憧れの米国代表入り ブルワーズの25歳トゥラン「全力プレーを」

February 27th, 2026

「電話をもらった時は、本当にうれしかった」

ブルワーズの二塁手、ブライス・トゥランはワールドベースボールクラシック(WBC)の米国代表入りの知らせを受けた瞬間をそう振り返る。

見慣れない番号からの電話だった。

「いや、ドッキリじゃない。ちゃんと信じたよ」と笑う。

12月上旬に代表決定したものの、代表メンバーとのやりとりはグループチャットのみで、「正直、(代表選出は)実感はあるような、ないようなって感じかな。出場することは分かっているけど、集合場所で代表チームに合流して初めて『うわ、本当なんだ』ってなると思うんだ。本当にクールだし、すごく楽しみだよ」と野球少年のようなキラキラした表情でそう話す。

初めてWBCを意識したのは、2017年大会だった。米国とプエルトリコの決勝はドジャースタジアムで行われ、5万1565人の大観衆が詰めかけた。その試合は米国が8―0で快勝し、大会初優勝を飾った。

「決勝戦は釘付けになって見ていた。それまでも大会の存在は知っていたけれど、大きくなってから、本当の意味を理解した。本当にクールな大会だと思う」

25歳のトゥランは、野球エリートの血筋を受け継ぐ選手だ。父ブライアンさんは元マリナーズの選手で、母キャリーさんも大学時代にソフトボールでカレッジ・ワールドシリーズに出場した経験を持つ。

両親から野球の手ほどきを受けて育ち、早くから頭角を現した。15歳で米国代表としてワールドカップに出場し銀メダル、17歳では金メダルを獲得。高校3年時にブルワーズからドラフト指名を受け、23歳でメジャーデビューを果たすと、瞬く間に正二塁手の座をつかんだ。180センチ、86キロとやや小柄だが、打撃、守備、そして走塁の三拍子がバランスよく揃った選手だ。

2024年にはナ・リーグのゴールドグラブを受賞。昨季は打撃も向上し、打率.288、OPS.794、18本塁打、24盗塁をマーク。攻守にわたる活躍でブルワーズのプレーオフ進出に大きく貢献した。

そして今回は、初のフル代表として星条旗を胸にフィールドへ立つ。

「米国代表には、とても大きな意味がある。自分が愛し、大切に思っている国を代表するということだし、その国のために勝ちたいと強く思う。普段はそれぞれ好きなMLB球団を応援しているファンの人たちが、WBCでは一つのチームのために心を一つにして応援する。それがとても特別なんだ」と代表への思いを吐露する。

プレーだけでなく、米国代表の選手たちとの交流も大きな楽しみの一つだ。普段は異なるチームでプレーし、挨拶すら交わしたことのない選手も多い。

「素晴らしい選手たちから学べるのが楽しみ。特定の誰かというより、みんなから少しずつ吸収したい。もちろん、質問攻めにするつもりはないよ(笑)。どうやって試合に向けて準備しているのか、何が彼らを突き動かしているのか。試合前のルーティンや守備、打撃への向き合い方もそうだし、質問するだけでなく、観察して学ぶことも大切だと思っている。見て学べることはきっと多いはずだからね」

チームメートの経験を最大限に生かそうとする姿勢がうかがえる。

ブルワーズからはトゥランを含め14選手が、8カ国の代表としてWBCに出場する。レギュラー選手の多くがチームを離れることになるが、パット・マーフィ監督は動じない。

「選手たちの実力は信頼している。代表として国を背負い、その責任を果たして戻ってくる。自分の役割も理解しているはずだ」と話し、異なる環境での経験が成長につながると強調する。

「新しい環境に身を置くこと自体が学びだ。自国を代表する経験、異なるチームメートとプレーする経験、勝つために戦う経験はすべてプラスになる。さらに短期決戦を経験することで、後のプレーオフへの対応力が養われる。レギュラーシーズンとは違い、一つのミスが勝敗を左右する。その環境での経験は非常に貴重だ」

多くを学び、成長して戻ってきてほしいと願っている。

熱い思いを持つ一方で、トゥランは代表チームで自分を大きく見せようとすることも、気負う様子もない。

「チームが必要としていることをやるだけ。いつも通り、全力でプレーする。あとは試合の状況が“何をすべきか”を教えてくれる。自分は自分のプレーを続け、他の選手はそれぞれの持ち味を発揮すればいい。それでチームは機能すると思う」

2017年大会以来の王座奪還を目指す米国代表の一員として、等身大のプレーで世界の舞台に挑む。