陣か。

山本、スクーバル、スネル、グラスノーを擁するローテーションを考えれば、原文ではドジャースの4勝1敗ではなく、「ドジャースが4勝で勝ち抜け」と予想している。

予想:ドジャースが4試合で勝ち抜け