【プールB】イタリア圧巻!アルデゲリ好投でブラジルに完封勝利

March 7th, 2026

【ブラジル0-8イタリア】ヒューストン/ダイキンパーク、3月7日(日本時間8日)

ワールドベースボールクラシック(WBC)開幕戦で、イタリア代表がブラジルを8―0で圧倒した。セルベリ監督は大会前、「イタリアを野球の地図に載せたい」と目標を掲げていたが、選手たちがその期待に応えた。

先発したのは、イタリア生まれのメジャーリーガーとして約80年ぶりにメジャーの舞台に立ったサム・アルデゲリ。代表ユニフォームを初めてまとった24歳左腕は力強い投球で4回2/3を無失点、1安打、8三振でブラジル打線を封じた。

セルベリ監督は、アルデゲリへの期待の大きさをこう語った。

「みんな彼を誇りに思っている。イタリアで生まれ育ち、メジャーで投げる初めての投手だからね。かなり前から、この試合は彼に任せようと考えていたんだ」

2023年大会で準々決勝に進んだイタリアにとって、今大会の好スタートを切る大きな一戦。そのマウンドを任されたアルデゲリにとっても、特別な瞬間だった。

「ここ数日はあまり考えないようにしていた」とアルデゲリ。イタリア野球の期待を背負っての先発について、率直な心境を明かし、「でも今朝は、かなりプレッシャーを感じていた」と吐露した。

球場にイタリア国歌が流れた瞬間、感情が込み上げたという。

「体中に鳥肌が立った。本当にしびれる瞬間だったよ」

ブルペンでは投手コーチのアレッサンドロ・マエストリの隣にいた。マエストリはこれまで何度もこの舞台を経験してきた人物だ。

「いろんな思いが込み上げてきた。もちろん試合のことを考えようとしていたけど、ああいう瞬間は難しい。故郷のことや、これまでのことが頭の中を駆け巡るんだ。本当に特別な時間だった」

だが、最初の三振を奪うと落ち着きを取り戻し、「自分らしく投げろ」と言い聞かせると、その後さらに7つの三振を積み重ね、母国に誇れる投球を見せた。

序盤はブラジル先発のエンゾ・サワヤマに抑え込まれたが、六回にアストロズの外野手ザック・デゼンゾが適時打で先制。続くロイヤルズのジャック・カグリオーンの二塁打でリードを広げた。

終盤にはダンテ・ノリの2本塁打、さらにドミニク・キャンゾーンの右翼2階席まで飛ばす3ランで勝利を決定づけた。ノリは21歳151日での複数本塁打達成となり、WBC史上2番目の若さでのマルチ本塁打記録となった(1日前にはブラジルのルーカス・ラミレスがアメリカ戦で達成)。

投打がかみ合ったイタリアは、開幕戦から圧倒的な存在感を示した。

しかし、この快勝劇の立役者は、やはり先発のサム・アルデゲリだった。イタリア・べローナ出身で小さな町で育った24歳の左腕は、イタリア野球リーグでの経験を経て、2019年にフィリーズと国際フリー契約。2024年にはエンゼルスに移籍し、ついにメジャーの舞台に到達した。

2024年8月30日にメジャーデビューを果たしたアルデゲリは、1947年のヤンキースのルッジャー・アルディツォイア以来、75年ぶりのイタリア生まれのメジャーリーガー、史上8人目となるイタリア生まれの大リーガーでもある。MLBパイプラインによれば、2026年シーズン開幕時点でエンゼルスの17位の有望株にランクされている。

ブラジルはWBCプールBで0勝2敗。前日には米国代表と接戦の末に敗れ、2013年の初出場以来、WBC初勝利は依然としてお預けとなっている。ブラジルにとって今大会は、2013年大会以来となる2度目の本戦出場だ。

一方のイタリアは、プールBの本命とされるアメリカ代表、メキシコ代表と並び、初戦を白星で飾った。プール戦の残り2試合では、その両国との対戦が待っている。

アルデゲリが今思い描いているのは、目の前の強豪との戦いだけではない。

「イタリアの子どもたちが、このチームの試合を見てくれていたらうれしい。子どもたちにとって、きっと大きな希望になると思う。イタリアではまだ野球はそれほど盛んなスポーツじゃないけど、少しずつ広がってきている。僕がここで投げている姿を見て、希望を感じてくれたらうれしいね」